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5.おのれブランク

ストーリーの流れは作れても文章にならず、5000文字を超えないので初投稿です。

結局鍛冶屋ではコーティングしたナイフを買い、ついでにそこそこの量の鉄の切れ端に、片手剣と同じサイズの木剣も買った。ナイフは念のためのサブウェポンであり、門を出るときに怪しまれないようにするためのものでもある。木剣については店主には素振りで使うといったが、町を出た後で錬金術を使って鉄並みの重さと強度に作り変えて実戦で使う予定である。

また、武器を作る場面を見てみたいことを尋ねたところ

「てめぇがいっちょ前に稼げるようになって俺に依頼してくれるってンなら見せてやるぜ」

と言われた。店主なりの激励なのかお祈りメールなのかは不明である。


買い物を終えて、その足で冒険者ギルドに依頼を受けに行った。

昨日の人はいなかったので違う人にスライムの討伐の依頼などは出ていないか聞いてみたところ

「スライムに関する依頼は出ていませんがスライムの皮にはいくらでも需要があるので基本的に相場が大きく変動することはありません。皮の大きさ次第ですが1匹分で銅貨1枚を下回ることは無いと思っていただいて構わないかと」

といわれた。

「ちなみに、今だとどんな魔物の討伐依頼がでてるんですか?」

「季節的な依頼はありませんが、ゴブリンやコボルト、オークなどは基本的に国からの駆除依頼があります。開拓村などで出す場合もありますがこれらの魔物なら国からの補助が出ますのでワリが良いとのことで出されてもすぐに誰かが受注します。動物ですと各町や商業ギルドがオオカミなど肉食の動物の駆除依頼を常に出しています」

普通の動物を狩るのは200年前と変わらない。最も魔物と違い動物は無から発生しないので依頼されていない動物を狩っても買い取ってもらえないらしい。登録したときは聞かされなかったが動物はこの街の東にある森にいて駆け出しには荷が重いというのが大きいのだそうだ。

ほかにも色々と聞いてみたが、おいしい話は無かったので諦めて当初の予定通りスライム討伐に向かうことにした。



「この辺でいいかな」

街をでて道を外れ、少し離れた草原を歩きながらまずは木剣に錬金術をかけることにした。

錬金術

ざっくり言うと物質に魔法によって作り出した「特徴」を付与する技である。

この特徴というものが曲者で、「高熱を出す」・「水滴が付く」のようなわかりやすいものだけでなく例えば「ガラス質」だの「やわらかさ」だのといった物質の根幹を変えてしまうような訳の分かんないものまで存在する。師匠のエルフ達曰く

「錬金術とは物質におのれが持つイメージを押し付けることだ。既存のものに新しい概念を自分で考えながら付け足すのだから失敗も多い。例えば鉄をイメージしてスライムの皮に付与を行ったが、鉄の硬さを再現することに意識が行って、粘り強さや変形をイメージし忘れたせいで落とすと割れるようなもろいものができる。というのはよく聞く話だ」

とのことであった。

「1年ぶりだが上手にできるかな、と」

イメージする。

鉄のような硬さ、変形した時にどうなるか、重心・重さはどうなるか、など「鉄のような硬さ」と「重さ」に関するイメージを広げる。

ここで仮に致命的なバグが発生すると錬金術がかからず解けてしまう。今回は「見た目は木製だが鉄並みの硬さと重さを持った物質」になるように必要になるイメージとそうでない(変えなくてもよい)イメージを取捨選択していく。

「こんなものかな」

5分ほどで作り替えは終わった。手で弾き、音や感触などから特に問題ないことを確認する。

仰々しい光や音など全くない地味なものであったがこういうものである。

師匠達曰く

「変化がはっきりと認識できるように光なんかを出す奴もいるが言わば補助輪と同じものである。錬金術に習熟してくればそれらを出すことに意識を割くのは無駄でしかない」

であったか。

まあとにかく

「1年ぶりぐらいだと思うけど意外と何とかなったな」

色々と項目が多い金属系の錬金がここまでスムーズにいったので腕は落ちていないとみてよいだろう。

聖剣並みの武器を作ろうと思ったら錬金術は必須になるため、そこが問題ないというのは良いことである。


「次は戦いの腕が鈍ってないかだけど……ちょうどいいね」

少し離れたところでいくつかの丸いものが跳ねるのが見えた。スライムである。

切れ味をよくするために剣に風を纏わせる。

「50メートルぐらいかな?」

魔法で風を背中に送り、加速しながら一気に近づく。スライムが間合いに入ったと同時に大きく踏み込んで大上段から構えた剣を振り下ろす。

(剣のほうも問題ないかな?)

体の動かし方や間合いの詰めかたに違和感はなかった。

そうして振り下ろされた剣は


スライムのいる少し手前の地面を切り裂いた。

「……あれ?」

地面の振動を感じたからかスライムは跳ねながら散り散りに逃げていき、

俺はそのまま固まって動けなかった。

錬金術

スライムの皮を硬くしたり、草を液体にして100%草汁ポーションを作ったり、そのポーションの薬効を強力にしたりすることができる。

物質にイメージを押し付けるように魔法をかけて定着させる。その際にイメージが弱かったり取捨選択が上手くできないと失敗する。逆に極めるとただの草を切れた腕もつながる強力なポーションにしたり、真鍮を金に変えたりできる。

ほかにも、「持ち手が不老不死になる剣」とかも多分作れる。ただ、そうしたファンタジーな特徴は魔法の強度によっては現況との致命的な矛盾に耐えられなくなり、魔法が自壊することがある。

原理魔法が使える人が多かった200年前は錬金術師も多かったが今は……

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