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例外なく皆狂ってる!

明後日にはお楽しみのクリスマスパーティーが開催される。

そこには妹の和葉も駆けつけることに。

この惨状を知らない和葉は呑気に参加するらしいがどうなることか。

母さんも和葉を甘やかし過ぎだよな。大体有野さんを信用し過ぎ。

まあでも普段の睨まない有野さんは素敵だから勘違いするのも無理ない。

当日は何が起こるかまったく想像もつかない。

俺が狂うか和葉が狂うかお隣さんが静かにしてるかだな。

どうであれまともなパーティーになるとは到底思えない。


「妹は俺に似て大人しいから脅かさないでやって下さい」

つい懇願してしまう。だが狂った者にいくら言ったところで効果は薄い。

俺がいつも頼んでも聞きはしないんだから。

一晩ぐらい我慢してくれと暗に言ってるんだが理解してるようには思えない。

理想のお姉様像が壊れてもいいのか?

「はいはい」

適当に返事をする五階さん。これはきっと何かする気だ。

サプライズなどと言う生易しいものではないだろう。

きっと後悔する。やはり和葉には危険だ。

猛獣の檻の中へ入れるようなもの。


「いいですか二人とも? それだけは約束してくださいね! 」

これでも兄だ。最低限のことはしないとな。妹に危険が及ばないようにする。

どうせ呼ばないと言っても母さんを利用してくるはずだ。

俺は信用されてなくてなぜか有野さんは関係を築いてるから。


「そうだ。妹って言えばサトル君にも妹がいたような…… 」

俺が和葉についてばかり言うから話を変えようとサトルの妹について語り出す。

これは面白そうだぞ。彼に関する情報は少ない。

サトルについては大家さんが口を滑らせたこと中心だからな。

ただ緑先生が多少話してくれたっけ。妹のサトリちゃん?


「妹ですか。初耳だぜマナ」

「そうそうそれでいいの。分からないことがあったらきちんと聞いて」

有野さんは細かい。

「はあ…… それでそのサトル君は結局どうなりました? 」

なるべく自然にまったく興味がないように振る舞う。


「サトル君は…… 」

有野さんが言いかけるが必死に止める五階さん。

「ちょっとマナ! いい加減冷静に」

釘を刺す五階さん。有野さんが何かまずいことでも言ったのかな?

「ふふふ…… そうだよ。今を楽しまなくちゃ? 私を見て何も感じないの? 」

誘惑する。この状況でされたら俺は逃げれない。どうすることもできない。

止めてくれ有野さん。俺たちはそんな関係じゃない。

といくら思っても口に出さなけれ否定とは捉えられないか。

逆に沈黙は了解と捉えられてもおかしくない。

俺はもはや自分では分からずにいる。本当に拒否していいものか?

あれほど堪えてきたがもう限界も近い。


「感じる? 済まない二人とも。素っ裸の女を見て感じるのは頭大丈夫かだ」

強く出る。これでいい。どうやら驚いて言葉が出ないらしい。

ははは…… 情けないお隣さんだ。ハプニングには弱い? 

そんな二人にはここからすぐに立ち去ってもらいましょうか。

もう宴は終焉。カーニバルはフィナーレさ。


「生意気言わないのアキラ! 覗きの常習犯だって知ってるんだから」

五階さんが切り出した。

それは事実だけど。覗かれるようなシチュエーションを作ったのは彼女たちの方。

俺は悪くない。悪くないんだ。

「お隣さんを覗いたことは謝る。しかしそれはそっちにも責任があるだろう?

なぜこんな真似をする? 俺を誘惑してどうする気だ? 」

もうここで上品ぶっても従順になってもダメだ。

俺は自分の思い通りにすべてを動かす。

覗きはよくないことだが罠を仕掛けたのはそっちだ。だから俺は悪くない。

これは嵌められたんだ。俺は…… 何一つ悪くない。


こんな風に開き直る自分に反吐が出るがそれでも保身の為には何でもする。

もしこのことで彼女たちが脅迫するなら最悪最終手段に。

そうはなって欲しくない。でもこれは俺の戦いでもある。

あまりにも隣人関係を深めてしまった為に起きる事件。

そんなことにだけは決してさせない。仮に彼女たちのそれが夜のみでも。


そもそも有野さんは別として五階さんはどうか。

彼女は多重人格ではない。でもどう見てもいつもの五階さんではない。

いやそんなの分かり切っていたこと。彼女はやっぱりどこかおかしい。

それは俺にも言える。なぜか抵抗できない。だからこそ招待してしまう。


「知ってるよ。アキラが覗いたって話。それはね聞いたから」

有野さんまで俺を責め立てる。違う。違うんだ有野さん。

まさかあのことを? でも誰にも言ってない。

どこから漏れたと言うんだ? そもそも見つかってさえいないはず。

どうして? なぜそのことを知ってるんだ?

ハッタリだ! ハッタリに決まってる! 俺は惑わされないぞ!


「ははは…… 何のことですかね? 俺にはちっとも心当たりがないや」

どうにかごまかすが二人にはお見通し。

どうやらこの話を終える気はないらしい。

もう彼女たちは完全に敵に回ってしまった?


あの輝かしい日々は何だったのか? なぜこんなことに?

どこで俺たちはおかしくなってしまったのだろう?

認めない! 俺は絶対に認めないし告白なんかするものか!

それにあれは時効だろう? 大体家族間のことだし……

ついに俺の罪が暴かれようとしている。


自分は一人ぼっちのただの高校生じゃないのか?

記憶の奥の奥に仕舞い込んだ過去。

それはそれはとても直視できるようなものではない。

そうさ。皆狂ってる!


               続く

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