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PUNICA【I-miss-you】9

  ◆  ◆  ◆



【COCKTAIL――スレッジ・ハンマー】



 轟いた鈍い衝撃音。

 羽田立荘の敷地全体が大きな振動に見舞われ、植木の葉に溜まった朝露が一気に落ちた。

 石畳が放射状に砕け、土埃が舞い、中心には地面を砕いた物体が深々とめり込んでいる。

 小型隕石の落下を思わせる光景だ。

 当然ながら物体は大気圏外から降ってきたわけではなく、地球外の石でもなかった。

 長く太い棒が物体から突き出ている。非常に硬度が高く重い金属――タングステン製の、大きなハンマーであった。


「命中」


 土埃に紛れて現れたのは持ち主の女。

 コードネーム:スレッジ・ハンマー。

 氷製人間部隊カクテルズの一員。

 三人編成班――XYZ班の主力。


 彼女は大槌の柄を片手で握り、持ち上げた。

 反動でスレッジの足が緩んだ地面に沈む。

 金色の短髪。タンクトップの上にジャンバーを羽織り、ミリタリーパンツを履く彼女の出で立ちは実にボーイッシュだ。それでもハンマーの大きさは身体に似合わないサイズをしている。

 ハンマーは広く深く地面を抉り、一撃で日本庭園の景観を派手にぶち壊してしまった。

 彼女が狙ったのは羽田立荘の玄関前で見張りをしていた男。そいつは全身に武器を装備しており、最初は避けて潜入しようと考えた。

 一見するとただ棒立ちしているように見えたが、男はスレッジが試しに放り投げた小石にも反応を示し、鋭敏に意識を向けたのだ。

 だから隠れて様子を窺うのも苦労した。男の視線や意識から逃れることに集中し、羽田立荘の外観しか確認できなかったほどに。

 かなりの手練れ。

 そう判断したスレッジは奇襲という手段で男を排除した。


 排除したはずだった。


 ところがスレッジの持ち上げたハンマーの下に、圧し潰された死体は無かった。


「外したか……生意気」


 回避に成功したというのに、姿を消したまま反撃に出てこない。

 油断した振りをしてスレッジが姿を見せ、ハンマーの回収に来ても、庭園の中に気配がない。


(……しまった!)


 衝撃で玄関は壊れている。

 スレッジはハンマーを肩に乗せ、羽田立荘の中へ走った。


 土足のまま上がりこんだ場所は空気の暖かいロビー。

 彼女は視線を右へ左へ送り、遠くの物音を気にしつつ、動く物体が無いか全身の感覚器官で探った。

 ロビーではストーブが焚かれている。

 誰の姿もない。


 最初に目に付いたのが畳の敷かれたスペースだ。布団のくっついたテーブルがある。この国では炬燵と呼ばれる家具だ。

 スレッジは近付き、炬燵を蹴り飛ばした。

 中には誰も潜んでいない。

 畳が温まっているということは、確かに誰かが炬燵を使っていたということだ。

 羽田立荘の中には、男の他にも誰かが居た。

 炬燵のあった畳には、二人分の座布団。これらも両方温かかった。

 空気の流れはとても解り易い。

 このロビー以外に暖かい空気のある空間は無い。

 つまり、こんなに寒い日に暖気を生んでいた場所は羽田立荘の中でこのロビーだけだということ。


(さっきの灰髪男と合わせて三人)


 反撃より先に、ロビーにいた二人を逃がしたようだ。

 すん、とスレッジは空間のにおいを嗅ぐ。

 人間のにおい。

 それから、土足のまま移動した男が残した――土のにおい。

 獣並みの嗅覚でなくとも、追跡手段は心得ている。スレッジはロビーから出て廊下を駆けた。

 ハンマーの重量も合わさった彼女の体重に、廊下は耐え切れず穴を空けた。


(……気配)


 廊下の先には裏口。

 そこから外へ出て、羽田立荘の外周を移動し、逃走しようという算段なのだろう。スレッジは外で何者かが移動する気配を感じ取った。

 どうやら素人が混じっているらしい。足音がまるで消せていない。

 ますますザクロ・グレナデンの存在を確信に近付けたスレッジは、にたりと笑う。


「そ、こ、だぁ!」


 太く長い柄を両手で握り、ハンマーをぶん投げた。

 それは穏やかに回転しつつ、廊下の壁を木端微塵に粉砕。

 さらに奥の部屋の壁も粉砕。

 窓ガラスも派手に吹き飛ばし、外へ飛び出した。

 廊下から外まで一直線に大きな穴が連続し、通路が出来てしまった。

 ハンマーは羽田立荘を囲む林の、一本の木の幹に当たり、薙ぎ倒して地に落下していた。

 間髪入れずにスレッジは疾走。砕いて開かれた道を抜け、弾丸の如く再び外へ。


 そこで、スレッジは標的を発見した。


「ザクロ・グレナデン。やっぱりここに居たね」


 ザクロ・グレナデンこと天宮柘榴は、地に尻もちをついていた。

 突然壁から飛び出してきたハンマーを咄嗟に避けたからだろう。


「ス、スレッジ・ハンマー!」


 驚きの声を上げる柘榴の他にもう一人。黒衣の少女が柘榴の隣で同じく尻もちをついている。

 スレッジの知らない少女だ。標的には含まれていないので、今のところは無視して構わないと判断した。

 まずは天宮柘榴の抹殺。

 スレッジは指の関節を鳴らしながら柘榴に近付くと、その黒髪を掴んだ。


「いった……」

「久々に会って談話でもしたいところだけど。悪いねグレナデン。死んでもらう」

「なんで……? なんでカクテルズがあたしを……」

「驚くのもわかるよ。味方殺しなんて私もしたくないさ。でもこれ、任務なんで」


 拳を振り上げるスレッジ。その打撃力はもちろん柘榴も知っている。

 簡単に殺せるが、この場では簡単に殺せそうにないことも、スレッジは知っていた。


 羽田立荘の屋根から飛び降りてくる影。

 そう、まだあの男が生きているのだ。

 スレッジは柘榴の髪から手を離し、真上から落下してきた男を避ける。


「キリサメさん!」

「キリサメ!」


 黒衣の少女と天宮柘榴が叫ぶ。

 キリサメという男の両手に握られた長い刃がギラリと輝いた。


「……」


 男は着地と同時に無言で左手の刀を逆手に持ち替え、スレッジへ一振り。

 彼女の頬に切り傷を付けた。

 裏口と庭園を繋ぐ羽田立荘の狭い空間。斬撃回避には向かない。

 スレッジはバック転でその場を離れ、自分のハンマーを拾う。

 今度のキリサメは逃げず、向かってきた。

 折れた幹を背にするスレッジへ疾走しながら、右手に持った長刀を背中の鞘に納め、左腕の短刀を引き抜く。

 キリサメの突進を、スレッジはハンマーを振り上げて迎え撃った。


「インパクトォ!」


 強烈な鎚撃。

 振り下ろされたハンマーヘッドが地面を叩き、またも羽田立荘周辺域を揺らした。あらゆる場所から雪が落ち、落ち葉は宙を舞い、立ち上がろうとした柘榴と少女もまた膝を着く。

 上からの鎚撃を横跳びで避けたキリサメに、もう一撃。

 スレッジはハンマーの重さなど物ともせず軽々と持ち上げ、今度は横薙ぎに振るう。

 キリサメは双刀を前に出して防御した。


「いい当たり」


――ギリィ! と、歯を食い縛りつつもスレッジは笑った。

 スレッジ・ハンマーの攻撃を物理防御できる個体なんて居やしない。

 たしかにキリサメは身体を宙に浮かせ、さらにハンマーヘッドに刀を押し付けることで多少の衝撃緩和には成功した。けれどもそんな多少はほとんど意味を成さない。タングステン製ハンマーの勢いを止められず、彼の身体はグンと弾かれる。

 まるでベースボールの打撃シーンでも演じているかのようにスレッジはフルスイング。ボールの如くキリサメを吹き飛ばした。


「……ちぃ!」


 大男の身体は転がりながら羽田立荘の庭園まで飛ばされた。

 ぶつかった灯籠は崩れ、植木は圧し折られ、庭は原形を失うほど破壊されてしまった。

 その様子を見ていた柘榴と少女は母屋の陰に隠れ、スレッジ・ハンマーの威力に呆然とする。キリサメの長刀がひとつ、折られてしまったのだ。

 近くに落ちた刃の破片を摘まみ上げたスレッジは、それを眺めながら庭園へ入る。


(芯を捉えた筈だけど壊せたのは刀一本。なかなかどうして――生意気)


 本来の標的である柘榴には目もくれず、スレッジの視線は庭園の中に向けられている。石畳の上で悶える男の方に。

 ハンマーのフルスイングを喰らってもまだ息ができるとはタフな男だ。しかも、もう立ち上がった。

 彼は崩れた灰色のオールバックを整え、コートの袖で鼻血を拭う。


「……怪力女め」


 少し鉄面皮が剥がれたようだ。

 刀身を失った左手の柄を乱暴に投げ捨て、今度は右腰の長刀を引き抜く。

 キリサメにはまだ七つの刀がある。左背部の一つを破壊したところで戦力を削いだことにはならない。

 ただしその武装をすべて削がれた時――スレッジへの対抗手段が無くなってしまうのも事実。


 スレッジは超重量ハンマーを片手で持ち上げる怪力の持ち主。

 扱えるのはカクテルズの氷製人間の中でも限られる代物だ。

 スレッジの身体能力は凄まじい。

 十九,三グラム毎立方センチメートルという密度を誇る鉱物――タングステンを打撃武器として扱うには筋力を強化するだけでは無理だ。骨格や、負荷のかかる部分も相応に強化しなければ肉体が保たない。

 ゆえに体内にも同じくタングステン製の骨格を埋め込んであり、肉体の強度も常人を遥かに凌ぐ。

 魔氷の呪詛能力を用いて細胞や血液などを限定凍結させることで、自由に肉体を切り開ける死使十三魔の改造手術だからこそ成せる所業だ。


 キリサメが何者なのか、どんな人間なのか、スレッジは知らない。

 刀の扱いに長けているのは把握した。

 だがハンマーで吹き飛ばすことができた以上、敵ではない。彼女はそう思った。

 しかもハンマーの柄は、その長さ百八十五センチメートル。柄は刺突にも用いるので先端は尖らせてある。太さは直径七センチメートル。打撃部分も合わせた全長は、なんと二百四十センチメートルもある超大型武器だ。

 キリサメの武器とではリーチに差がありすぎる。


「相性が悪かったね」


 ぶん、ぶん、ぶん、ぶん。

 そんなモノを軽々と振り回しながら間を詰めるスレッジ。

 一撃目を回避してもすぐに二撃目が来ることは先程見せたので、キリサメもわかっているだろう。それを踏まえて、どんな手でくるか。

 まあ。さすがにこれだけの大型武器なので、一撃と一撃の間に《それなり》の隙は生まれる。


 やっぱり。

 案の定、キリサメは再び突進してきた。

 今度もスレッジはハンマーを振り上げて迎え撃つ。

 もうハンマーの軌道と追撃の速さは見ているので相手も違う動きをしてくるだろう。

 おそらくキリサメが狙ってくるのは――スレッジの両腕。

 武器を使用不能にするつもりだ。


 いつものパターンだ、とスレッジは嗤う。


 いつもそう。どんな相手の時もそう。

 巨大なハンマーを目撃し、まず誰もが思う。

――『大きすぎる』『重すぎる』『扱いきれるわけがない』と。

 安易にイメージするだろう。

 力任せに振り、ハンマーの頭で敵を一撃粉砕するスレッジの姿を。

 大振りで、体勢の隙も大きく、いくら怪力でも連撃は難しい筈。それが巨大な打撃武器の――スレッジの弱点だと。

 強烈な一撃もしくは二撃を回避したらスレッジは隙だらけだと。


 今回も同じ。

 キリサメはスレッジに向かって突撃してくるものの、リーチを目測で計って二撃目もギリギリで避けようとしている。

 スレッジには見飽きた動きだ。


 キリサメがある程度接近したところで、希望に応えるようにハンマーを大きく振る。

 やはりキリサメは片足を大きく踏み込んで、先程より大きく横へ跳躍した。

 ハンマーは空振り。

 隙を狙うキリサメ。

 その回避した隙を狙うのがスレッジ《本来の》戦法。


「――ぱっ」


「……っ?」


 スレッジはあっさりと柄から両手を離した。

 放られたハンマーは質量の大きなヘッドを軸にして、空中で回転運動を始める。

 すかさずスレッジは身体を回転させ、ハンマーヘッドへ全力の胴廻し蹴りを入れた。

 緩やかな回転は、高速回転へ。


嵐鎚(らんつい)


 ――嵐鎚。

 高速でスピンする巨大ハンマー。

 これこそスレッジ・ハンマーの必殺技とも言える攻撃。

 本来打撃に用いる部分が中心となり、ハンマーは独楽のようにその柄を高速で振り回し始めたのだ。

 柄とヘッド。二つの部分で成り立つハンマー。その攻撃的で非常にイメージしやすい形状を逆手に取った不意打ちだ。

 軌道はスレッジの蹴りに委ねられる。スピンさせるタイミングも進行方向も、回避後の相手に合わせて正確に修正する事ができる。

 打撃武器を投擲特化させる戦法。この嵐鎚で仕留めた敵は数知れなかった。

 無論、キリサメの目算は大きく外れたことになる。

 打撃部分は大きな頭部ではなく、柄の部分だったのだから。

 柄部分もタングステン製。しかもスレッジの蹴りで高速回転している。そんなものを喰らえば、そんな回転に巻き込まれれば、骨折どころでは済まない。身体が千切れ飛んでしまう。

 避けようにも――たった今、キリサメは避けたばかりで体勢が整っていない。

 一撃必殺のスピンハンマーは後手の後手を狙ったものだった。


「ほら見せな! あんたの隠し玉! 持っているんだろ!」


 持っているとしたら、使わざるを得ない窮地に追い込んでいる。

 キリサメという男が八つの武器を持つだけの剣士ならばここで終わりだ。

 この窮地をしのぐには、何らかの能力に頼るしかない。


「……隠す気はない。初めから、な」


 スピンハンマーを前にして尚、落ち着いた男の口調。

 スレッジの嵐鎚が後手の後手を狙おうと、どれだけのリーチ差があろうと、キリサメには関係のないことだった。

 確かにスレッジの身体能力も危険だが、最も厄介なのはやはりその巨大武器。

 最初からキリサメは武器破壊を目的とし、それだけを狙って動いていた。

 スレッジとて相手が武器の使用不能を狙ってくることを逆手にとって嵐鎚を放った。


 ただ。

 スレッジの方が、一手遅かった。


 スピンするハンマーから、何かが零れ飛んだ。

 それは長い柄の半分だった。


――崩壊。


 キリサメに届かずして始まる巨大武器の崩壊。

 柄が折れ、ハンマーヘッドが砕け、回転の勢いに乗って次々に破片が散らばってゆく。


「――?」


 嵐鎚が空中分解する様を、スレッジは呆然と見届けた。

 タングステン製のハンマー。

 非常に硬くて重い希少金属を使った自慢の武器。

 それがビスケットのように砕け散る光景に、目を疑わざるを得ない。

 キリサメの刃はハンマーで叩き折れた。硬度はタングステンの方が圧倒的に高い。

 だから破壊される要素なんて、まるで見当がつかない。


「私の武器に何をした!」


 叫ぶスレッジに対し、鉱塊と化したタングステンを踏み付けるキリサメは、鉄面皮の剥がれた口元を歪ませた。


「お望みの通り見せた」


 そう言って彼が拾い上げたのは――先程投げ捨てた長刀。

 スレッジは目を丸くする。

 刀身を破壊した筈のそれは、元通りの形を成しているのだ。柄だけになり、使用不能となって持ち主のキリサメは投げ捨てた。砕けた刃も手に取って確認した。

 なのにハンマーが自壊し、刀が修復した。

 これではあべこべだ。

 こんな理不尽で非常識な結果を実現するには――呪詛能力を行使したとしか思えない。


 そこまで考えたところで、スレッジは震える手でキリサメを指差した。


「呪詛が憑いているのか……?」

「この武器にな」


 呪装具――!

 その存在はスレッジも知っている。

 世界危険勢力《ティンダロスの猟犬》が開発した、呪詛能力者に対抗するための武器だ。

 しかし作られた呪装具の数は少数。そう易々と手に入れられる代物ではない筈。

 この男がティンダロスの人間でもない限り。


「呪装具使いということは、あんたはティンダロスの……?」

「違う。まあ、俺が何者かはどうでもいいことだろう」

「どうして呪装具を持っているんだ!」

「……やけに拘るな。ティンダロスの施設から試作品を頂戴したまでだ」


 修復した刀も左背部の鞘に納め、またも八つの武器を全身に装着したキリサメ。

 スレッジ・ハンマーの巨大武器は封じた。リーチ差で言えば、これでキリサメが有利になったわけだ。

 彼は右足の鞘から素早く短刀を抜くと、スレッジへ向けて投げた。

 短刀の柄からはワイヤーが伸びており、キリサメの中指に嵌められたリングと繋がっている。

 ぐん、とワイヤーを引くことで直線的に飛んでいた短刀は軌道を変え、横薙ぎにスレッジの鼻先を斬りつけた。

 ワイヤーが巻き取られ、短刀はキリサメの手元まで戻り、再び鞘に納められる。


「ティンダロス製代償実験用試作型呪装具。その名も《彩妖試剣》」

「八振り八様の刀……何を試しているのかわからない武器だね」


 頬に加えて鼻先にも切り傷を付けられたのにスレッジは気にもせず笑った。


「ふん。果たして使い手である俺か、はたまたこの武器そのものか。いや、それ以前に――この武器と対峙するお前が、試す相手に値するか試されるのかもな」

「……生意気」


 武器を失った女は親指を舐め、ミリタリーパンツのポケットから皮製のグローブを取り出して嵌めた。拳骨の部分にタングステンが仕込んである徒手格闘戦仕様だ。

 身体が温まったのかスレッジはジャンバーを脱ぎ捨て、タンクトップ一枚になった。

――ガキン、と両拳を叩き合わせて構え、ステップを踏み始める。


「私の本物のハンマーは、この身体。コードネームの由来が武器だと思っていたなら大違いだよ」


 スレッジ・ハンマーの真骨頂は、超重量武器を軽々と扱っていたその肉体にあった。

 タングステン製の骨格を内蔵した彼女の耐久力なら、刀剣相手でも十分通用する。

 対するキリサメは、やはり有利なリーチ差を活用するつもりなのだろう。両腰の長刀を抜いて頭上で交差させた。


「女。お前の魅せ場は終わった。ここからは俺の試剣開場だ」


 キリサメの武器が呪装具だと判明した以上、スレッジは時間を掛けられない。並折には呪詛の使用を感知する結界があり、結界寮に感知されてしまうからだ。

 結界効果を切断していないなら、既に感知されているだろう。そもそも結界寮が感知結界を切ることで何かメリットがあるとはスレッジには思えない。

 幸い天宮柘榴は逃走せず、羽田立荘母屋に隠れて戦闘の様子を窺っている。

 さっさと標的を殺して第一フェーズを終えたいところだ。


「精々カンニングには気を付けろよ試剣官様!」


 トン、トン、と二回ステップを踏んで、スレッジの姿が消えた。

 ハンマーを持たないスレッジの前進跳躍速度は、常人では目視できない。その移動速度は白兵戦最強と謳われる純血一族の獣人に匹敵する。

 瞬間的に間合いを詰めたスレッジは脇を締め、キリサメの懐に入った。


「インパクト!」


 ボディブローを放つ。

 長刀のリーチが裏目に出た。

 懐に入られてはキリサメも迎撃できまい。


「試剣範囲内だ」


 キリサメの長刀を握る両手小指には、脚部の短刀とワイヤーで繋がったリングが嵌められていた。

 頭上で双刀を交差させたまま、彼は小指だけで両脚から短刀を引き抜き、片方を拳の防御に。もう片方を反撃に振った。

 ワイヤーで宙に浮かべられた短刀ごときでスレッジの拳が止められるわけがない。

 刀を弾いてそのまま打ち込んでやろうと、スレッジは拳を止めなかった。


「彩妖試剣、能力解放」


 短刀がキリサメの横腹前でビタリと空中硬直し、スレッジの拳を受け止めた。

 タングステン製の拳骨が刃に当たり、弾くどころかびくともしない。

 怪力のスレッジがいくら力を込めても短刀はそれに耐え続ける。


「なんだこれ……!」

「お前の拳に働く力とまったく同じ力が短刀に働いている。力任せの攻撃は俺に通用しない」

「等しい力を与える能力?」

「お前に腕が八本無ければ防ぎきれん」


 短刀と拮抗するスレッジは完全にキリサメの間合い内。

 ただしキリサメの両手には振りの大きな長刀。スレッジなら後方へ跳躍すれば回避可能であり、勿論スレッジは自身のその判断を支持した。

 拳を引き、短刀を押し切ろうとする意地を捨て、一旦距離を置く。

 後退しつつも長刀の軌道には細心の注意を払うべく、キリサメの手元へ視線を向けた。


 長刀は双つともキリサメの頭上で上段交叉したまま――浮いていた。


(速い!)


 彼の両手は、両腕の短刀の柄に移っていた。

 交叉した腕は既に双短刀を鞘の中で加速させている。

 長刀を離し、短刀に持ち替えるまでの動作が速すぎる。


 間合いからの退避、間に合わず。

 鞘から首まで一直線。

 居合の刃は鋏のごとくスレッジの首に迫った。


(生……意気っ!)


 スレッジの背筋がタンクトップ越しに浮き上がり、彼女は瞬間的に身体を仰け反らせて短刀の居合を回避した。


「……」


 キリサメの全身に縛り付けられた八本の刀は、持ち替えの際に無駄な動きを排除するよう配置を計算されている。

 八の刃が予備であるわけがない。

 刀は振りによって隙が生まれる。振り返しの速度も読まれやすい。だからキリサメは、刀を迷いなく棄てるのである。

 また、この戦術の特徴は隙を消すだけではない。

 彩妖試剣の能力によって生み出される拮抗。これは武器を手放しても持続する。

 敵と鍔迫り合いになったなら、彼は能力で拮抗を持続させ、別の刃を抜くことができるのだ。つまり相手を押さえつけたまま、一方的に攻撃が可能となる。

 無論これは彩妖試剣の能力と、使用者たるキリサメの技術があってこそ成り立つ戦術。

――《彩妖試剣八刀流》。

 本人が言った通り。腕が八本無ければ防ぎきれない。

 同時に八の刃と拮抗できなければ、キリサメには文字通り太刀打ちできない。


 回避に集中したスレッジの体勢は崩れ、

 キリサメは既に納刀。


 なんとか踏み止まった女に休む暇は無い。

 男は落下途中の双長刀を再び両手に握り、振り下ろしてきたのだ。


「……!」

「……」


 互いに口を開く時間すら与えられない。

 これはスレッジの後退行動開始から、僅か一秒程度の攻防なのだから。


 双刃はスレッジの両肩に食い込んだ。

 しかしどの刃物もタングステンの骨格によって止められてしまい、致命傷を与える事ができない。


「骨まで金属製か……」

「刃こぼれに注意しな!」


 さすがに骨格の強度まで予想できなかった男は、スレッジに体勢を立て直す一瞬を与えてしまった。

 今度のスレッジは退かず、更に踏み込む。

 長刀を弾かれたキリサメも同じく踏み込む。

 硬度で勝るスレッジの拳。

 リーチで勝るキリサメの刃。

 既に互いは互いの戦闘経験の豊富さを認めていた。


(今度はそうはいかない)


 今の接触では、キリサメの八刀捌きの速さが想定外だったので不覚を取ったが、スレッジは連撃速度で後れを取ることはないと確信した。

 打ち合いになれば八刀の連撃に勝る自信があった。


 ギュッと身を丸めて両腕を引き締めたスレッジは――、


速射鎚(そくしゃつい)!」


 猛乱打を繰り出した。

 左腕と右腕。二つの(ハンマー)がキリサメの頭部や腹部を狙って放たれる。

 その速さ、まさに速射砲。拳の軌道がまったく見えなかった。

 スレッジの腕の尺を目測で把握していたキリサメは、拳の射程距離ギリギリまで身体を後退させて連打を回避。今度は彼が間合いの外へ退かざるを得なかった。

 彼の顎の正面で拳が空気を叩き、弾ける。

 拳の軌道は直線。さすがにスレッジの視線から軌道を読むことはできなかったが、銃弾回避と要領は同じ。キリサメは基本的に横の動きで軌道から逸れつつ射程ギリギリの位置を保った。

 避けきれない拳は刀で捌く。

 捌く度に刃こぼれが生じたが、次に振られる時には修復されていた。


「つまらんな女。舞うまでもない」

「おや、試剣官様はダンスがお好き?」


 そろそろキリサメの目が速射鎚に慣れてきたところで――尚も攻撃を当てる事ができないスレッジは次の手に出た。


「じゃあ踊ろうか。踏鎚(とうつい)!」


 スレッジのハンマーは拳だけではない。彼女自身がスレッジ・ハンマーである以上、その全身が槌である。

 彼女は持ち上げた片足を、思い切り地面に叩きつけた。

 羽田立荘の庭園に地震が起き、姿が消えた。振動の大きさは巨大な武器を叩きつけた時に起きたものと大差ない。

 踏鎚――それは己の足をハンマーとして打撃に使うのではなく、とてつもない衝撃力を以て彼女の身体を高速移動させる踏み込みのことだ。

 結果、キリサメの長刀は粉々に砕け、右腕は圧し折れた。


「――ぬ、ぐ!」


 破壊された二つの長刀はキリサメの手を離れ、柄ごと転がった。

 キリサメ自身もスレッジの拳打によって地に叩きつけられた。

 折れた右腕は痙攣し、だらりと垂れている。

 どうやら肉体の修復はできないようだ。


 スレッジの姿は羽田立荘の門の下に出現。

 その身体を止める為に長々と抉った地面がスピードを物語っている。

 しかし彼女自身、反射神経がスピードに追い付けていないようで、自分の立っている場所とキリサメの姿を改めて確認していた。


「腕一本しか仕留められなかった」



――グシャァ!

 と、何かが潰れる音がした。



 本来なら頭部をもぎ取っている軌道で踏み込んだ彼女は、与えたダメージの浅さに驚いていた。

 高速移動中は意識が無くなるが、それでも狙いと軌道は正確だった。

 見て避けたとしか思えない。

 片腕を仕留めたスレッジの方が額に脂汗を浮かべて狼狽し、キリサメの方が――笑っていた。


「見えて……いたのか?」

 笑う男に問う女。

 右腕を押さえて立ち上がる背の高い黒コートは、右目と左目で交互にまばたきした。

「この《眼》は個人的に使いたくなかった」


 眼。

 まるで眼が特殊であるかのような物言い。

 男の能力は、その武器だけではないというのか。

 彩妖試剣だけが男の持つ特殊性ではないのか。


「安心しろ。もう使わん」

「なんだと」

「眼を使わなくても、次はもう見える」


 嘗めたことを。

 スレッジは一瞬だけ奥歯を噛み締め、怒りを抑えた。


「余裕だね。私はお前の武器の秘密、わかっちゃったよ」

「ほう? 彩妖試剣の?」

「最初は混乱したけどね。結論から言うと、その武器の能力はきっと――《同等の押しつけ》」

「正解」

「しかも押しつけの対象は力だけじゃない。結果まで押しつける事ができる。私が拳を短刀にぶつけた力も、短刀が同等の力を拳にぶつけて相殺した。破壊された刀が修復し、破壊した私のハンマーが破壊されたのは、破壊という結果を押しつけたからだ。違うかい?」

「……《裁転》。刀を砕けば砕いたモノが砕かれ、ある程度の力を加えれば加えた力に同等の力を加える。彩妖試剣は触れた物に等価代償という形で何もかもを裁き転ずる能力を持つ。ゆえにこの武器を物理的に破壊するには、この武器を用いるか互いに壊れるしかない」

「その呪詛能力を発揮させるために、刃こぼれしやすく破壊が容易な刀という形状をしているわけかい。一見するとただの日本刀八本セット。でもその実体は攻撃を受けることで初めて能力が解放される防衛型呪装具。しかも――」


 スレッジは相手を顎で指す。

 正確には、キリサメの折れた右腕を指した。


「その呪装具は使い手を守るわけじゃあない。呪装具自身を守る呪装具だ。試剣というのはそういうことか。試剣官も受剣者も、試剣があってこそだからね」


 どちらも代わりなぞ幾らでも居る。

 これがティンダロス製代償実験用試作型呪装具の正体。


「簡単な話だよね。あんただけを狙って、あんただけを破壊すればいいだけなんだからさ」


 強気の口調には、キリサメもさすがに声に出して笑ってしまった。



「その拳でか?」



 スレッジの拳は長刀を二つ破壊した。

 その二つは既に元通り修復され、転がっている。

 破壊という結果は押し付けられた。

 そう。

 スレッジの拳に。


「まだまだ。十分やれるさ」


 自分の両手を持ち上げ、不敵に笑うスレッジ。

 彼女の拳は既に原形を失っていた。

 タングステン製のプレートが仕込まれた皮手袋は砕けて使い物にならず、彼女自身の両手は折れた骨が何本も飛び出している。それはもはや拳とは言い難く、指と呼べるものは様々な方向に曲がり、何本かは千切れてしまっていた。

 右腕の折れたキリサメより遥かに重傷。

 まだ片腕が使えるキリサメより遥かに不利。

 だから、キリサメはおもわず笑ってしまったのだ。


「そんな様でどうやって戦う」

「まだ足がある」

「ああ。確かにさっきの速さには驚いた。守野の獣人を連想させるほどだ。が、お前は守野には遠く及ばない。守野は自在にあの速度を操るからな」

「……」



 女は目を細めた。



  ◆



――『スレッジハンマー使いの女。評価はどうだ?』


――『評価ねえ。成功か失敗かと言われてもなあ。この女は査定にすら挙げられんよ』


――『……そもそも武器の為に作られた氷製人間だから、か』


――『呪詛能力者と同等に渡り合えるかと問われれば……まあ……厳しいな』


――『ようするに失敗ってことじゃないか。氷製人間は呪詛能力者に代わる超人でなければならないのだろう?』


――『わかっているなら何故作らせた。困るんだよねえ。君達の我儘じゃないか。兵器開発課が面白半分に作った武器を戦力として投入するだなんて。その為に武器に合わせて氷製人間を作らされる我々の身にもなってくれよ』


――『そう言うな。呪詛能力者に敵わなくとも戦力にはなるだろう? ええと、ところでこの娘の名前は?』


――『そんなものは無い。武器の付随品なのだから』


――『そうかね。カクテルズの最前線で使い捨てにしてくれて構わん。兵器開発課のデータ収集に協力してくれ』


――『言われなくともそのつもりだよ。XYZが引き取ると言ってきたのでね』


――『XYZ? 噂通りの物好きだな。彼の班には既に失敗作の子供が所属しているだろう?』


――『ああ。勿体ない話だ。XYZは氷製人間として成功例に挙げられる男。呪詛能力者にも匹敵する超人だ』


――『彼に搭載されているチューブシステムとエギゾーストマニューバは我々も自慢の兵装さ』


――『だからこそ勿体ないと言っているのだ』


――『ははは、壊れたらまた作ればいい』


――『ハンマーは二度と作るなよ。こんな無駄はもう御免被りたい』


――『ははは』



  ◆



 コードネーム:スレッジ・ハンマーが自身の名前になったのはいつ頃だろう。武器のオマケとして作られた自分が、その名前を手に入れるまでの苦労をスレッジは時折思い出す。

 当初、彼女の骨格は消耗が前提とされていた。

 骨格を武器と同じタングステン製にしてもらう為に、たくさんの戦場を駆けて、たくさんの戦果を残した。

 それは(ひとえ)に自分を認めてほしかったから。

 誰にでもない。

 自分が自分に認めてもらいたかった。


「……私は匹敵するよ」


 いつも。

 認めてもらいたい。

 認めていたい。


「私は呪詛能力者に匹敵する!」


 この啖呵はキリサメに切ったものではなく自分との約束。

 勝利によって証明する。殺害によって証明する。

 そうすることでキリサメの「守野には遠く及ばない」という言葉を否定する。

 完膚なきまでに否定する。


 スレッジは片脚を持ち上げた。

 踏鎚の体勢だ。


(意識を保ち続ける。速さに耐える。私は踏鎚の速さを自在に操る)


 再び突撃の構えを見せたスレッジに、キリサメは溜息を吐いて脚から短刀を抜いた。

 修復したとはいえ両腰の刀は転がったままだ。おまけに右腕は使えない。

 次は踏鎚の速さを見ると彼は言った。

 見えたとして、防御に回るしかできまい。片手では防ぎきれまい。スレッジはそう確信した。


「踏鎚……!」


 地響きが起こり、スレッジは跳んだ。


――凝縮する世界。

 キリサメという到達点以外の景色がすべて放射状に延びた世界。

 速さに耐えた。

 スレッジは意識を保ち続けることに成功したのだ。

 狙いは完璧。


 肉の破れた拳が風圧に耐えられず、更に捻じれた。

 彼女の残された武器(ハンマー)は――脚。

 首を狩る軌道で、スレッジは片脚を大きく振った。


「防いで……みろぉおおおお!」



 ……。


 ……防ぐまでもない。


 キリサメは一歩も動かずにスレッジを止めた。



「……ン、グッ」



 胸元に鋭い痛み。

 スレッジは顔を歪めて硬直した。


(やられた……)


 眉間に皺を寄せた彼女は目線を落とした。

 胸に――銀色のなにかが突き刺さっている。

 身体を貫通し、背中から飛び出している。


 刃だった。


 単純な解答を得ると、スレッジは天を仰ぎ――、


「――ッ! ガハァア!」


 口から鮮血をぶちまけた。

 彼女の身体を貫いたのはキリサメのコートの中から出てきた第九の刃。


「刺隠し剣」


 他の八本とは違って刃に返しが付いており、殺傷力を高めた形状になっている。

 右側の腹部に密着する形で仕込んであったらしく、コートが破れていた。


「――、マ……マダだ!」

 スレッジが胸に刃を刺したまま、壊れた拳を振りかぶる。

 その肉塊に正面から短刀が突き刺さった。

 痛みと怒りによる絶叫が庭園に響いた。

 それでも女は息も絶え絶えに、力なく、もう片方の拳を振り上げる。

 その肉塊も短刀に貫かれた。


 両手と胸を刃に貫かれて白目を剥いたスレッジは悶絶し、倒れ込むようにキリサメの肩に顔を乗せる。


「負けタく……ないよぅ……」


 呟きと共に、彼女の口から血の混じった唾液が垂れた。


「っ! 強酸か」


 すべての刀から手を離してキリサメは女の身体を突き飛ばす。

 煙を上げて溶け始めたコートを素早く破り捨てて事なきを得た。


 それにしても――。

 強酸を分泌する改造まで施されているとは。

 強くなる為には人間でなくなることも厭わないスレッジの思想が垣間見られる。

 いや、そんなものは裏の世界で生きる以上、誰もが考えることか。

 キリサメは痙攣する一人の敗者を見下ろし、目を細めた。

 恐怖に値する執念。

 鞘に残った彩妖試剣は九本中、四本のみ。

 真正面からこの呪装具に挑み、ここまでしぶとく絡み付いてきた者はキリサメにとって初めてだった。


 大きく、しかし弱々しく胸が上下し、ひゅう、ひゅう、と掠れた呼吸をする女。

 仰向けに倒れたことで胸の刃が前に押し出され、腹部を裂いた返し刃には赤黒い内臓が絡みついていた。

 震える腕は刃を何度も撫でている。

 掻き集めて、自分の腹の中へ戻そうとしているのだろう。

 両手に刺さった短刀の柄が刃に当たり、ガチガチと音をたてるだけだった。

 やがて彼女自身もそれは無駄だと理解し、唇を震わせた。


「負……ケ……た……ク……なイ」

「彩妖試剣の前に勝敗は無し」

「負……、……」

「墜死せよ。黄泉の国で再び会うこともあるだろう」

「……」


――にたり。


 何に笑ったのか、女は弱々しく口を歪めた。


「……その駄洒落……、生意気……」


 風に打ち消されてしまいそうな小さな声を最後に。

 氷製人間スレッジ・ハンマーは力尽きた。



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