第37話 プロポーズ
チャッピー(ChatGPT)にて執筆し手直ししたものを掲載しています
ある日仕事が終わると、ようさんが迎えにきてくれていた。
「おつかれさん。今日も頑張ったな」
「うん、ありがと。なんか、あっという間やった」
そう言いながら助手席に乗り込む。新しい職場にも少しずつ慣れて、緊張の糸がゆるんでいくのが分かる。慣れるってすごいことやなって、最近ようやく思えるようになってきた。
最近ずっとようさんのアパートに帰っていて自分の家に帰ったのはいつか忘れてしまうほどだった。
「なあ、ちょっと寄りたいとこあるんやけど」
「どこ行くん?」
「まあ、ついてきて」
車を走らせるようさんの横顔を見ながら、どこかで予感してた。行き先は、何度もふたりで訪れたあのカフェやった。
店の扉を開けると、店員さんがにこやかに出迎えてくれる。何度か通った顔ぶれが、どこか懐かしくてあたたかい。
「いつもの席、空いてるみたいやな」
奥の窓際、ふたりでよく座ったテーブルに案内される。注文を済ませると、ようさんはいつもより少し落ち着かない様子で、テーブルの上の手を指でなぞっていた。
「けいちゃん」
「うん?」
「今まで、俺にいっぱい付き合ってくれてありがとう」
急にまじめな声。冗談やおどけた表情は一切なくて、思わず背筋が伸びる。
「最初は、自分がこんなふうに人を好きになれるなんて思ってなかった。 けど、けいちゃんといるうちに、少しずつ自分が変わっていくのを感じた」
「ようさん…」
「俺と、一緒に人生を歩んでくれませんか」
カップの向こう、まっすぐな目でそう言われた。
どれだけ待ち望んでいた言葉だったろう。なのに、思わず言葉に詰まる。
「私なんかで、いいの?」
「いいに決まってるやん。 俺は、けいちゃんがいい。 どんな過去があっても、どんな不安があっても、全部受け止めたいと思ったんよ」
声が震えた。心の奥まで染み込むような言葉やった。
「ありがとう。 ようさんがいてくれたから、私も自分のこと、ちょっとだけ好きになれた気がする。 転職も、そのつもりで決めたんよ。全部、ようさんと一緒に生きたいから。 だから、これからもよろしくね」
そう言って、笑顔で頷いた。
外に出ると、夕暮れが海に滲んでいた。
「ちょっとだけ、寄ってく?」
「うん」
ふたりでいつもの海辺のベンチに腰掛ける。風が心地よくて、肩を寄せると、自然と指先が絡まった。
「未来のこと、少しずつ決めていこうな」
「うん。派手なことじゃなくていいから、毎日笑って暮らせたら、それだけで幸せやと思う」
「それ、めっちゃええやん」
「って言うかその前に呼び方…ずっとけいちゃんだけどいいの?」
そうおどけていうと、ようさんは驚いたような顔をした。
「そうか、たしかに。けいちゃんだけどけいちゃんじゃないのか。俺の中でけいちゃんがしっくり来すぎて考えたこと無かった」
「じゃあ今日から祐希ね」
「わかった」
海の音が静かに響く。
大切な人と描く明日。その始まりを、今、ここでふたりで迎えてる気がした。
一旦ここでこの話は終了です。描きたくなったら続きを作成しようと思います。お付き合いありがとうございました。