カラスウリの花とともに夏が終わります
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ。
すっかり秋の空気に入れ替わって、朝晩涼しくなりましたね。
職場の近くに小さな森があって、カラスウリがたくさん繁っています。
今日は、カラスウリのお話をしましょうか。
皆さまはカラスウリをご存知ですか?
7~8センチくらいのたまご型のオレンジの実。秋になると公園や森で見かける可愛い植物。
日本と中国原産の植物で、北海道をのぞく本州・四国・九州各地に自生しています。
ちょうど秋が深まってきた頃、綺麗な朱色に実が熟してくるので、秋の風物詩にもなっていますよね。
そんな身近なカラスウリですが、意外に花は知られていないのです。
6月から9月にかけて咲くレース状の真っ白な花はとても幻想的で妖艶ですらあります。
知られていない理由の一つは、夜にしか咲かない一夜花だからかもしれません。
完全に日没して暗くなってから咲き始め、太陽が顔を出す夜明け前には萎んでしまうのです。
暗闇に浮かびあがる真っ白な花。まさに夏の夜の夢のごとし。
男嫌いという花言葉は、あえて明るい昼間を避けて夜暗くなってからひっそりと咲くことからついたといわれています。
わざわざ観に行く価値が十分ありますので、ぜひ……といいたいところですが、もうそろそろ花のシーズンは終わってしまいます。もっと早くエッセイ書けば良かったと反省。
ちなみに私の職場の森のカラスウリは、まだ終わっていないので、仕事帰りにいつも愛でていますよ。
さて、このカラスウリ、なぜカラスというのか気になりますよね?
諸説あるのですが、
●実が苦く、カラスぐらいしか食べないから(カラスが食べるという報告例はないらしい)
●繁殖力が旺盛で、蔦が絡んだ植物を枯らす(カラス)から。
●唐朱 中国から輸入された辰砂に似ていたから(カラスウリという名称は少なくとも平安時代には定着しているので、辰砂が国産から輸入品に移行していった時期と時代が合わないので根拠が弱い)
●植物の実の大きさを表す表現としてのカラス。例、カラスのエンドウとスズメのエンドウ、カラスウリ、スズメウリ。
他にも色々あるのですが、決定打はないですね。
ちなみに、沖縄にあるスズメウリの一種、沖縄雀瓜を検索してみてください。
夏祭りのボンボン(ヨーヨー釣り)の風船みたいでめっちゃ可愛いですよ。
そして、このカラスウリ、種が面白いんですよ。
カマキリの頭みたいな形なんですけど、大黒様の頭や柄の無い打ち出の小槌にも見えるということで、昔からお財布に入れておくと金運を呼ぶとされています。
種を麻袋に入れて、誰にも知られないように床下に隠しておくとお金持ちになれるというのもあったり。
カラスウリの別名に、玉章っていうのがあるんですけど、これっておみくじみたいに結んだ手紙のことなんですよね。それに種子の形が似ているから玉章。
そして、結んだ形のお手紙は古代のラブレター。
だからカラスウリの花言葉には、もう一つ「良き知らせ」というのがあるのでしょうね。
でも気をつけて。
カラスウリを男性に渡すと「男嫌い」という意味にとられかねませんし、女性に渡すと、違う意味に受け取られる可能性がありますからね。ふふふ。
さて、最後は皆さま気になっているはず。
果たしてカラスウリは食べられるのか?
結論から言えば、実、葉、芋(塊根)すべて食べられます。
ただし、熟して朱色になった実は苦くて生では食べられたものではないです(体験済み)
シロップや蜂蜜漬けにすれば食べられると聞いたことがありますが、出来れば若い縦じまの入った緑色の実を食べましょう。
浅漬けや粕漬け、お味噌汁の具として食べるのが一般的ですけど、
ニガウリ(ゴーヤ-)と同じ用途でも食べられますよ。
実がなるのはまさにこれから。
カラスウリを愛でる秋到来なのです。
個人的にとても好きなカラスウリの別名に「きつねのまくら」というのがあります。
想像しただけで癒されますよね!!