痕跡
未来が落ち着いたところで、取り敢えず僕は布団の中へと潜り込んだ。
・・・怪我は完治して腫れも完全に引いているけど・・・さて、皆には何て説明しよう・・・
と、僕が考えていると、未来がテレビの電源を入れる。
「緊急ニュースです。先ほど、野沢のスキー場で雪崩が発生したとの一報が入りました。この雪崩に多数のスキー客が巻き込まれたもようです。……また、雪崩に巻き込まれたスキー客の人数など詳しい事がわかり次第お知らせ致します」
と、ちょうど緊急ニュースが流されていた。
「大丈夫だよ。みんなマスターが助けちゃったから。ね、マスター」
「ああ、そうだな」
楽しそうに話し掛けてくる未来に対して、僕は素っ気なく返事を返す。
・・・そんな事よりも僕の一番の気掛かりは、この事を知った神船に邪な思いを持つ異星人や神船の元管理者が、どう判断し、どう動くか、だ・・・
その緊急ニュースか流れて少し経つと旅館の内や外が俄に騒がしくなる。
・・・まあ、当然といえば当然か・・・・宿泊客は、身内が雪崩に巻き込まれているかもしれないし・・・旅館等はスキー客に被害者が出ればイメージダウンに繋がり客足が減る・・・観光地としては最悪な状況だよな・・・
暫くすると、ニュースで次々と新しい情報が伝えらるようになる。と同時に、ヘリコプターによる上空からの映像が写し出される。
・・・・・。
「消防等からの情報によりますと、ヘリコプターで上空から生存者の確認をしたところ、殆んどのスキー客は無事のようだとの事です。〇〇さん、100人以上もの人が雪崩に呑まれて一人も死者が出ないなんて事有るのでしょうか?」
「そうですね……雪崩に呑まれた場合、生存率は埋まってから15分以内で92%まで低下し、埋まってから35分後には30%にまで低下すると言われていますが……どういった状況で雪崩に呑まれ、どういった状況で助かったのか、現場を見てみなければ何とも言えませんね」
「あっと、ちょっと待って下さい。局のヘリコプターが現場に到着したようです。△△さん、現場はどうなっているでしょうか?」
「はい。現場の△△です! スキー場を覆った雪崩の跡を見てください! 雪崩に巻き込まれたスキー客のいる所は、みな何か障害物にでも当たったかのように雪崩が避けて通った様な跡が数多く残っています! 今、町の消防団の人達やレスキューの人達がスキー客の救助を行っていますが、自力で雪崩に呑み込まれたスキー場を降りてくる人達の姿も多く見受けられます!」
・・・・・。
興奮する現場リポーターの声と共に、ヘリコプターから撮られた現場の映像がテレビの画面に映し出される。
・・・げっ、障壁フィールドの跡がくっきりと残ってるじゃないか・・・やっべー、これ見る者が見たらバレバレじゃないか?・・・バリヤー銃を雪崩に呑まれるスキーヤーやボーダー全員に撃った後、全員無事なのは確認したが、雪崩による雪煙でどういう状況になっているのか確りと確認も出来ずに慌てて戻ってきたからなぁ・・・まあ、これ以上力を使わなければ、直ぐには見つからないだろうと未来は言っていたけど・・・その言葉を信じるしかないか・・・
等と僕が考えていると、
「鈴星くん、起きてるかい? 入るよ」
という、シンシア先生の声が聞こえてきて僕は慌てて布団に潜り込む。と同時に、「はい、どうぞ」と未来が返事を返す。
「お邪魔するよ」
と、シンシア先生は言うと襖を開けた。
「おや、鈴星くんは寝てるんだね。ところで、未来ちゃん。ニュースは見たかい?」
「はい」
「雪崩が発生した直後くらいにね、冠城さんから携帯電話で連絡があったんだ。雪崩には合ったけど3人とも無事だったから心配しないでくれってさ」
「そうですか、ありがとう。シンシア先生」
シンシア先生は冠城さんからの連絡を未来に伝えながら部屋に上がってこようとする。
「シンシアさん。何を部屋に上がり込もうとしているのですか?」
「い、いや、だって鈴星くんの容態も見なきゃならないし……」
「未来さん。鈴星さんの様子は如何です?」
「はい。ぐっすり眠っているみたいですよ」
「だそうですよ、シンシアさん。ほら、雪崩の対応で忙しいんですから、行きますよ」
「何だよぅ、ちょっとくらいいいじゃないか!」
「ダメです。お母様にシンシアさんの面倒をみるように言われているんですから!」
「彩花のケチ! 強制労働反対!」
「はいはい、文句はお母様に言ってください」
シンシア先生はブツブツと文句を言いながらも、渋々と彩花さんに付いて部屋を出ていった様だ。・・・彩花さんて清香さんの娘さんだったんだ。
「マスター、シンシア先生出ていきましたよ」
と言う未来の声に、
「ああ、そうか……何だか眠くなってきたから、このまま寝るよ」
と、僕は応え、そのまま目を瞑った。
・・・何だろう、本当、めちゃくちゃ眠くなってきた・・・ほんの僅かに封印を緩めた生命の女神の力に・体が参り・・でもしたのか・・なぁ・・・
『〈警告・警告・・直近二怒気ヲ含ンダ感情ヲ観測・・直グニ起床スル事ヲ推奨シマス〉』
突然、頭に鳴り響く警報と警告に驚き僕は目を覚ます。と、僕は温かなものに包み込まれていた。
・・・あー、なんとなく、イヤな予感しかしないんだけど・・・目を開けるのが怖いなー・・・
僕が目を開けると、案の定、僕の布団に潜り込んだ未来が素っ裸になって僕を抱き締め眠っていた。
その未来から顔を離して部屋の出入口の方を覗き見ると、冠城が何かに耐えるように俯き仁王立ちで立っていた。
・・・あははは・・・冠城さんの背後から、ゴゴゴゴゴゴと擬音が聞こえてきそうだ・・・しかも、何か黒い靄を纏っているし・・・何だろう、胸の前に蝋燭の様なものが浮いている・・・
「んぅん、マスター?」
・・・未来・・・お前が警告を出している筈なのに・・・何故、僕より起きるのが遅いんだ?・・・
未来は身動ぎをして上半身を起こす。と、未来の肩まで掛かっていた布団がずり落ちる。
それを見て、冠城さんが火を吹いた。
「未来ちゃん!! 何やってんの!!」
「ん?マスターじゃなくて創星さんと寝てたんだけど? 沙耶香も一緒に寝たかったの?」
「そおじゃなくて! 何で素っ裸なのよ!」
・・・あ、靄が赤黒く変色して濃くなった?・・・冠城さん、頭に血が昇りすぎて、未来が僕の事をマスターって呼んだのをスルーしたな・・・
「うん? 私、裸じゃないと眠れないもん。昨日も、そう言ったでしょ?」
「そっ! そ、それは聞いたけど……」
・・・今度は薄紅色に変わった・・・あれ?冠城さん何だか恥ずかしそうに俯いちゃったぞ?・・・あー、もしかして未来の奴、昨日の夜、冠城さんを抱いて寝ようとしたのか・・・
「ほら、沙耶香も一緒に、3人で寝よ」
「な、何言ってるの未来ちゃん」
「ん? 沙耶香も創星さんの事好きでしょ? だったら一緒に寝るのは普通じゃない? 私も沙耶香の事好きだから問題ないでしょ? それとも、沙耶香は私の事嫌い?」
・・・うん、未来。お前は当然の事のように言っているが、お前の普通が、他の人にとっても普通だと思ったら大間違いだぞ・・・ほら、冠城さんが困惑しちゃってるじゃないか・・・今度は、灰色っぽくなったな・・・何なんだろう? この靄は・・・蝋燭の様なものは何も変化してないけど・・・
『未来、下着を着けて浴衣を着ろ。冠城さんが困惑しちゃってるじゃないか。それに旅行中は冠城さんと一緒の部屋で寝るように【命令】してあっただろ』
『えー、でもそれは夜の話でしょ?』
『ああ、日の加減からして、遠の昔に夜も過ぎて朝のようだぞ』
・・・・。
『マスターの意地悪!』
未来は剥れながらも下着を着けて浴衣を着始めた。
冠城さんは、それを見てホッとしたようだ。だか、冠城さんは何か気付いたのか急に不安顔になり口を開く。
「もしかして、普段でも鈴星くんと一緒に寝ているの?」
「うん「」いやいや、そんな訳無いでしょう。別々の部屋で寝てるよ」
・・・あっぶねー、未来の奴、素直に応えようとしやがって・・・もし、冠城さんに僕と未来が一緒に寝ているって事を知られたら、大問題になるじゃないか・・・
僕は眠っていると思っていたのだろう冠城さんは僕の声を聞いて一瞬驚きの表情を見せた。が、直ぐに僕の応えに疑いの眼差しを向ける。うん、当然だよね・・・さっきのを見たら・・・
「いやー、酷い目に逢ったな」
僕が冠城さんの疑いをどう晴らそうかと悩んでいると、そこに龍宮と山寺君が帰ってきた。
・・・龍宮、グッドタイミング! このまま、うやむやにする・・・
「お帰り、龍宮、山寺君、大丈夫だったか? 冠城さんも。雪崩にあったんだろ? 心配してたんだ」
・・・この二人にも、体に薄い灰色の靄が纏わり付いて、胸の前に蝋燭の様なものが浮いてるな・・・
「おう、心配かけたな。俺自身、あんな雪崩に巻き込まれてよく助かったなと思うぞ。俺にもよく分からんが、雪崩に呑まれた時、何かに守られるような感覚があった。それが何だったのかはよく分からんが、誰かに助けられたような気もするな」
「あ、それ私も感じた」
「冠城さんもか……今回、雪崩にあった人達は皆同じ様な事を言ってるみたいだぞ」
「それじゃあ、山寺君も?」
「ああ」
「俺と挙鉄は精密検査の後、その事について夜遅くまで黒服の男達にしつこく聞かれた。そのお陰で病院に一泊させられるはめになった」
「私も。黒服の女性だったけど」
・・・黒服の男と女・・・何者なんだろう・・・雪崩が起きたのは昼過ぎくらいだったよな・・・月面上に居る者達ののシステムは直ぐに復旧するだろうと未来は言っていた・・・だとすれば、夜には月面上に居る者達の手の者が動いていてもおかしくはないが・・・それならそれで、未来が気付いていても可笑しくなはずだ・・・だが、未来からは、それらしい話は無い・・・「それって、警察?」
・・・・・。
「いや、確かに警察関係者を装っていたが、………あれは、恐らく政府の諜報機関、内調の人間だな」
「何でそんな事が分かる?」
「うちの家業の関係でな。そういう人間の放つ匂いには敏感なのさ」
「ああ、なるほど……」・・・龍宮の鼻を信じるとして、日本政府が動いてるのか?・・・衛星の目は巧く誤魔化したと未来は言っていたいたし、それに間違いは無いだろう・・・だとしたら、恐らく月に来ているという神船の元管理者の要請を日本政府が受けたのかも・・・もちろん、何らかの見返りを条件に・・・「……それで、どんな事を聞かれたんだ?」
「そうだな、……雪崩にあったときの状況の他に、雪崩が起きたとき、空に何かに浮いていなかったか? とか、その場に不釣り合いなコスプレをしたような人を見なかったか? とか、雪崩に呑まれた時何かの力に体を包まれた様な感覚を受けなかったか? とか、何か訳の分からん事をくどくどと聞かれたな」
「私の方も似たような事を聞かれたわ。でも、雪崩に呑まれた時、何かの力に体を包まれた様な感覚は、みんな受けてたんだよね。それで、私、見たんだ。うっすら虹色に輝くドームがあの凄まじい雪の奔流をものともせずに私を守っていてくれたのを……」
「ああ、そうだな、俺も見た……もしかしたら、今回、みんなが助かったのは月に来ているという異星人が関係しているのかもな。それで、内調の人間が調べているのかもしれんな」
「病院で見たテレビでも、今回の雪崩で死者が一人も出なかったのは、宇宙人が助けてくれたのではないか、と言う人もいたね。でも、地球と統合銀河帝国が協定を結ぶまでは、異星人が地球上で活動する事は統合銀河帝国の帝国法で重罪とされているって政府の人間が言っていたわ」
「だから、内調の人間が調べているのかも」
・・・・・。
「ふーん、そうなんだ。でも、みんなが無事でよかった」・・・あー、完全に僕と未来の存在の確認をしに来ているな・・・月面上に居る神船の元管理者は僕達が、ここに居るということは確信しているだろうから、ダメ元で日本政府には僕達の姿の確認と居所を把握するように依頼したとかか・・・まあ、でも元管理者自信が出張ってくるまでは大丈夫かな?・・・しかし、助けた人達にはバレバレじゃん・・・まあ、全ての人間の記憶を操作すれば良かったのかも知れないが、そこまで頭を回す時間もなかったし、出来ればそんな事したくないな・・・
と考えながら、ずっと大人しくしている未来に、ふと目を向ける。と、目をキラキラと輝かせて何か物凄く喋りたいのをグッと耐え、ソワソワしている姿が目に入る。
・・・うん、耐える事が出きるようになったんだな・・・未来、成長したな・・・
「ところで、鈴星。お前、もう大丈夫なのか? 顔の腫れや、怪我まで無くなっている様に見えるが?」
と、突然、龍宮に声を掛けられ、「えっ?」と、僕は声を漏らす。と同時に、・・・そうだ、いろいろあって忘れてた・・・と、僕は自分の顔の表情筋が引き釣るのを感じる。・・・どうしよう・・・なんて説明すればいいんだ・・・
アハ、アハハハ、「いや、その、僕って昔から怪我が治るのは早くって、あれくらいの怪我だったら一日も寝ていれば直っちゃうんだ」・・・うっわ、苦しい言い訳・・・
と、自分でも思いながら言うと、
「そうか、確かに怪我の治りが早い人間もいるが……鈴星ほど早く治る奴は初めて見たな」
と、龍宮は簡単に納得してくれた。
・・・へぇ、ヤクザの世界には、そんなに怪我の治りが早い人間がいるのか・・・山寺君も、それで納得したようだ。冠城さんは、・・・〈へぇ、そうなんだ〉っていうような表情をしている。うん、きっと僕と未来が抱き合って寝ていた事が衝撃的過ぎて、僕の怪我が治っていた事なんて気付きもしなかったのか、どうでもよくなっちゃってたんだろうな・・・
と、その時、ごきゅるるるぐるるるる……と、いきなり大音量で僕の腹の虫が鳴り出し、みんな突然の事に口を閉ざす。数瞬後、プッ、アハハハハハハ……と、みんな吹き出していた。顔を熱くして、俯いた僕以外は……。
「そういえば、忘れていたが、芽衣花が朝食の準備が出来ているから着替えたら食事処〔涼風〕に来てください、と言っていたな」
・・・龍宮、それを早く言え!・・・
食事処〔涼風〕の僕達の席は、他の客や店の従業員達の注目の的となっていた。
「鈴星君、……最近は余り食べないなと思ってたんだけど、……今日はよく食べるね」
「いやいやいや、冠城さん。よく食べるね、なんてものじゃないでしょう。もう20人前くらいは食べてるんじゃないか?」
「いや、拳鉄、20人前なんてものじゃない。30人前はいっているぞ」
・・・・。
「だって、しょうがないじゃないか。腹が減っているんだから……」・・・この量は、腹が減っているなんてものじゃないよね。よかった、朝食がバイキング方式で・・・そうでなかったら、僕、空腹で動けなくなってただろうな・・・未来が実体化してからは食事量は普通に戻ってたんだけどな・・・今回は、初めて生命の女神の封印を緩めた影響が出てるのかも・・・先月の食費は出してもらえない覚悟でいたけど、友達との付き合いで仕方がなかった、と言ったら渋々ながら全額補填してもらえた・・・もちろん、遊ぶためのお金はバイトして出してるけど・・・うちの両親は、学生は勉強が仕事だと思ってるから、勉強に支障が出ないように生活費の支出は寛大に判断してくれる。有難い事ではあるが、出来るだけそれに甘えない様にしたい・・・
「それにしても、これは食い過ぎだろう」
「いいんだよ、また直ぐに激しい運動をするんだから」
僕達が使っていたスキー場は、雪崩のせいで当分閉鎖される事になった。が、旅館の計らいで、少し離れるが別のスキー場まで旅館の送迎バスで送ってくれる事になったのだ。
食後、女将さんの呼んでくれた医者に僕の身体を診てもらった。
シンシア先生でも診察は出来たのだが、暴走する危険性があるということで安全策を取ったということらしい。
シンシアはブー垂れていたが、今までの行動を見たら当然の判断だろう。
その医者も、僕の回復力には驚いていたが、完治の太鼓判を押してくれた。
お陰で、僕も今日は皆とスキーを楽しむことが出来る。
「鈴星君、凄いね」
と、冠城さんは驚いていた。
それも当然であろう、一昨日まで素人に毛の生えたような滑りしか出来ていなかった僕が、まるでプロスキーヤーの様な滑りを見せたのだから。って、僕も驚きだよ!
『未来、お前、何かしたか?』
との僕の問いかけに、未来は嬉しそうに、
『はい。眠っている間にマスターには睡眠学習でスキーを教え込みました』
と応えた。
・・・こいつはきっと良いことをした、と思っているのだろう。ほんとに、こいつは学習をしないというか、マイペースというか・・・
アハハハ、「きっと冠城さんの教え方が上手かったお陰だよ」
「そう? なのかなぁ……」
だがしかし、どうやら、睡眠学習では雪面の変化やスピード等に対する感覚や反応等の肉体的な経験までは補うことは出来なかったようで、その直後、僕は崖から滑り落ち雪ダルマになっていた。
・・・やっぱり、何事も努力しなければダメなのね・・・
その後、僕は旅館に戻って少なからずショックを受けることになる。
それは、部屋に入って座椅子に腰を落ち着けテレビを点けた時だった。
「今日の昼過ぎ、野沢のスキー場からの帰省の車で混雑していた国道のトンネルで多重事故が発生し、50名以上の死傷者を出す大惨事となりました」
この時、僕には分かった。
この犠牲者の殆んどが僕が雪崩から救った人達だったということを。
『マスター、そんなに落ち込まないで下さい。この人達は、死ぬ定めにあったんです。ただ、有るのは雪崩の雪の中で死ぬか事故で死ぬかの違いです。冠城さん達の様に生と死の間の定めに在るもの以外は、生命の女神の力を使って理を調整する以外は救う手立てはありません』
・・・・。
『ああ、分かっている。大丈夫だ。……一つ聞きたいのだが、今朝、目が覚めてから人に靄が纏わり付いているのと蝋燭が見えるんだけど、何なのか分かるか?』
『多分、それは人の感情と寿命を顕しているのだと思います。生命の女神様も生命の寿命と感情が見えていましたから。恐らく、封印を緩めたことにより、マスターに神眼の一部が開いたのだと思います』
『なるほど……これは、愈々僕も覚悟を決めなければならなくなってきたのかなぁ……』