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東方新世録  作者: 夜ノ月
1/6

初節〝幻想郷の守護者〟

※小説を読む時は部屋を明るくして画面から離れてお読み下さい。

博麗神社


霊夢「新世~、お腹空いたわよ~。」


新世「はいはい…。って、霊夢さっきからグ~タラし過ぎだろッ!?」


霊夢「…違うわ。新世が私の仕事を奪いからやる事がないから退屈なのよ。」


新世「霊夢の行動が遅いからだよ……。」


霊夢「失礼な、新世が速いだけよ。」


新世「俺の所為かよ…。」


新世は愚痴を溢しながらもキッチンに向かった。


新世「霊夢~、今日は何を食べたい?」


霊夢「何でもいいわよ。新世が作り物ならなんでも美味しいし。」


新世「それは光栄だよ。じゃ、今晩はオムナポリタンで良いね?」


霊夢「なにそれ?」


新世「ナポリタンのうえにオムレツをのせる洋風の料理だよ。」


霊夢「美味しそうじゃない、それで良いわよ。」


新世「OK!」


キッチンに着いた新世は早速料理を始める。

スパゲティを茹でて、フライパンで玉ねぎとマッシュルームとピーマンとウインナーを炒め、フライパンに茹でたスパゲティを投入し、ケチャップを主体に味付け。

最後に出来上がったナポリタンを卵で包み出来上がり。


新世「…紫さんも食べる?」


新世の後ろにはスキマ妖怪『八雲 紫』がいた。

紫は自身がいる事に気づいた新世に驚いていた。


紫「よく分かったわね、新世。それになんで私がいるのか用件は聞かないの?」


新世「別に用件無くても会いに来たとかありますし、オムナポリタン3人分作りましたし。」


新世が手に持っている御盆にはオムナポリタンが3つ置いてあった。


紫「ふふふ‥、まるで私が来る事を知っていたかのようね。」


新世と紫は霊夢が待つリビングに戻った。


霊夢「紫…、貴方いつの間に来ていたのね。」


紫「お邪魔しているわ、霊夢。新世が御馳走してくれるというから来たのよ。」


新世「(言ってない、言ってない。)」


新世は呆けた笑みを浮かべる。


霊夢「そうなの? 新世、そういうのは先に言ってよね~。」


新世「言わなくても…、此処最近、来客が多いじゃないか…。」


霊夢「それは異変とかじゃなく貴方に用があってでしょ…。」


新世「………。」


新世は呆けた笑みのまま黙り込んで、オムナポリタンをテーブルの上に置いた。


紫「ふふふ‥、取り敢えず二人は仲良くしているのね。」


新世「…異変がなく、平和はいいけどさ…。何の用もなく僕に会いに来るのが多くて多くて…。」


それは当たり前。

なんせ幻想郷で滅多に少ない男のうえ、イケメン。更には身体能力も高く、女性陣からみたら一目惚れされる程の美男子なのだから


紫「苦労しているわね、新世。」


霊夢「って、紫を招待しているのに自分の母である天子は招待しないのね?」


新世「招待したら紫さんと喧嘩になる。」


霊夢「それもそうね。」


紫「そ、そんな事はないわよ。食事くらいは喧嘩しないで食べるわ!」


紫は不機嫌そうに語る。

新世は微笑ながら紫を見つめた。


紫「何よ、その眼は…?」


新世「…お母さんも紫さんも互いに行動で挑発し合っているよね。」


紫「し・ん・せ・! お仕置きが必要かしら…?」


霊夢「辞めてよね、神社が壊れるから。」


新世「それよりオムナポリタン食べよう。折角の味が冷めては味が落ちる。」


紫「そうね…。」


霊夢「じゃ、頂きます!」


紫「頂きます。」


霊夢と紫はフォークを使ってオムレツに包みれたナポリタンを巻いて口に運ぶ。


霊夢「美味しい!」


紫「美味いわね!」


二人が蕩けた表情で言う。


新世「…それは重畳。」


霊夢「天子もこんな息子が出来て幸せね~!」


紫「本当にアイツには勿体くらいよね~!」


新世「アハハハ‥…。お母さん、酷い言われよう。」


雑談を交えながらも3人は食事をすませた。


紫「御馳走様。」

霊夢「御馳走様!」


新世「お粗末樣でした!」


新世は空いた皿を御盆にのせてキッチンに運んだ。


紫「新世は立派な主夫になりそうね。フフフ‥。」


霊夢「はぁあ~、主夫になったら誰が私のご飯を作ってくれるのよ!?」


紫「じゃ、霊夢が新世を婿にしてあげなさいよ。」


霊夢「何を言っているのよ、紫は~。」


新世「…それだったら僕と霊夢は姉弟的関係じゃなくなるな。」


霊夢「新世、冗談に付き合わなくても良いわよ。」


紫「ふふふ‥、本当に仲が良いわね!」


新世は皿洗いを終えて、リビングに戻る。


新世「さて…、本題に入ろう。紫さん、実は用件があるんでしょ?」


新世が座り込んで、霊夢と一緒に紫に顔を向ける。


紫「読み通しという訳ね…。」


新世「異変が起ころうとしているんですか…?」


紫「まだ確定じゃ無いけど…、確かに異変が起きると思うわ。それも今迄とは違うような…、不吉な異変がね……。」


霊夢「今迄とは違う…不吉な異変ねぇ~。」


新世「……悪戯の小鬼か。」


霊夢「悪戯の小鬼?」


紫「私も初耳だけど…、何なのかしら?」


新世「妹の地子に巫女の友達が居たんです。その子は太古の禍々しい鬼の仮面を被ってから急変し、悪戯ばかり起こすようになったみたいです。最初は軽い悪戯でしたが徐々にエスカレートしていった……と。」


霊夢「その巫女の友達って…?」


新世「実は僕も其処迄は知らないです。ただその悪戯の小鬼の行方は地子と早苗達が追っている。」


紫「ふ~ん、その悪戯の小鬼が異変を起こそうとしていると思った訳ね…。」


新世「太古の禍々しい鬼の仮面…。此を聞いただけでも異変の始まりが起きそうな予感はしてました。それに地子と早苗達では手に負えないでしょ。」


新世が立ち上がり、それを見た霊夢も鼻で笑い、立ち上がった。


紫「…私が言う前に行動する方が早いみたいね。」


霊夢「久々の異変解決と行きましょうか、新世。」


新世「あぁ、幻想郷は僕が守護する!」


新世と霊夢が博麗神社を後にしようとした途端に誰かが飛んでくる。


紫「〝幻想郷の守護者〟に〝楽園の巫女〟……そして、〝魔法使い〟ね。」


魔理沙「よっ、霊夢。遊びに来たぜ!」


新世「魔理沙!」


霊夢「悪いわね、魔理沙。今は遊んであげられないわよ。」


魔理沙「異変解決だろ?私も混ぜて貰うぜ!」


新世「頼もしいよ、魔理沙!」


紫「…私も藍と橙を使って異変の情報を調べるわ。」


新世「お願いします、紫さん。」


紫はスキマ空間に入って去っていた。


新世「まずは守矢神社に向かおう。まずは詳しく地子に聞こうとしよう。」


霊夢「そうね。」


魔理沙「因みに何の異変?」


霊夢「知らないで混ぜて貰おうとしたのね…。」


3人は守矢神社に向かった。


◆◇◆◇◆


守矢神社


モリヤステップをしている早苗と地子


地子「…このステップはダイエット効果ありそうですね。」


早苗「それだけではありません。この派手な踊りで幻想郷に広めて信仰を拡散していくんですよ!」


地子「…ふ~ん。でも、信仰は最近増えていないよね…?」


早苗「悲しい事を言わないで、地子ちゃん。」


地子「御免なさい、早苗さん。」


地子は箒を取ってきて神社周辺の掃き掃除を始めた。


早苗「…急に如何したの、掃き掃除なんか始めて?」


地子「少しでも信仰が拡がるように神社周辺を綺麗にしないと…!」


早苗「地子ちゃん…!!」


早苗も箒を取ってきて、地子と一緒に掃き掃除を始めた。


地子「……本当ならばあの子と一緒にこうやって掃き掃除したかったな…。」


地子が掃き掃除しながら哀しそうな表情をする。


早苗「えっ? 地子ちゃん、あの子って…?」


地子「…昔、巫女見習いの友達が居たんです。でも、その子は突然行方不明になってしまって……。」


早苗「…そうですか。でも、大丈夫です。その子はきっと無事ですよ!」


地子「……そうですね。あの子は無事です!!」


地子が微笑みながら早苗に振り向くと、神社の階段から新世、霊夢、魔理沙がやってきた。


地子「えっ…、お、お兄ちゃん!!?」


新世「よっ、地子。そして、早苗。」


早苗「…そして、って…。私は役いらないみたいな言い方ですね……。」


新世「地子。その子という話が聞こえたからもう少し詳しく聴きたいけど…聴かせてくれるか?」


早苗「あれ、無視ですかッ!!?」


地子「お兄ちゃんはあの子をどうする気なの…ッ!?」


新世「…別に救うだけだよ。」


地子「お兄ちゃんには救えないよ、お兄ちゃんは私に憎まれてもいいようにあの子を斃すんでしょ…!?」


新世「待てッ!! 地子、倒そうとはしていない、本当に救うとしているんだ!それに俺は地子に憎まれたくない!」


早苗「…えっと、今の話的にどういう状況でしょうか?」


霊夢「地子ちゃんの見習い巫女のお友達ちゃんがどうやら今回の異変を起こすかもしれないという話よ。」


魔理沙「成程~。それで地子ちゃんに聴きにきた訳だ。」


霊夢「やっと分かったのね、魔理沙。」


地子「…お兄ちゃんは〝悪戯の小鬼〟には手を出さないで。之は私の問題だよ!」


新世「地子!之は一人で解決出来るような話じゃない。俺と地子、霊夢に魔理沙、そして早苗も協力していかないと異変解決が出来ない!」


早苗「私…、また「そして」って役いらない言い方されたんですけど……。」


霊夢「落ち込む程じゃないわよ…。」


地子は緋想の剣・改を取り出し、新世に向けた。


地子「…お兄ちゃん、之は私の問題よ。〝悪戯の小鬼〟には手を出さないで…!」


新世「地子…。俺も〝幻想郷の守護者〟という二つ名を持っている以上、異変を解決しなくちゃいけないんだ。〝悪戯の小鬼〟は倒さない。逆に救う…。」


地子は緋想の剣・改を振り払い、新世に攻撃してきた。

新世は咄嗟にバックステップで避ける。


地子「〝悪戯の小鬼〟…あれは私じゃないと救えない。だから、邪魔しないでお兄ちゃん…!」


魔理沙「おいおい、待ってて。何、兄妹で喧嘩になっているんだよ! 此処は仲良くしないと!」


霊夢「魔理沙、下がってなさい。この二人は喧嘩して互いに信じあうから…。」


早苗「…お、お二人さん。怪我だけはしないように…。」


新世「地子、ならば思っている事をすべて兄の俺にぶつけてこい!」


地子「我は〝天人〟我は〝地〟我は〝緋想〟

我が二つ名は〝緋想の申し子〟推して参る…!」


地子の周囲から緋想の気が流れ出した。

そして、ゆっくりと緋想の剣・改を構える。


新世「我は〝天人〟我は〝人〟我は〝獄〟

我が二つ名は〝獄の貴公子〟推して参る…!」


新世から輝く魔が溢れ出し、新世の眼が鋭くなる。


早苗「之が新世さんの異能【輝魔(こうま)】。光のように輝く魔力…。」


霊夢「魔力とは違うかしら。新世の魔は魔法の魔じゃない。魔王、魔界、魔神といった〝魔〟そのもの…。」


魔理沙「確かに新世の〝魔〟はパチュリーやアリス、私の魔力の類とは違うな。」


霊夢「人を迷わすもの。修行をさまたげ、善事を害する悪神。人間わざでない、不思議な力をもち、悪をなすもの。

それが新世の〝魔〟よ。」


地子「Flame Soul。」


新世「Evil Spirit。」


地子は肩の辺りの高さで前方に焔の魂を飛ばし、

新世は足先に呼び出した邪の霊魂を蹴り飛ばす。


早苗「ひゃ、お二人さんの飛び道具…、普通じゃない!」


霊夢「流石わ、天子の子ね。威力が高いうえ、周囲にも被害を及ぼす程の範囲力ね。」


魔理沙「危ねぇ~、帽子が飛んでいく所だったぜ~!」


地子「は、りゃぁぁああ‥ッ!!」


新世「はあぁぁああ‥ッ!!」


二人は距離を縮めて、地子は緋想の剣・改を横薙ぎに一閃し、新世は低姿勢で擦り抜ける。

新世の眼が赤くなると、地子の動きが鈍くなる。


新世「スロウ…。」


地子「…ッ!!?」


霊夢「新世のもう一つの異能『蜩家の凶眼』!」


魔理沙「蜩家って、本当になんだろうな~? 天子は使えないだろう?」


早苗「そういえば新世さんの出生は私達は知りませんでしたね。」


霊夢「新世は子供の時に天子に連れられて私のもとに来たわ。天子には「新世を宜しくね!」と預けられた感じだけど。後、新世の名付け親は紫みたいなのよ。」


魔理沙「つまり、天子は現実の世界の住人と結婚して子供を生んだのか?」


早苗「それで紫さんが関連している訳ですね。」


霊夢「(いや、地子ちゃんは本当に天子の子でも新世は天子の子とは思えない。一緒に暮らしている中で徐々に疑問を感じる。逆に紫の息子だったり。)」


新世「勝負あったな、地子。」


新世と地子の勝負は決まっていた。

地面に膝ついている地子に手を指し伸ばしている新世。


地子「…お兄ちゃん、眼の異能使うなんて卑怯。」


新世「眼の異能を使わないと地子を負かせる事が出来ない程、地子が強くなったんだよ。」


地子「全く、お兄ちゃんは気の利いた事を言って誤魔化すのだから……。」


地子は新世の指し伸ばしている手を掴む。


新世「地子、一緒に〝悪戯の小鬼〟を救おう!あの子を救う為には地子の力が必要だ。」


地子「…はいはい。わかったよ、お兄ちゃん達と一緒にあの子を救うよ。」


早苗「地子ちゃん、1人で思い込んでは駄目だよ。私も居るんだから頼ってね!」


地子「早苗さん…。」


霊夢「さあ、地子ちゃん。〝悪戯の小鬼〟について教えてくれる?」


地子「う~ん、何処から説明すれば良いかな?」


新世「何故、その子が太古の禍々しい仮面を被る事になったんだ?」


地子「…あの子のとある神社は火災が起きて消し炭に変わった。その時にあの子は「復讐する為に修羅になる。」と先代が封印した太古の禍々しい仮面を解いて被った事しかしらない。つまり、あの子の神社は何者かが火災を起こした。そして、あの子はその犯人を知っていて復讐する為に封印を解いて被った…。」


霊夢「……復讐するのにその仮面を解いてでも被るなんてね。その犯人はそんなに強いのかしら…?」


魔理沙「でも火災を起こしたというけど、此処最近で異変も事件も起きていないのにいつの話だ?」


地子「…そのとある神社は幻想郷ではないんです。紫さんが一度だけ連れて行ってくれた現実の世界です。」


新世「地子、紫さんに現実の世界に連れて行って貰った事があるのかっ?」


早苗「えっ、では私と同じ現実世界の人間なんですね!」


地子「そうです。あの子は現実世界の子で〝悪戯の小鬼〟になってから幻想郷にきた。どうやって幻想郷に来たかは知らないけど、とある神社を火災を起こした犯人が幻想郷にいる事になりますね。」


新世「やはり〝悪戯の小鬼〟については地子は詳しいな。流石、頼りになるよ。」


地子「〝悪戯の小鬼〟を救うと言ったでしょ…!」


地子は微笑み新世の胸に拳をあてる。

新世はその行為に微笑んで地子を見つめる。


魔理沙「そして、幻想郷で異変を起こそうとしているのか?」


霊夢「さて、後はその〝悪戯の小鬼〟は何処にいるのか…?」


新世「…紫さんが調査してくれている。地子を連れて一度、紫さんに会おう。」


魔理沙「新世、よく頭が回るな。」


霊夢「私と暮らしているから私の癖がうつったのよ。」


早苗「霊夢さん、頭はそんなに回りませんよね?」


霊夢「煩いわよ、早苗!」


新世「…〝悪戯の小鬼〟か。」



第壱節〝悪戯の小鬼〟編

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