詩全集2 触れた。掠めた 作者: 那須茄子 掲載日:2024/11/19 のぼった先に特別な世界があると 思って駆けていた 指に風が触れるたび 耳元でくすぐったい何かが掠めていく それが残していくものはきっと こぼれたモノトーンで 滲むことを避けたがっていたはず 沈んでも染まりたい色があるから 秘密ができるのだろう 目には見えないけど 唇をそっと撫で 抱きしめてしまえる 少しずつ近付く のぼった先に特別な世界があると 思って駆けていた 透明の帯を纏った本のような 蝋燭を灯せばそれで 炎の熱で 空気が震えそうだ