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2.おのれ偉い人

ルピの振り方がよくわかってないので初投稿です。

「そうはいってもどうしたものか」


現在俺は迷子といってもいい。何となく広場から離れたくて歩いてきたがどこに行こうか以前にこの町のどこになにがあるのかもわからないのである。

廃墟だったころの街とは区画も違うためひとまず大通りからそれないように歩いている次第である。

今は太陽の傾き的に昼頃だろうか、通りに建っている食事処らしき建物は何処も混み合っていて繫盛していた。

日暮れまでに残された時間も多くない。目的が定まったことで必要なものも見えてきた。

まず、金である。前述のように生きるだけなら何とでもできるが、武器を作るのには様々な設備がいる。いくらかを魔法で代用できても素材を買う代金なんかも必要だろう。それも何度も試作して、失敗することを考えたら大量に。

幸いなことに武器についての知識はメンテナンスの仕方を覚えるうえで必要だったので頭にあるし、武器を研ぐのに必要な素材なども魔法空間に眠っていた。何も知らない人よりは武器づくりに向いているはずだ

食料なんかも数日分あった。200年前というと食べるのに勇気がいるが、時間は止まっているはずなのでたぶん大丈夫である。着替えもあった。

手切れ金も手元にあるので宿に泊まったり、多少の買い物もできるだろうか。収入がないので油断はできないが。

治安が良いので街中で野宿すると悪目立ちする可能性が高い。なるべく宿で泊まるべきだろう。

後は身分だろうか、この街の中から急に現れたので、門を出入りしていない。ある程度しっかりした身分がないと思いがけない場面で怪しまれるかもしれない。今のままではおちおち買い物もできない。



以上から、少なくとも今日中に宿の場所と身分、稼ぐ手段のあたりをつけておきたい。

だいぶ求めるものが多い気もするが身分と稼ぐ方に関しては両方を同時に解決できる当てがあるため、とりあえずは武器を持っている人々の進んでいる方向を目指すことにした。最悪は街の衛兵なんかに尋ねればよいのだが、自分は門から入ってきたわけではく服装も学生服と珍しいため場合によっては見咎められてトラブルが起こるリスクなども考えられる。痛くもない腹を探られるのが可能性がある以上身分を手に入れるまではなるべく人と関わりたくないし話しかける場合絶対に問題になる部分がある。


「魔物狩りって今でも同じ名前なのかな?」


魔物狩り

少なくとも200年前はそう呼ばれていた職業がある。

仕事はその名の通り魔物を狩ることで、自分もかつては路銀を稼ぐために所属していた。

この世界では魔物は危険の象徴であると同時に動物と同等以上の資源でもある。

例えば薬の瓶や建物の窓なんかはスライムの外皮を錬金術で処理した代用ガラスがほとんどだし、魔物の毛皮は動物の毛皮よりも分厚くてでかいものが多く防寒具や防具として優秀である。魔物がその身に宿す「魔石」なんかはどんなに小さくても割って火種にするぐらいの役割があるし、魔法や錬金術の触媒になるのだ。

こういった理由から、魔物狩りは今現在でも需要のある仕事のはずなのである。街に明らかに兵士の装いでない武器持ちが歩いていることからもそれが察せられるのだが

(なんか前に組織再編がどうこうとかいってた気がしたんだよなあ)

そもそも200年たって何も変わってないというのは考えづらい。

道端で「魔物狩りの組合は何処にありますか?」なんて聞いて「魔物狩り?何それ」となったら困る。

このような理由から、人に聞くのは本当に最終手段であった。


そんなことを考えながら歩いていたら武器を持った人が多く出入りしている建物が見えた。


「冒険者ギルド…?」


今はそんな名前に変わっているらしい。時間の流れを感じるとともに今なら浦島太郎の気持ちがわかる気がした。



少し躊躇したが、周囲の人たちに押されながら建物に入る。

正面に受付らしきカウンターがあり、手前側が人の集まるスペースらしくテーブルなどが並んでいる。左手には食堂があり、そこで料理をとってテーブルに歩いている人たちがみられた。右手には廊下があり複数の部屋が並んでいるようだ。


とりあえず受付に向かって歩いてゆく。昼時だからかそこまで混雑してはいなかった。


「あの、すみません」

「はい、どうされましたか?」


どうでもよいが受付の人は全員女性だった。こんなところでも客商売だからか、あるいはここが王都で治安が良いからかは不明であるが。

重要なのはここからである。


「登録をしたいんですが」

「文字の読み書きは可能ですか?」


前回教わったからできる。


「はい」

「それでしたらこちらの用紙に必要事項を記入してください」


記入個所は氏名、年齢、特技であった。

200年前は魔法が使えると割の良い仕事が振られたものである。

武器を作るにあたって金は多く必要になるほか、15歳という若さゆえに危険度が高い仕事を受けられなくなる可能性があると考え、今回も特技に「魔法」と記しておく。


「できました」

「はい、お預かりいたします」


問題ないだろうか、ここでつまずくわけにはいかないのだが…

やがて受付嬢が顔を上げて、


「お名前はケンジ、さんと読むのでよろしかったでしょうか」

「はい」


質問をしてきた。


「特技に魔法と書かれていますが、ケンジさんが現在契約されている精霊の属性は何になりますか?」




「は?」

精霊?何だそれ?

聞いたこともないんだが?

魔物と魔王

魔物と魔王は大本をたどると同じ生まれ方をするとされる。生まれるのに必要な材料は環境の局所的な変化によって生ずる魔力の歪みと生物が死んで放出し、回収機構によって回収されなかった魂。

魔物は現地単位で発生する回収のラグによって発生し、魔王は災害などが原因の多量の生物が短期間で死ぬことで発生する回収機構の『詰まり』によって生まれる。

生まれ方の違いからかは不明であるが魔王は魔物を操ることができ、ほかの生命を殺すことで自らを強化できる。

気温の変化や空気の成分の変化などの世界規模の環境変化が原因で発生した魔王は世界を滅ぼせるほど強くなり、そのような状態では神すら手が出せなくなる場合もある。

初代勇者である主人公が討伐した魔王ももともとは火山の大規模な噴火によって森などが焼けたことで生まれたものである。人族が舐めプしなかったら勇者なしで討伐していた可能性もあった。

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