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クリスマスパーティー当日

クリスマスパーティー当日。

令和になりそれはただの一日となった。

しかし以前は確か国民の祝日だったはず。

いつの間に変わったのだろうと考えてるうちに俺は大きくなったんだと実感した。

そう今日はもうただのイヴイヴだ。


早朝から雪になるのではないかと思うほど寒い。

これはもうコタツだな。寒い時はこれが一番さ。

後はミカンと熱いお茶でたまにアイスも食べたくなる。少々贅沢な気も。

ははは…… 何か爺臭いと言うより婆臭い。

これだから大家さんが勝手に上がり込むんだよな。

今はもうあの時の大家さんではないが。それは有野さんたちも俺も。皆そうだ。

これを成長してると言っていいのか…… いや堕落してるだけだろうな。

さあまずは学校を済ませてしまおう。どうせ彼女たちも同じさ。


和葉に危害が及ばないように全力で守るつもりだ。

夜の五階さんも有野さんも魅力的ではあるがそれと同じぐらい手強い。

隙を見せれば取り込まれるのは間違いない。さあ臨戦態勢だ。

もう男とか女とか隣人とか兄妹とかに拘ってる時ではない。

ふふふ…… 愛する者をとにかく守るんだ。

まずは相手の出方を窺うとしよう。

もう俺が諦めたと思ってるはず。実際連絡の取りようがないので途方に暮れてる。

その事実は変わらない。さあまずは学校だ。すべてはそれから。


考えてる余裕もなく一瞬で昼に。早いものさ。

呑気に弁当も食ってられない。そもそもお昼までだからお弁当はいらない訳で。

ついにクリスマスパーティー当日か…… 全然待ちに待ってないや。

どうにか回避しようとそればかり考えている。

最悪今日を回避すればいい。また明日とならないだろうが年内に惨劇が起きそう。

俺たちは本当に年を越せるのだろうか?

煩悩の塊のような俺たちはその鐘がなるまでに浄化されているだろうか?

そうでなくてもすべてがどうにか収まってくれればなと願っている。


明日のイブを前に俺たちのイヴイヴ聖戦が始まる。

大丈夫。勝てるさ。当然これはゲームでもバトルでもない。

しかし気合を入れてかからないと隣人たちに喰われてしまう。

俺だけでなく妹の和葉まで。それは何としても避けないといけない。

俺は兄として妹を守る義務がある。


つい一年前まで仲良くしていた和葉。

どんどん大きくなって見ないうちにいろいろなところが成長した。

前回会ったのは実家に帰った時。和葉の誕生日の時だ。

有野さんと五階さんと一緒に選んだブローチ。

あれを嬉しそうにつける。

でも恥ずかしがり屋だから生意気言っただけ。感謝されることはない。

お兄ちゃんありがとうぐらい言っていいよな。


ああ和葉。

昔から仲がいいものだから周りからはくっつき過ぎだと言われたもんだ。

でもあれは俺と言うよりも和葉の方が強引について来た。

兄の俺ができることは自分でもできるんだと信じて疑わない。

対抗心は物凄いものがある。

我が妹ながらその敵意剥き出しのライバル心には脱帽するばかり。


おっと…… 今は和葉の思い出に浸ってる時じゃない。敵から身を守らなければ。

それにはまず和葉をお隣さんに会わせないこと。それが重要になってくる。

今日も学校は昼まで。今週はずっとそう。冬休みまではこの調子だ。

そんな試験終わりの浮ついた日々を送るクラスの連中。

俺も浮ついてないと言えば嘘になる。

ただ最悪なことばかりが頭に浮かんで何も手がつかない。

そんな状況が続いている。


今のところ有野さんも五階さんもきちんと学校に来て授業に出てる。

フライングして先におっぱじめる恐れもあるから警戒を怠らない。

まあこれで仮にどうなろうと俺がどうにか対処すればそれでお終いだ。

何としても和葉を守って見せる。


ただその肝心の和葉が捕まらない。所在不明で心配ばかりかけさせやがる。

まだガキだからな。いろいろ成長したとは言え態度ばかりが大きくなる。

どうせ友だちか彼氏のところにでも入り浸ってるんだろうな。

彼氏…… それは絶対認めない訳で。もう俺はどうしたらいいんだか。


もう間もなくお昼でホームルームを済ませば帰れるのだが担任がなかなか来ない。

何をしてるんだろう? ノロノロしてる暇があったら早く来いよ。

もうイライラするな。くそ! 早く来い!

どうやら俺は相当焦ってるらしい。無理もないか。これから責任重大だからな。

気持ち悪くて吐きそうになるほど。でも気合を入れ直して心を強く持つ。


「済まない。遅くなったな。ではホームルームを始める」

さあ帰るぞ。これからクリスマスパーティーが始まるんだ。地獄のね。

運命の一日。もう間もなく本当の闘いが始まる。

「よし以上だ。それから一ノ瀬は残れ」

指名しやがった。一体何の用があると言うんだろう?

最近消しゴムコロコロも鉛筆コロコロもしてない。

当たり屋行為だって自重してるのに。俺が一体何をしたんだ?

それとも表彰でもしようと言うのか? でも時期が悪い。

今日は急いで帰らないといけない。


職員室ではなく生徒指導室に連れて行かれた。

話なら教室でもできそうなのに拘るな。やってる振り? パフォーマンス?

「何をやってる? 往生際の悪い奴だな。心当たりあるのか? 」

ノロノロと生徒指導室まで歩き完全に出鼻を挫かれた。

これは有野さん…… いや五階さんの差し金あるいは策略に違いない。

どこまでも俺を貶めようと必死だ。俺の弱点を的確に衝いてくる。

相手は本気だ。俺の帰りを遅らせようと妨害するつもりだ。


                  続く

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