表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裸間ボッチ ~隣人美少女たちの密かな企み~  作者: スカート保存委員会
48/108

不機嫌な有野さん

一週間のクールダウンを終え楽しい登下校を再開する。

「どうしたの一ノ瀬君? マナの機嫌最悪だよ。何があったの? 」

二人の関係が悪化してることに気づき心配する五階さん。

隣人関係にも友人関係にも影響するからな。でも俺が悪いんじゃない。

ただ五階さんに誤解だと言っても混乱するだけ。


「それがさ…… 」

詳細を語り相談に乗ってもらう。

「ふふふ…… 嫉妬しただけでしょう。彼女子供だから」

そう言う五階さんは相変わらず政治家の娘とあり品があり教養もある。

やっぱり俺ら庶民とは違う。かけ離れている。


「どうしたらいいと思う? 」

「大丈夫。そのうち…… でも本気で怒ってるんだったら早めの方がいいね」

うわプレッシャーを掛けて来る。

「早めって何を? まさか理不尽にも謝罪をしろと? 」

「愛の告白」

「何―だ。って告白? 告白! 」

うろたえる。と言うか焦って仕方がない。

ライバルでもあるはずの五階さんがなぜ焚きつけるような真似を?

どこかふざけている。要するに本気じゃない。


そう言えば一度有野さんに聞かれて告白した気もする。

あの時は有野さんのことを詳しく知らず学校だけで判断していた。

隣人関係を築いてから彼女に対する見方が変わった。

結局彼女は俺を求めてるのか? ただふざけてるだけじゃないのか?

朝と帰りの彼女を見れば好意を受け取ることもできる。

でもどうしたって教室での態度が気になってしまう。


どれが本当の彼女なのかよく分からない。

覗いてさえもまだ本当の彼女を掴めない。

多重人格である以上仕方ない部分もある。

それでもまだとんでもない秘密を隠している気がする。

それは何も彼女自身が知ってる必要なくただ彼女に関する真実でさえあればいい。

すべてを知った上でもう一度有野さんと向き合いたいと思う。

本気だからこそこれだけは譲れない。


「でも俺は有野さん好きだけど…… でも他の子のこともあるから」

よせばいいのに変にプライドが高いせいでおかしな言い訳をしてしまう。

いつの間にこんな人間になってしまったのだろう?

「例えば? 」

「それは言えない…… 五階さんとか? 」

「嬉しい! でもマナに悪いしな…… ハイお弁当」

おかしな告白をしてしまう。


俺は有野さんにも五階さんにも好意を持っている。

だからって二人と付き合えるとも思ってない。

どうも五階さんもよく分からないんだよな。大人と言うか余裕があると言うか。

今のって俺をからかってるのかな? きっとそうなんだろう。


「ねえ待ってよ五階さん! 」

有野さんはなぜか怒って先に行ってしまった。五階さんもどんどん前に。

「ほら置いて行くよ。さあ急いで! 」

自由な人だな。


「俺じゃダメですか? 」

「ううん。ありがとう。嬉しい。ただ…… 」

そこで沈黙。なぜか時間だけがゆっくり進んでいく。そんな気がする。

「やっぱり俺では釣り合わない? 」

「ううん。そうじゃなくてあなたに言ってない秘密があるの。

あなたがすべてを受け入れたら私あるいはマナを選んでくれていい」

意味深なことを言う困った五階さん。それは俺も何となく気にしている部分。


「そうだ。緑先生には気をつけた方がいい。

あなたに忠告したのにも何か訳がありそう。とにかく気をつけて。

何かあったらきちんと報告してね。それが私たちの為」

こうして再び平和な日々が始まる。


もう間もなく十二月。

さあ今日も頑張って行こう! 

気合を入れてすぐにトラブル発生!

体育で間違えて女子の方に行ってしまいひんしゅくを買う。

これって俺の日常で些細なこと。どうせボッチなのだから許して欲しい。

でもそうもいかないのが現実。再び男子から目をつけられる。


有野さんは行き帰りは仲良くしてくれるが教室では態度が冷たい。

と言うか人間扱いしてくれない。近寄らないでと酷い。酷過ぎる。

泣いちゃうよ。でもめげない。だってもう一人いるから。


名前は覚えてないけどナンバーフォーの女の子。斎藤? そうだ佐藤だ!

朝教室に入るとおはようと声を掛けてくれる。もうボッチじゃないよな。

その時多重人格の有野さんが我慢できずに先に行ってしまう。

そうするとまるで俺がストーカーしてるように映る。

もっと時間差で入ればいいのだが有野さんがこれでいいと我がまま。

俺って有野さんの機嫌と多重人格に引っ張り回されてばかり。本当に情けない。

ただ有野さんはそう言うところはきっちりしててプロだから失敗はしない。

情けない俺がただ振り回されてるだけ。先月から変わってない。


「ねえ一ノ瀬君。今どんな本読んでるの? 」

笑顔で問われると普通には答えられない。

「そうだな…… ゲーテの刺繍を作ってる」

「ええ嘘? 読むんじゃないの? 作るって何? 」

「ああごめん。漱石を少しだけ」

実際はラノベだけど言ったら軽蔑されそうだから言わない。


青いブタの話で飼い主から存在を忘れられてしまう可哀想なお話。

ラストに涙を誘う超感動場面がある。

ブタもコスプレするとウサギに変身するとかしないとかがテーマだった。


「もう一ノ瀬君! 似合わない。もっとおかしな作品を読んでると」

どうやら普段の行いを見て勝手に決めつけてるらしい。

ただ何度も言うようにボッチではあるけれど正統派であるのは間違いない。

「そっちは何を? 」

俺だけ答えてそれで終わりはないよ。それでは話だって広がらない。

だから聞き出すまで続ける。おかしいな俺ってそんな奴だったっけ?

もっと従順で物分かりのいい奴だったはず。それは有野さんに対してだけなのか?


                  続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ