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とある宿の皿洗い。  作者: 烏ノ
3/5

衣食住と就職決定、姉御なハーフエルフ。

おかしいところが多々あると思います……。

優しい目で見てやってください。

「で、お前。本当に、これからどうするんだ?」



そう。今まさに悩んでいるのはそれだ。


俺の身に起きた出来事が何かなんてもう分かる気がしないので、一回諦めることにした。


その上で今確保すべきなのは、衣・住・食だ。

衣はなんとかなりそうな気がする。問題は住と食だ。特に住の部分。宿に無職が一生暮らせるわけがない。食も同じく、無職がいつまで食べられるかなどわからない。

というわけで。


「どこか、住み込みで働ける場所を知らないか?」

「あー、住み込みで働ける場所、なあ……。今は聞かないねー……。」

「そうか…。」

やはりそう簡単に見つかるものではないらしい。いや、むしろあっさり解決するとある意味怖いが……。


それより、このお姉さん、一体どんな人なんだろうか。さっき「アタシの飯屋兼宿屋」とか言っていたから、おそらく女主人か何かだろう。……それにしては、こう、すごく若い気がする。


背がかなり高く、すらっとしていて、それでいて出る部分はしっかり出ている。滅多にお目にかかれないナイスバディだ。しかもシュッとした切れ長の濃紺の目、ツヤツヤした唇。そして上の方でくくっている紫の美しい髪。いかにも姉御な雰囲気。

モデルと言われてもおかしくないレベルだ。


「なんだよ、じっと見つめて。……お前、そんなに困ってるのか?」

眉をひそめて聞いてくる美人なお姉さん。

「あ、俺、そんなに見つめてたか?すまん。いやしかし、正直困りすぎてどうしたらいいかわからないレベルだ。」

「はぁ……。あーーー、もう!お前はぁあああああぁぁぁああ!」

急に叫ばないでほしい。心臓くんが縮みあがりすぎてかわいそうなレベルだ。

「わかったよ、どうしてもっていうなら、ここで働かせてやる!住み込みで、賄い付きで!」


一瞬、時が止まった。


「は……?」


「おい。嫌なのか?そうかわかった、なんでもない。」

「いやいやいやいや!本当にいいのか⁉︎」

「いいっつってんだろ!何回も言わせんな!」

「あ、すまん……本当に、本当にいいのか?」

「いいって言ってるだろしつこいな!」

「あ、ありがとう……!超助かる……!」


親切で美人なお姉さんはふんっと鼻を鳴らすと、部屋を出て行こうとする。

「荷物まとめて一階に来な。お前の部屋は三階の奥の物置。物はそんなに置いてないから、溜まった汚れだけ落としたら、アタシがベッドとか机とか、余ってるやつを入れてやる。」


「あ、ありがとな!何から何まで、本当……えっと、」

お姉さんは振り返ってニヤッと笑う。

「アタシはハーフエルフのレルナ。二百二十四歳だよ!」

翻った髪の隙間から、少し尖った耳が見えた。




読んでくださってありがとうございます。

ブックマーク等してくださると嬉しいです……!


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