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大晦日 嵐の前兆? (5) 

 射陰さんは未来が伽凛さんに襲い掛かる前の位置に皆が戻ったのを確認すると指を打ち鳴らした。すると、止まっていたパーティー会場の空気が再び僕の鼓膜を賑やかしく打ち鳴らし始める。


 僕は伽凛さんの温かく柔らかな胸の中で気持ちよさを感じながら、何故だがその賑やかしい音を聞きホッとした心地になった……

 ……のも束の間だった。


 「……私は……少しずつ良いところも悪いところもお互い理解しあって人は人を好きになっていくものだと思います……」


 その消え入りそうな悲しげな声は冠城さんのものだった。……そういえば現在進行形で、まだホッとしていられない状況に僕は置かれていたんだった。あははのは…………笑えねー……。


 その悲しげな冠城さんの言葉を聞いて、ふ、あはははは「冗談だ、冗談だよ沙耶香! そんな悲しそうな顔をするな!」と、伽凛さんは楽しげに言うと僕を自分の胸から解放した。


 僕は今度こそホッとして冠城さんの方に顔を向け、ビシッ! と固まった。


 「何の話をされていたのかな? 何やら楽しげな話をしておられたように思われるが……」


 冠城さんの後ろには、鬼、まさに鬼の形相と言って相応しい憤怒を表した中年の男性が仁王立ちで立っていた。

 神眼で見ればその背後に間違いなく怒りと怨嗟を表すようなおどろおどろしくもどす黒い靄を見ることが出来るだろうことを僕はその男性を一目見て確信した。……ただでさえ怖いのに、その怖さを増大させるものなんか見たくない……ほんと勘弁してください。


 「お、お父様! これは、その……」

 「沙耶香、お前は黙っていなさい!」


 その紋付き袴姿の中年男性は冠城さんの言葉を遮るとズイッと冠城さんの前に出る。

 身長170センチの僕よりも少し背の高いその黒髪に白髪がメッシュのように生えた中年男性は冠城さんの前に出ると僕を見定めるように鬼の形相のまま僕に目を向ける。


 それに促されるように・・・こえー・・・と思いながら僕は口を開く。


 「初めまして、僕は冠城さん……沙耶香さんのクラスメートの鈴星創星といいます。沙耶香さんとは仲良くさせていただいています」


 「沙耶香さん? だと!」


 僕が冠城さんのことを名前で呼ぶとその中年男性の怒気がさらに膨らむ。こえー……多分、冠城さんのお父さんだろう。さっき、冠城さんはお父様ってよんでたし……同じ名字で呼ぶのはどうかと思って冠城さんを名前で呼んだんだけど……逆効果だったか……。


 「あ、いえ、すみません。冠城さんとは仲良くさせていただいています」


 「………仲良く、とは付き合っている、という意味かな?」


 僕の言葉に中年男性はギリギリと歯軋りをしながら怒りを圧し殺すように問い掛けてくる。


 その中年男性の問い掛けに「え? ……」と僕は言い淀む。と、伽凛さんが笑いを圧し殺している気配が背後から伝わってくる。……ちくしょー、この人、こうなることが分かっていて冠城さんを煽ったな……。


 その時、ポーン、と頭の中で電子音が鳴った。


 『〈恋愛経験ノ無イマスターノタメニ3ツノ選択肢ヲ準備シマシタ〉』


 『〈1. はい、真剣なお付き合いをさせていただいてます〉』

 『〈2. まだ、お付き合いまではいっていません〉』

 『〈3. いえ、彼女には全く興味ありません〉』


 因みに3つの選択肢は僕の声だった。


 ・・・久しぶりに機械的な未来の声を聞いたなー……って、なんだよこの3つの選択肢って?・・・


 僕が戸惑っていると、『〈恋愛経験ノ無イマスターノタメニヒントヲダシマショウ〉』と、 再び機械的な声が聞こえてくる。……ヒントなんてどうてもいい……って言うか、恋愛経験が無いって二回も言うな! 失礼だな! 否定は…………できんけど……。


 『〈1.ヲ選択シタ場合、90パーセントノ確率デ冠城沙耶香ノ父親ト思ワレル男性二殴ラレルデショウ。デスガ、冠城沙耶香ノマスター二対スル好感度ハウナギ登リデス〉』


 ・・・90パーセントて、殴られるのほぼ確定じゃないか……冠城さんの好感度が上がるのは嬉しいけど……・・・


 『〈2.ヲ選択シタ場合、85パーセントノ確率デ冠城沙耶香ノ父親ト思ワレル男性二柔ラカナ表現デ恫喝サレルデショウ。冠城沙耶香ノマスター二対スル好感度ハ僅カニ下ガリ残念ナ表情ヲサレルデショウ〉』


 ・・・柔らかな表現で恫喝て、どんなんだよ……冠城さんに残念な表情をされるのも、なんだかなー・・・


 『〈3.ヲ選択シタ場合、冠城沙耶香ノ父親ト思ワレル男性ノマスター二対スル敵愾心ハ弱マルデショウ。タダシ、冠城沙耶香ノマスター二対スル好感度ハ地ノ底二落チルデショウ〉』


 ・・・冠城さんのお父さんの敵愾心が下がるのはいいけど……冠城さんの好感度が地の底に落ちるのは嫌だなー・・・


 等と僕が思いながら未来の方へ目を向けると、未来はいい笑顔で右手で〈1番〉というようなサインを出し〈行け!〉と言わんばかりに親指を立てる。このやロー、他人事だと思って……殴られるのは僕なんだぞ! 未来、お前、僕を守るんじゃなかったのかよ!

 その未来の近くにいる伽凛さんと射陰さんを見ると、伽凛さんは俯き肩を小刻みに震わせている。うん、伽凛さんは笑いを必死に耐えているな。伽凛さん、そんなに僕の不幸が楽しいですか? この人、悪い人ではないと思うけど、酷いな……。

 射陰さんは笑顔で僕達を見守っている。うん、この人もこの状況を楽しんでいるな……羽生家ってのはこんな連中ばかりなのか?


 伽凛さん達の後ろにいる摩耶さんと神職と巫女姿に戻ったラルファーさん達は興味深そうにこちらを眺めている。……うん、この三人も似たようなものか。


 「おい! 余所を見ていないで答えんか!」


 中年の男性がしびれを切らせ僕に迫る。


 その時、「貴方、少し落ち着いて下さい」と、その中年男性を諌めるような女性の声が聞こえてきた。


 「貴方がそんなに威嚇するような態度を取っていては、彼は萎縮してしまって答えたくても答えられませんよ」

 「だがな、お前……」

 「な、に、か?」


 その女性の意見に冠城さんのお父さんと思われる中年の男性が反論しようとした瞬間、少しトーンの低くなった女性の声がその反論を遮る。

 その女性の声に中年の男性は、うっ、と声を詰まらせタジタジとなる。……うん? この人、奥さんに尻に敷かれてでもいるのかな? もしかしたら、婿養子なのかも……。


 「初めまして、鈴星さん。この人が威嚇するような態度を取ってしまって御免なさいね。私は沙耶香の母親で冠城静音といいます。この人は沙耶香の父親で冠城斗真といいます。よろしくお願いしますね」


 その上等な西陣織の着物を纏った女性、冠城さんのお母さんは冠城さんのお父さんの前に出ると僕に挨拶をして軽く頭を下げる。

 そして、間を置かず「沙耶香を苛めから救ってくれたのは貴方ですね?」と問い掛けてきた。


 その冠城さんのお母さん、静音さんの言葉に、「え?!  お母様、気づいていたんですか?」と、冠城さんは驚きの声を上げ、冠城さんのお父さん、斗真さんは「なっ!?」と驚愕の表情を見せる。

 そして、「俺はそんな話聞いていないぞ!!」と、直ぐ様怒りの声を上げる。


 静音さんは一つ息を吐くと、「私も別に知っていた訳ではありませんよ。ただ、母親は父親と違って子供のちょっとした変化に敏感ですからね」と言い「……ですが、私が行動を起こす前に解決していたようなので、誰かが沙耶香を救ってくれたのだろうと思っていたのです」と、僕に微笑みかけ、「沙耶香を救ってくれて本当に有り難う御座いました」と、僕に深々と頭を下げた。


 冠城さんのお父さんは「ふぬー……」と悔しげに呻くと、「……それに関しては俺からも感謝する」と、僕に軽く頭を下げ、「……だが、それとこれとは話は別だ! 俺は交際など絶対に認めんからな!」と言って僕を睨み付け、足早に歩き去っていってしまった。


 「まったくあの人は、困った人ですね。……鈴星さん御免なさいね。あの人は娘のこととなると娘可愛さのあまり感情的になってしまうところがあって……。ただ、私からも一言忠告させていただきますね。貴方と沙耶香が全てにおいて責任をもてる年齢、社会的身分になるまでは一線を越えないように、健全なお付き合いをするようにお願いしますね」

 「………はい、わかっています」


 僕はどう返事をしていいのか分からず直ぐに返事をすることができなかった。

 そんな僕の迷いながらも照れながらの返事に冠城さんのお母さんはいい笑顔を返してくれる。

 そんな僕と冠城さんのお母さんとのやり取りに「もー、お母様ってば、私と鈴星君はまだそんな関係じゃないのに……」と言いながらも冠城さんは満更でもない感じだった。


 「えっ? あなた達まだ付き合っていなかったの?」


 冠城さんの言葉に冠城さんのお母さんは大袈裟に驚いてみせる。

 そして、「鈴星さん、私の娘に何か不満でもあるのかしら?」と、ジトッとした目を僕に向けてくる。


 対して僕は「あ、いえ、そんな、別に……」と、しどろもどろになり、「か、冠城さんは、その、クラスのアイドル的な存在で凄く綺麗ですし、優しいですし……僕には勿体ないというか、なんというか……」と、冠城さんのお母さんにどう返答していいのか分からず困惑していると、後ろからククク、ふふふと伽凛さんと射陰さんの含み笑いが微かに聞こえてくる。……チキショー、二人とも人の苦難を笑いやがって! 今に見てろよ!

 未来からは『マスター……』という残念そうな心話()が届く。……なんだか、今ので未来の僕に対する株が暴落した気がする……。


 冠城さんは僕の言葉に頬を紅くしたり、何か否定するように頭を振っていた。うん、冠城さんは純粋で優しいなあ……こんな人と本当に付き合えれば毎日が幸せだろうなあ……。


 僕は一回深呼吸をすると周りの雰囲気に背中を押され一大決心をする。


 「冠城さん……だ、大好きです! ぼ、僕と付き合って下さい!」


 僕はそう言うと冠城さんに対して深々と頭を下げた。

 僕は頭を下げたまま冠城さんの返事を待つ。

 これは僕の生まれてはじめての、一世一代の告白だった。

 その為か緊張と興奮で心臓はバクバクと早鐘を打ち体全体からジワリと汗が滲み出だすのを感じる。

 告白して数分も経っていないはずなのに随分と時間がたったような錯覚を起こす。のだが、実際、待てど暮らせど冠城さんから返事がない。というか……何だか周りが静かになっているような気がするんだけど……。

 僕は深々と頭を下げたまま・・・うわー、これは、なかなかに辛い……これは、拒否されるパターンか? できれば、今すぐこの場からとんずらして家に帰りたいんですけど?・・・と思いながら少し頭をあげて恐る恐る冠城さんの顔を覗き見る。


 頬をピンクに染めた冠城さんは両手で口を押さえポロポロと涙を零していた。


 それを見た僕は、緊張しすぎていたせいもあるのだろう・・・うわ、泣くほど嫌なのかなあー? 僕と付き合うの……というか、こんな大衆の面前で告白なんて、考えなしもいいところだ……最悪だ……・・・とショックを受けて固まる。

 もしこの時、僕が平静でいたならば今までのことを考えればその逆だということに鈍感な僕でも気づいていたかもしれない。


 僕は冠城さんが返事をする前に「御免なさい!」と再び頭を下げ謝っていた。


 「ち、ちがうの……わ、わたし……う、うれしすぎて……ごめんなさい、ありがとう……こちらこそ、よろしくおねがいします……」


 その冠城さんのしゃくり上げるような言葉を聞き終えると何故だか周りから温かな拍手が湧き起こる。


 僕はどうしていいのか分からず頭を上げられずにいた。いや、嬉しくないわけじゃないんだけど、滅茶苦茶嬉しいんだけど、どうすればいいのか……。

 その時、「ほら、創星君」と、射陰さんが僕の両肩を持ち起こしてくれる。


 冠城さんはお母さんに支えられるようにして僕の所まで歩み寄ってきていた。

 そんな冠城さんを僕は受け止めるように抱き締めていた。と同時に、再び拍手が湧き起こる。

 その時「俺は認めんからな!」と言う声が遠くに聞こえた。が、その声は拍手に飲み込まれ僕達の周りにいる人達の耳には入らなかったようだ。


 それから少しして落ち着くと僕と冠城さんは二人でパーティー会場の料理を食べて回った。

 未来は僕達に気を遣ったのだろう、少し離れて付いて回っていた。……未来が気を遣うなんて……成長したな……。


 僕達はパーティー会場の休憩用に置かれている椅子に腰を落ち着ける。

 未来は僕達が見える位置にある丸テーブルの料理を美味しそうに食べている。


 僕は「冠城さん、こんな人の多い所で告白して、ごめんね」と冠城さんに声を掛けた。

 ううん、と否定すると冠城さんは、「私はもの凄く嬉しかったわ。鈴星くんの方こそ、私の知人が多くいる所で告白するなんて勇気が要ったでしょ?」と、僕の肩に頭を預ける。


 「鈴星くん……提案なんだけど、その、正式に付き合うことになったんだし、その、お互い名字で呼び合うんじゃなくて、名前で呼ばない? というか、私は名前で呼んで欲しいし鈴星くんのこと名前で呼びたい」


 その冠城さんの提案には冠城さんの強い意志が感じられた。

 その提案に僕が反対する理由は全くないので「うん、いいよ……沙耶香さん」と即答する。というか、さっきまでは浮かれすぎてて実感が無かったけど……生まれて初めての彼女が出来た! 飛びっきりの美人の彼女が! 嬉しい! 然もお互い名前を呼び合おうなんて! もう鼻下の延びっぱなしだよ!


 僕が彼女の温もりを右半身に感じながら彼女が出来たことを実感してその感動に酔いしれていると「ありがとう、創星君」と彼女の嬉しそうな声が耳元に聞こえる。

 端から見たら僕はきっと頬を緩ませただらしない表情をしていることだろう。


 因みに伽凜さん達は僕の告白の後、茶々等を入れることなくパーティー客の中へと姿を消していた。あの人達でも一応空気を読むんだ……。


 それから暫くすると、「皆様、時間となりましたので拝殿へとお越し下さい」という放送がパーティー会場のに流れる。

 その放送の後パーティー会場にいる人達は皆一斉に御雷神社奧宮参集殿から御雷神社奧宮拝殿へと移動し始める。

 拝殿では席が皆決まっているようで神職さん達がパーティーに出席していた人達をそれぞれの席へと滞りなく案内していく。

 一番前には羽生一門の当主代行である伽凜さんがその後ろには伽凜さんに叔父上と呼ばれていた初老の紳士、射陰さん、その後ろに羽生家の人達、羽生家の縁者、羽生家に近しい人達というような順序で並んでいるようだった。


 因みに僕と未来は最後尾の席に案内された。


 ・・・ま、当然だよね。伽凜さんの近くなんかに案内されても困るし・・・と思っていたら、再び神職さんが僕達の所に来て、「鈴星様、申し訳ありません。席の案内を間違えておりました。此方へお越し下さい」と、深々と頭を下げられてほぼ強制的に席を移動させられた。いえ、僕はここがいいんですけど?


 僕は嫌ーなものを感じながらその神職さんに付いていく。と、案の定、一番前の伽凜さんの少し離れた場所へと案内された。

 そこには既に沙耶香さんが一人いたが、緊張のためかその表情は非常に硬いものだった。

 周りからは様々な感情の籠った視線が僕達に注がれている。のだが、そんな視線の中でもひときは突き刺さるような視線を僕は感じていた。

 その視線には覚えがあった。というか参集殿にいた時からずっと感じている視線なんだけど……。

 沙耶香さんの家族は羽生家縁者の後ろの方の席にいる。

 距離にして恐らく2、30メートルは離れているだろう。にも拘らず、その鋭く刺すような視線をそこから感じるのは僕の気のせいだろうか……。


 僕達から少し離れた所にいる伽凜さんの方に目を向けると、非常に楽しげないい笑顔で此方を見ていた。このヤロー、やりやがったな! 人が困る姿を見て喜ぶなんて、ほんといい性格してるよ!


 それから直ぐに御雷神社の大宮司による一年の汚れを払うというお祓いが行われ、そのお祓いが終わって直ぐに年が替わったことを報せる除夜の鐘の音が遠くに聞こえてきた。

 それを合図に伽凛さんを先頭に羽生家一門の人達は柏手を打ち初参りを始める。


 伽凛さんが柏手を打つとこの拝殿全体に力強くも清らかな気が満ちるように僕には感じられた。……僕の気のせいかな?


 僕達もそれに倣い年初めの初参りを始める。


 ・・・去年は色々あって大変だったけど、今年は平穏無事な一年でありますように、何卒宜しくお願い致します・・・


 僕は願い事をいい終えるとふと視線を感じその視線の方へと目を向ける。と、そこには〈可愛そうに〉というような表情をした伽凛さんが〈ムリムリ〉というように頭を振っていた。


 ・・・伽凛さん、僕の願い事が聞こえていたかのような態度で、それを不可能な事のように否定するような態度をとらないでもらえますか?・・・


 その僕の思いが聞こえてたかのように伽凛さんはため息を吐くような仕草をする。え? まさか、本当に僕の願い事が聞こえてた?


 『マスター、気を付けてください。今この拝殿は神界の神の聖域となっています。この場で考えたことは全てその神に筒抜けとなります。……恐らく、その神を経由して伽凛にも……』


 ・・・うん、未来、そういうことはもっと早く言って、お願いだから……・・・


 等と僕が考えていると隣にいる沙耶香さんから「明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いいたします」と丁寧な新年の挨拶を受け僕は慌てて「あ、明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いします」と挨拶を返した。

 未来も同じように沙耶香さんに新年の挨拶を返していた。


 その後、年始の御祈祷をうけ、摩耶さんの御神楽を鑑賞して、僕達未成年者は帰宅することとなった。

 麻耶さんの舞った御神楽は神楽鈴と剣を使った一風変わった御神楽だった。


 ・・・麻耶さん、綺麗で格好よかったなー・・・


 その後大人達は朝まで飲み明かすらしい。


 僕は沙耶香さんの車で家まで送ってもらった。


 ・・・去年一年色々あったけどこの年越しが一番疲れたな。……去年で唯一良かった事は、沙耶香さんと正式に付き合うことになった事かな・・・


 僕が頬を染め沙耶香さんのことを思い出していると未来に後ろから抱きつかれた。

 その未来に目を向けると未来は満面の笑みを浮かべていた。うん、やっぱり未来は可愛いな。


 ・・・うん、未来に会えたことも良かった、事なのかな?・・・

やっと年越したー。


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