20 第一回Freedom To Survive 開始!
6/8 達成条件を一部改正
≪【特殊アチーブメント】
『秘境に封されし古の竜』を誰かがクリアしました!≫
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【特殊アチーブメント】
『秘境に封されし古の竜』をクリアしました!
◎ 参加条件:秘境に到達した上で竜を認識する。
◎ 達成条件:祭壇で特定の魔力を一定値以上捧げる。
◎ 達成報酬:
参加者報酬
・スキルポイント5P
貢献度報酬
貢献度100%
・1000000XP
特別評価報酬
[偶然の賜物]
[ノーヒントクリア]
・スキルポイント15P
・スキル《古の竜の刻印》
◎ 全体報酬:
・イベント終了時まで、第一回FTS専用エリア内に古の竜が出現
〉
―――GUuuGYAAAaar!!
「………なんでこんなことになったんでしょうか…。」
待機エリアで、おもわずぼくはそう呟いた。
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◇Freedom to survive開始直前にて
『あー、あー。聞こえているかな?……よし。
―――TFOを楽しんでいる諸君!私はこの運営長を務めさせてもらっている、柏木だ。』
イベント開始まで後六十分というところで、個室?のようなエリアに飛ばされました。ふかふかのソファーに机の上にはアイスコーヒー。薄型テレビのようなものもあって、かなり現代風です。
そんな薄型テレビには今しがたしゃべっている柏木さんの映像が映ってます。これってリアルタイムでの配信なのかな?
『今、君たち参加者はこちらで用意した所謂待機所にいるはずだ。そこでは、装備や持ち物の確認などができるほか、無料でドリンクやサイドメニューを注文できるぞ。そのメニュー表は机の上にある。各々確認してくれたまえ。
死亡後も待機所に飛ばされるが、早くもとのエリアに戻りたいときはオプションにある"待機所から退出"を選択すると戻れるぞ。が、その場合再度と待機所に戻ることは不可能だから気を付けたまえ。死亡後になるが、テレビでイベントをリアルタイム視聴できるゆえな。
とまあ、以上が大まかな待機所の説明だ。詳しく知りたい時は、ヘルプ内に追加した"待機所について"の項目を選択してくれたまえ。』
んー、個人的にはさっさと死んで他の人のプレイを視る方が楽しそうなんですが……。好きなものを飲み食い出来るみたいですし。
『さて、では本題に参ろうか。
第一回公式イベント、Freedom to survive はその名の通り生き残るためなら自由に、なんでもしてくれて構わないというイベントだ。さすがにハラスメント行為に抵触するようなことは禁じるがな。
公式のホームページにも記載したが、仕様について説明させてもらうぞ?
一つ、最大パーティー人数は三人まで
一つ、制限時間はゲーム内時間(体感時間)で3日。現実時間で三時間。
一つ、一定時間でエリア縮小の開始。エリア外にいるものは五秒後に即死となる。
一つ、持っていけるアイテムは装備・インベントリ内合わせて30個までとする。
一つ、プレイヤーの死亡時、アイテムのロストはない。
一つ、FTS内ではPK判定を許可し、それに伴う罰則を無効とする。
一つ、イベント期間中は待機所以外での掲示板及びPTチャットの利用を禁止する。
一つ、FTS中にログアウトした場合は死亡とみなす。
以上の八つだ。尚、それ以外は普段のFTOのルールと変わらないため、ハラスメント行為には十分注意するように。
』
うん。やっぱりいろいろと抜け道の多いルールだと思う。きっとそんな事、しっかりわかっててつくったんだろなー……んー、ここの運営さんはたちが悪いとおもいます…。
『あとは………そうだな。告知を目にした者は知っているかもしれないが…第二陣が入るまえに一度、大型アップデートを行う。その内容の一つとして、ゲーム内時間の進行速度を上げる予定だ。だが、これにはいろいろと試行が必要でな。一応今回のイベントもその試行の一つに当たる。
もしも、何か問題があった場合は速やかに連絡してくれたまえ。といっても、ほとんどの試行は終わってるのでな。君たちにしてもらうのはあくまでも最終確認なので安心して遊んでもらって構わないぞ。
長話もそろそろ飽きてきた頃だろう。なので、これをもって私による話は終わりとする。待機所同様詳しく知りたい時はヘルプの"第一回FTSについて"を参照してくれたまえ。
では、参加者諸君!思う存分にこのイベントを遊び尽くすのだ!諸君の求める自由は、ここにある!』
いつものキャッチフレーズをいい放った後、柏木さんの映像が消えました。あ、今回のイベントマップが紹介されてる映像に切り替わった。どうやら、このテレビは残り30分間ずっとこの映像を繰り返すみたいですね。
んー、だいぶ広いマップのようです。……参加者が一万人を越えてたらそうなるのも当たり前ですが…。移動手段にも何かしらの工夫しないと、エリア縮小で簡単に死ぬことになりそうかも。あ、でもぼくには《影化》があるから大丈夫かな?たぶん。
エリアは大きく分けると最終地点になるであろう中央の?エリア、左上の森林エリア、左下の平原エリア、右上の山エリアに右下の廃墟街エリア。この廃墟、意外と現代的な建物に近いですね。さすがに高層ビルなどの類いは見当たりませんが。
んー、開始まで少し時間ありますし……早速何か注文してみようかな。って…おおー、メニューが豊富も豊富です!んっ、あの有名店の焙じ茶パフェもある……無駄に高い提携力がこんなところにも活かされてたとは………ん…いっぱい頼んじゃえ。
* * *
≪開始まで。5……4……3……2……
FTS専用エリアにプレイヤー名:ユウ を移送します≫
「おー、どこを見ても木しかないですね。」
ぼくが降り立った場所は、森エリアか山エリアのどっちかのようです。後方10m先にはいかにも怪しい紫色をした霧がたちこめてる。これが、一定時間で迫ってくる感じなのかな。
ということはプレイヤーは全員、エリア限界沿いに一定感覚でいるのかも。とすると、ここで立ち止まってるのは危険ですか。
(辺りが木々で覆われているのは幸運でした。とりあえず《影化》を使っておけば安全ですし。)
この霧を背にして進んでいけば、おそらく中央エリアに近いところには着くでしょうから……進むしかないですね。
もとのエリアの時間とここの第一回FTS専用エリアとの時間が連動してる訳でも無さそうですし……んー、わかんないことはとりあえずおいておきます。
まずはここがどこに位置するか把握しないとですね。
移動しながらしばらくの行動指針を定めていたとき、いきなり視界が開けた。というよりは《影化》が強制的に解かれた。
「わわっ、と……んっ!…動く木がいる……?」
たぶん、この木が動いたことで影が無くなった。だから強制的に放り出されたみたい。すぐに気配を周りに解かして、隠れる。
土のなかを根っこで泳ぐようにして動いてるのかな?下手に鑑定して僕の存在がばれるのは避けたいですし…。
……うん。どこかに行ったみたい。ただ、一体だけなんて都合のいい考えはやめた方がいいかも。
んー、まぁ…あの木が動いたのは悪いことばっかりじゃなかったんですよね。お陰でその部分だけぽっかりと穴が開いたようになりましたし。その穴から見える空には高い山が覗いてるんです。太陽は見えませんが…。
つまるところ、ぼくがいるエリアは山エリア。さらにエリア限界が後ろにあって山が前方にあるから、その裏側にいることがわかりました。エリア紹介では山エリアの北東中央部に山頂が位置してましたし…。よし、次の指針としては山頂に到達して方角と時間をはかるのがいいかな。
なんとなくですが、幸先は良さそうな気がします。
≪第一回FTSマップ≫
北
|
森林エリア | 山エリア
|
西――― ?エリア ――――東
|
平原エリア | 廃墟街エリア
|
南
ユウの現在地:山エリア外周のどこか
残り人数:11091人(参加者全員)