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金色の御子伝説  作者: 世捨人
レジアス領編
13/50

4話

アーサーはロレンツォの町を散策した後、組合ギルドに戻ってきた。


「アーサー君 随分活躍したみたいねぇ~」


ニヤニヤ笑いながら受付嬢が話しかけてきた。


「ええ~なんのことですか?」


「町中で噂になってるわよ。白銀の美少年が生意気な貴族を撃退してお姫様をメロメロにしたって」


「な・なんなんですかその噂は…僕は子供を助けてお姫様に礼を言われただけですよ」


「あらそうなの?」


とシレッと返答しながらニヤニヤはとまらない。


「お姫様 可愛かったでしょう?」


「そうですね~確かに可愛かったですね」


「明日は一緒に観戦?口説いてみれば?アーサー君ならイチコロよ」


「そんなことしませんって」


アーサーは脱力しながら部屋に帰って行った。




そのころ公爵家の食堂ではランバート卿とフローリアが夕食をとっていた。


「フロー 先ほどは男爵家のご子息と面倒事をおこしたらしいな」


「お爺様 私が起こしたわけではありませんわ」


ジトーっと不満気に祖父を睨み付けた。


「衛士隊の報告書にはフローリアの命令で男爵家のご子息と護衛の者を領地から追い出したとあったが?」


「すでに決着がついていた騒ぎに裁決を下しただけです」


「食事が終わったらワシの書斎に来て詳細を話しなさい」


「わかりました」


そのまま黙々と食事を済ませ書斎に移動した。




食後の紅茶を持ってきた侍女が下がるとランバートは孫娘に話すよう促した。


「ことのおこりは、大通りを歩いてた少女に路地から出てきた男爵の馬鹿息子がぶつかったことらしいわ」


「馬鹿息子とは穏やかじゃないな」


「話を最後まで聞けばわかるわよ」


っと頬をふくらませ続きを話し始めた。


「馬鹿息子は少女をなじった挙句に供の者に切り殺させようとしたの」


「なにっ それで?」


「間一髪で旅の狩人の少年が飛び込んで少女を助けてくれたらしいの。

少年は少女を直ぐに逃がしてくれて馬鹿息子に文句を言ったらしいわ」


「少女は無事じゃったんじゃな?」


「うん 少女はそのまま衛士隊に助けを求めて駆け込んできたわ。

私も明日の警備のことでその場にいたから衛士達と一緒に現場に駆けつけたわ」


「それで取り押さえたのか?」


「私達が駆けつけるまでの間に、馬鹿息子はまた供の者に殺すよう命じたらしいの」


「それで?」


「少年は一人を投げ飛ばして気絶させたんだけど、もう一人の供が魔術で火球を放ったらしいわ。

それを少年の連れていた子狼がはじき返して魔術士を気絶させたって聞いたわ」


「なんと愚かな……」


「それでも懲りない馬鹿息子は自分で剣を抜いて襲い掛かったらしいけど逆に殴り飛ばされたようね」


「どうしようもない馬鹿者だな」


「そのあと少年が馬鹿息子に説教をしたの


『君も貴族の子息なら、よく覚えておきなさい。

貴族とは領民を守ることと引き換えに地位を与えられてるんだ。

領民を苦しめるような領主は最早貴族の資格すらない!』


ってね」


「なんと!?」


「それでも馬鹿息子は、私の婿になって公爵家を継ぐとか、少年の一族を皆殺しにするとか喚いていたわ」


「はぁ~?」


「到着した私にも剣を向けてきたから、公爵家に対する宣戦布告と受け取って良いのだな?と言ってやったら土下座して謝ってきたわ」


「よく言った!!」


「馬鹿息子を怖がらせたのは、私だけじゃないわよ うふふ」


「お前より怖いもの知らずはいないだろうに……」


「失礼ねっ!!でも少年はね


『僕はこの領地の人間じゃないよ。

『魔狼の森』にくれば僕やシロの一族が相手にしてあげるよ。

魔狼の群れを相手に戦う気があるならいつでも相手になるよ』


と言い放ったの 私でも怖かったわ」


「『魔狼の森』に手をだせば『神狼』まで敵に回してしまう。

そんな無茶ワシでもできんわいっ!!」


「まあ こんなことがあったから馬鹿息子達を領地から追い出したってわけ」


「よしわかった。お前の判断は間違っていない」


「でしょ」


「その少年には会ってみたいのぉ」


「そういうと思って明日見学に来たら受付で名前を言うように言っておいたわ」


「でかしたっ!!」


「すっごい美少年なのっ!!あんな綺麗な人間がいたなんて信じれないわ!!」


「公爵家の姫としての自覚をわすれるなよ。

お前の婿はワシのメガネにかなわなきゃダメだぞ」


「私より強い……できればお爺様より強い婿をさがしてよ!!顔も性格も良くないとだめよ!!」


「おう まかせとけっ!大陸中から探してやるっ!!」


仲の良い爺孫であった。

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