表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/163

殺される!

挑発を続ける政治家の娘さん。

何と言う乱交パーティー。俺でなければ全員捕まってる。

補導されるのは確実で退学は間違いない。

ははは…… こんな夜の楽しみを漏らせやしない。俺たちだけの秘密。


「いいだろう? 俺たちは仲のいい兄妹なんだからよ」

和葉だけは馬鹿にされたくない。ブローチも喜んでくれていた。

それを選んでくれたのも付き合ってくれたのも五階さんだ。

当然今の羅漢ではない。天使のような彼女たち。


ふふふ…… 本当にどこで狂っちまったんだろうな?

俺は悪くないよな? 俺はきっと間違ってない。


「そうだ。妹って言えばサトルの妹のサトリちゃんだけどさ…… 」

もう自分たちのコントロール下に置いたと口が滑る。

だがまだだ。俺は最後まで抵抗してやる。

ただの妹思いの素敵なお兄さんのイメージを守る。絶対に覆されて堪るか。


どこから仕入れたか知らない根も葉もない噂を信じて脅しを掛ける。

俺たち兄妹の仲が良かったのを勘ぐっておかしな妄想に耽る。

情けない。どこにそんな証拠があると言うのだろう?

俺を陥れてコントロール下に置こうとする浅ましい考え。

仮に俺が何をしようと過去は過去。現在立派ならそれは問題ない。

この地に転校してきたのだって心機一転を図ったとも言える。

それなのに人の粗探しをして優位に立とうとするとは情けない。

俺はそんなことに決して負けないぞ。罪などもみ消してしまえばいいのだ。


ついにサトルと妹の話が聞けるらしい。

「もういいじゃない。その話。転校生のことはどうでも」

五階さんが止めるも有野さんはなおも続けようとする。

「よく遊んだなサトルとは」

聞き捨てならない。まさかサトルとはそんな関係?

「そう言えばサトルも妹思いだったよね。可哀想に兄があんなことになってさ」

五階さんがおかしなことを言う。転校したのなら表現がおかしぞ。

まさか違うのか? それとも何かあるのか?


「サトルは一体どうなったんだよ? 」

「だから転校したんでしょう? 私知らない」

「マナは? 」

「さあ。どうでもいい。それよりもいいことしよう」

「何でだよ! どうしてお隣さんがいなくなって平気でいられるんだよ! 」

だがいくらそう叫んでも反応は恐ろしいほど薄い。


「それで妹のサトリは今どうしてる? 」

「さあ。あの時は本当にしつこかったね。私たちを疑ってた。

でもどうでもいい。この土地を離れてよそに行った人のことなんか忘れた。

そんなことよりもっと楽しもう」

ダメだ。一つとして肝心なことを漏らさない。鉄壁のガードがされている。

まさか本当にサトルもサトリも消されちまったのか?

秘密を知ったから消されちまったのか? 

だが俺は生きてやる! 生き延びてやる!

和葉にも指一本触れさせない。こんな危険なところに連れて来るもんか。

残念だがクリスマスパーティーには呼ばない。実家で大人しくしててもらう。


「あれ? 黙っちゃった? アキラったらつまらないこと考えてない? 」

五階さんは鋭い。俺の心を読むように牽制する。

「いや…… ちょっとトイレに」

「ここでしていいよ。私たちが処理してあげるから」

とんでもないことを言い出した。何を言ってるんだ?

トイレで逃げれないなんて未だかつてあっただろうか? 

でもきちんと後始末してくれるならいいかな。だったらここで……

つい欲情してしまう。おっと俺は何をしてるんだ? 

相手のペースに乗せられるな。

こんなところで漏らせば大家さんに殺されてしまうぞ。


「ああ大家さん? 大丈夫。あらかじめ了承済みだから」

口から出任せの五階さん。そこまでする? それとも事実だとか?

まさか黒幕は…… いや人を疑ってはダメだ。それで緑先生も失った。

形だけとは言えそれはとても辛いもの。後悔しても後悔しきれない。


「じゃあつまらないお話もこれまで。さあ楽しもうか! 」

「カーニバル再開! 」

嘘…… もう寝るんじゃないのか?

しかし指摘すれば間違った捉え方をされてしまう。だから言えない。


「ほらアキラ来て! 」

ダメだ。逆らえない。だが言うことは言っておく。それが責任。

「悪いが明後日のクリスマスパーティーには和葉は連れて来れない! 」

これ以上の危険は冒せないし妹を生贄には捧げられない。

それは有野さんだってそうだ。


「どうしてなのアキラ? 」

有野さんはさも不思議と聞き返す。

「こんなところに連れて行けるか! 分かって下さいよマナ」

「アキラがそう言うなら。別の人を招待するけどそれでいい? 」

意外にも物分かりがいい。やはり有野さんは有野さん。

いい子なんだよな。でも五階さんに操られてこんな風になっている。


「それいい! でもマナも悪い子だね。その人が誰か言わないつもり? 」

五階さんも昼間の彼女に戻りつつある? 魔法か呪いでも解けたか?

それならもう安心だ。さあこれで危機は去ったのか?


「ああそうだ。教えてあげないと」

「いえ。シークレットゲストで構いませんよ。和葉以外ならね」

どうせクラスの子だろう。そんな時ばかりは普通に戻るのだから。


「いいのアキラ? 」

「いいですよ五階さん」

「あなたのお母さんよ。それでも本当にいいの? 」

「ふざけるな! 何を考えてる! 」

「当たり前でしょう? ここを知ってるのは限られてるのよ。ははは! 」

「そうそう。残念だったね。ふふふ! 」

ダメだ。悪夢は続く。もう逃れられない。


「もう一度聞くね。妹の和葉ちゃんは来ないのかな? 」

「来るかよ! 」

「アキラ? いいの? 」

「分かった! 従います。でも俺たちの関係は絶対にばらすなよ」

「ちょっと待って。付き合ってるのもダメ? 」

有野さんが痛いところをついて来る。

「それは構いません。でもそれ以上はやめてくれ! 」

「どうしようかな…… 」

「お願いだ! この通り! 和葉にだけは! 」

「もう分かったよ。いいよ」

「甘いなマナも。でもそうしないと協力しないなら仕方ないか」


こうして宴は続いた。

俺はもはや彼女たちの言いなり。奴隷と化した。

そしてどうにか悪夢の夜は終わり朝を迎えるのだった。

もはや乱交パーティーと化した夜の宴。

どうにかしないと俺の体が持たない状況。

それでも堪えた俺を自分で褒めてやりたい。

ただ俺たちは完全に狂っているが。


                  続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ