Episode74「ダークスネーク」
ダークスネークは漆黒の鱗に覆われた巨大な魔獣で、身体の長さは軽く20メートルを超える。
その目は紅蓮に光り、牙からは毒が滴る。
「まさか、本当に魔獣を使ってくるとは……」
カイルは苦々しく呟いた。
帝国軍の中には、魔獣を操る異端の魔導士たちがいるという噂があったが、実際に目の当たりにするのは初めてだった。
「逃げろ!! あんなのに勝てるわけがない!!!」
兵士たちが動揺する中、ダークスネークは巨大な尾を振るい、前哨基地の外壁を木端微塵に打ち砕いた。
「ギャアアア!!」
無数の兵士が吹き飛ばされ、テントや武器庫が崩壊していく。
「くそっ……戦える奴は応戦しろ!!」
レックスが叫ぶが、動揺した兵士たちはなかなか立ち上がれない。
「だったら……俺たちがやるしかねぇ!」
カイルは剣を構え、戦闘態勢を取る。
すると、ノア、ローラ、エリスも次々に魔法の詠唱を始めた。
4人はあちこちを飛び回り、ダークスネークを翻弄しようとする。しかし、突如としてダークスネークの毒牙が光り、口から黒紫色の霧が噴射される。
「なんだ、この霧は……!!」
「あっ…!」
ノアとエリスがその霧を吸い込んだ瞬間、身体がピタリと動かなくなった。
「ノア!? エリス!!」
ローラが叫ぶが、2人はまるで金縛りにあったように動けなくなり、顔色もみるみる青ざめていく…。
To be continued…




