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22 偶然?

あれからもうPVが5000ブクマが50も伸びました!ほんとにありがとうですっ!

これらはしっかりと私の励みになってます。

気ままに頑張るのでこれからもよろしく~!


 んぅ~……おはようです。やっぱりTFOの中で寝るのも悪くはないですね。寝たと言っても現実の時間では未だに一時間経った程度なのですが。


 さて、目覚めが上々なのはいいことなんですけど……


――ここって、どこですか?


 ぼくの記憶に間違いはないので、眠る直前はたしかに山頂の木上にいました。それが今では……どこかの洞窟の中?にいるようです。

 幸か不幸か、暗いところでも視界良好なので進めないということはないのですが…。

 とりあえず状況整理をしますか。あたり一面を*無差別鑑定しまして……いてて、頭痛が~っとと、何か変なものが鑑定に引っ掛かりました。何でしょうこれ。


「んー……"枯死したトレント"?

 真っ暗な洞窟内であり得るものなのかなー。」


 見た目は50cm程の細くて小さい枯れた木そのもの。

 特に変わったところはないようですが……あっ、よく見たらムカデさんがいる!んーっ、こっちにおいでー―――



――木が走る。主を乗せて。いったいどこに向かってるのか。

だんだん生命が削れている。それでも必死に走っている。

他の魔物の攻撃を受けても、無視して走る。何がこんなにも必死にさせるのだろう?

洞窟に入ってもまだ走りつづけてる。これは下に向かっている?最下部の方に何かがある?

遂に根の足が折れた。木の内部から既に腐っていた。

了解した、樹精霊。後は自分が代わりを務める。――

 


―――ん?………今のって……うん、ムカデさんの見てきた内容って考えた方が妥当ですね。おそらくは《血の契約》の効果。実際にレベルが1上がってますし。何気にムカデさんって、結構賢いみたいですし。



 となると、この木さんがぼくをここまで運んできたってことでしょうか。樹精霊ということは、汚染されていないイビルトレント。つまりぼくの寝ていた木がたまたまトレントだったということでしょうねー。本当に偶然だったのかはわかんないですけど。

 まぁ、うん。結局何の目的があってのことかはわかりませんが……ひとまずお疲れ様でした。一応なにかに使えるもですし、空間箱に放り込んでおきます。アイテムを逃すのはRPG好きなぼくからするとちょっとできないんですよー。


 んー。さっきの流れ込んできた記憶によると、ここは山の中腹付近にあった洞窟からしばらく下方向に進んだところのようです。ぼくの体内時計が狂っていなければ、今は二日目の午前7時15分46…47……この先に進めば後戻りはできないと考えたほうがいいですね、これは。たぶん昼頃にはこの辺りもエリア制限されるでしょうし。


「それじゃあー、ムカデさん。案内よろしくですっ!」


 おぉー、ムカデさんが頭をぺこってしました!『任された』って言ってるのかな?早速案内してくれるみたいです。んっ、わりと移動速度が……あ、ぼくが遅いだけですか、そうですか………しょぼーん。



  *  *  *



 んー。あれからしばらくムカデさんについていってるんですけど……この洞窟はいろんなところに、どこかに繋がっているであろう穴があるんですよ。小さくても2mは越えてそうな大きさのものが。

 よくあるパターンとしてはその穴から何か出て来るのが定番ですよねー。ほら、こう、そこら辺の穴から大きなミミズみたいなのがどーんっ


『ドオォォンッ!!』


―――えっ?



「いやぁぁっ!ほんとにおっきなミミズがでたぁっ?!気色悪いですっ!れ、冷静にならないと……。

 よし、ムカデさんはぼくにつかまってさっきのシンクロをお願い!ぼくの意識に直接案内してっ」


 もう敵に存在がばれてますし、空間把握をフル展開します。そして、ムカデさんと意識を共有しましてっと。――んっ、いい感じにシンクロできました。視界も共有することになるのは予想外でしたけど。後は俯瞰と統轄用で……今回はだいたい五つの分割で十分かな。

 まずは《影化》を使って身の安全を確保。《空間把握》は外で展開しましたし、影の中からでも外の様子が確認できる。


 よーし、逃亡劇の開始ですよー!

 

 と言ってもまあ、ぼくに影化がある限り危険なんてあってないようなものですが。下方修正されないでほしいところです。ほんとに!なんだかんだ言って、意外と弱点が多いんですからねっ。

 

 ん?もうついたの?……早くないです?あ、影の中に距離の概念がないのが理由ですか、そうですか。もはやこれ短距離転移ですよっ!うあぁ~、絶対にこんなの下方修正されるじゃないですかー!……もしかしてですけど、どこかそこら辺の影からヴィンさん家にある影までの距離も0になる…?んあぁぁっ!気付きたくなかったですっ!さらば、影化よ……

 うん、切り替えていきましょー。


 早速影の中から出たいところなんですが、空間把握で外の様子が確認できないんですよね。しかも原因理由共に不明です。魔法のジャミングが掛かっていたりするんでしょうか?もっと先のダンジョンにしか無いと思ってたんですが……。

 んー、こればっかりは仕方ないです。このまま外に出ちゃいますか。ただ、武器の類いだけは魔術の空間箱にいれておきます。魔法系統を防ぐ結界があると仮定するなら、目的はおそらくなにかを守るため……攻撃的な見た目だと損することがありそうです。それに、万が一のときでもぼくの体そのものが武器ですし。

 

(んっ。外に出ますよ、ムカデさん。)


 ムカデさんに合図を送ってから外に出ました。今いる場所は大人ひとりが中腰になってやっと通れる程の細い穴の道中でした。え?自分と主なら余裕で通ることが可能?……うるさいですよっ!小さいの気にしてるんですからっ。


 ま、まぁ、どうやらこの先に進もうとすると例の結界に阻まれるようです。意外にも結界の色が綺麗な深緑でした。影化の状態でも通れなかったことから、この先に影は存在してないのかも。もしくは水で満たされている場合とか。どうやら水中は影と認識してくれないみたいなんですよね。


 で、こんな考察をしているうちにも結界をどうにかしようと奮闘してはいるのですが……ぼくの火力では壊すことはどうも無理そうです。いくら攻撃しても0ダメージ的な感じ。

 この結界も魔力で創られたものだと言うのはわかるんです。でも解除方法が思い付きません。んー、ここで諦めるのは嫌なのでできることはやってみますかー。



 まず一つ目、鑑定をしてみる。

「んー……鑑定も魔法の一種らしいですし、弾かれるのも当然ですか。」



 次に二つ目、解読を使ってみる。

「うん、知ってました……いつのまにか《〇〇強化》系統のスキルも解除されてる気がしますし。一応パッシプスキルのはずなんですが………本当に異邦人スキルとして発動するものは全て魔法での再現効果…ということですね。

 ぼくがこの結界を作れるようになれば、対プレイヤーの切り札となりそうです。」


 実はこの段階で既に解除方法は一つ思い付いてるんです。正確にはスキルについて思い出した時に、ですけど。

 普段はあんまり意識してませんが魔力の流れが見えてるんですよ。濃い魔力なら色まで見えますし。んで、この結界は深緑の色をしてるんですよ。

 色まで可視化できるほどの密度の高い魔力の集合体。実はこれって、ぼくも当てはまるんです。つまるところ。



 最後に三つ目、ぼくも結界の一部となって通過する。

「運のいいことに、ぼくの魔力も緑色を持ってるんです。」

 体を構成している魔力の状態を全て緑にして結界に触れる。阻まれなかった!あとは、ぼくの魔力を結界内を循環させて……魔術式を把握して、覚える。さすがに強力なだけあってか、膨大な量の情報なんですが……うん、完璧ですっ。


 んー、これでいつでもこの結界を使えますね!いやー、いい収穫でした。満足です!と言っても使用魔力量的に、満タンの状態から9割削られるんですけども。果たして使う機会が来るのでしょうか……。

 


 そんなことはさておいて。あとは、最後のとっておきを楽しむだけですっ♪


 では、れっつごー!


*無差別鑑定に含まれていた結果の一部抜粋とユウの一言


[エリア]山の祭壇(秘境:中層部)

[備考]:古くより生贄が捧げられてきた場所。時には豊作を願い、時には災害の守護を頼むために。

その願いのどれもが叶えられてきた。叶えてきた者がいた。

しかし、最後の願いだけは叶えることができなかった。


[素材・精霊]枯死したトレント

レア:Epic 品質:C+ 耐久:20

樹精霊トレントの死骸。精霊の残り香が含まれているものの、酷く脆い。

[備考]:汚染された魔力に長い間耐え続けてきたトレントの骸。彼は他のトレントよりも遥かに突出した強い精神力を持っていた。


ユウ「このトレントさんなら、このマップで起こった出来事の色々を知っていたのかな?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔法を封じる結界か!? スキルに頼ってるプレイヤーは、何もできなくなりますね。 そしてそれを、いともたやすく突破して、解析して 、覚えちゃう主人公、すごすぎる。 ムカデさん、賢いなぁ
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