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裸間ボッチ  作者: スカート保存委員会
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有野さんからの誘い

妹の和葉とは一つ違いとあって妹ではなく同じ扱い。

下手すればこっちが下にさえ思ってるはずだ。

大体俺のことを兄だとは認めずに生意気にも晶と呼び捨てにしている。


「一個下? なら来年は高校生? 受験生? 」

「ええ。きっと同じ学校を受けますよきっと。俺にライバル心剥き出しだから」

「ふふふ…… 面白い。だったら合格祈願グッズでも。または過去問」

おおさすがは五階さん。でも似合わないワードな気もする。

五階さんは頭がいいからそんなものに頼らなくてもよさそう。

しかもお嬢様だぞ?


「ごめんなさい。でも私そう言うの持ってなくて。マナのでいい? 」

やっぱりそうだよな。俺たちとは頭の出来が違うし金の力の差もある。

「いや本気にしないでください。妹も受験グッズは嫌と言うほど。

だから違うのがいいかな」

危うく受験グッズを買いに行く羽目に。それは俺も嫌だし。


「分かった。来週の日曜日はどう? 」

「早いっすね…… 」

「それでどこに行こうか? 」

「いつものショッピングモールじゃないの? 」

そうとしか考えてなくて違うのか? 別に俺はどこでも構わない。

合格祈願でないなら何がいいんだろう? 考えても考えても思いつかない。


やはりここは五階さんに頼るのが一番かな?

でも庶民感覚とはかけ離れてるからな。どうだろう?

「ほらあそこだと雰囲気が出ないし最悪マナに見つかるかもしれないよ」

「はあ…… 別に構わないのでは? 」

なぜそんなことを気にする? 妹の誕生日プレゼントは有野さんには関係ない。

まだ…… 俺たちがつき合ったらそれもあるかもしれないが今のところなさそう。


「嫉妬に狂ったマナが何するか分からないよ。それにこれが最後だから…… 」

「はあ? 何か言いました? 」

「ううん。何でもない。では詳しくはまたね」

こうして五階さんとお出かけを取り付けた。


以外にも単純だな。この手で騙されるとは…… 俺に妹何かいるはずないだろう?

イマジナリーフレンドでしかないのさ。


お兄ちゃん嘘つかないで! これが願望。

嘘ばっかりつかないの晶! これが現実。

  

ああそうだった。実際にはいたんだった。

何で兄が妹にプレゼントを買わなければいけない?

彼氏にでも買ってもらえっての。まったく。


ううう…… ごめんなさい冗談です。彼氏何かふざけるな!

まずい。和葉には指一本触れさせない。

どうせ考えてることはどうしようもないことばかり。

それはクラスの奴を見れば分かること。俺も若干最近そんな感じだけど。

あれは占い師の助言を聞いただけ。

どちらかと言うとマインドコントロールされたのだろう。


「ほら行こう。チャイムなるよ」

こうしてよく分からずにデートの約束をする? いや違うか。


放課後有野さんがいつものように話しかけて来た。

「昨日はどうも…… 」

「昨日? 教室の件はごめんね。私たちの関係を公にはできないでしょう? 」

「はあ…… しかし隣人関係ぐらいいいのでは? 」

つい反論してしまう。五階さんのこともあり浮かれている。


やっぱり昨夜のことは謝っておきたいな。

見てないし。見たのは下着だけ。かわいらしいお尻もちょっとだけ。

もちろん俺はそれだけで十分。十分すぎるほど。他にはいらない。

まさか見ているとは思わずに結果的に覗くような形になってしまった。


でも言い分もある。隣人との境界が近すぎるのは百歩譲っていいとしよう。

でもカーテンぐらいしたらいいのに。

ケチとは思えないが一人暮らしには最低限備えが必要。

新品でお洒落でデザインもグッドデザイン賞を受賞したものを選べと言ってない。

普通のカーテンでいいから遮るものを用意するべきだろう。

これは文句などではなく常識に基づいた忠告。

ただそれをどう伝えればいいか悩みどころ。

正直に言えば引かれるだけではなく通報されてしまう。

されるのは有野さんのはずなのに。


「どうしたのさっきからジロジロ体ばっかり見て黙ってるんだから。

感じちゃった? それとも何かあった? 」

そうやってからかう。理解されようとは思わない。

でもいい加減気づいてくれよ。


「有野さんは黒が好きだったりするんですか? 」

好きな色を聞いてみた。二回目。別に自然で脈絡などない。

ただ昨日の色から推測するにそうかなと。

「好きな色? ピンク」

全然違った。でも確かにそうだよな。


「あの校則とかでは身に着けてはいけないと? 」

「さあ知らない」

何と校則に興味はないそう。

「どうしたの一ノ瀬君? 今日は格段におかしいよ。色って気にする? 」

有野さんは無邪気だ。

俺は気にするぜ。うんピンクは悪くない。想像するだけで興奮が止まらない。

俺はどうしちまったんだろう? おかしい? おかしいよな?


「それより今週の日曜日空いてる? 行きたいところがあるんだよね」

どうやら有野さんは予定を聞きたかったらしい。

別に俺など一人ぼっち休みに出掛けるはずもない。

「はい。凄く暇です。超暇です! 」

おっと…… 喜び過ぎてどうする? もっと余裕じゃないと格好悪い。


「そう。無理しないでね。予定あったらいいから。

ただ買い物につき合って欲しいだけなんだ」

「はいお任せください! 予定が仮にあっても無視していきますから」

適当なことを言うがどうせ何もないし…… あれそうだったっけ?

忘れてるような。五階さんと買い物。妹のプレゼントを一緒に購入する予定。

でも来週だったような…… あれ違ったかな? まあいいや。


                    続く

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