Episode7「ラッキー男」
ノアとローラはカイルを救出し、三人体制での新たな旅を始めるが…
三人で歩いていると、突然空が黒くなった。そしてすぐにポツポツと、しだいに大雨になった。
「あそこで雨宿りしよう!」
そこは古びた遺跡だった。屋根や三人が寝転べるほどのスペースがあり、風通しもよく雨宿りには最適だった。
「なんで俺なんかを助けたんだ…?」
とカイルが訪ねた。
「考えてみろよ、あんなボロボロの人が目の前に倒れてるんだぜ。助けないわけにいかないだろ。」
「それに、私達も危険だったしね。」
雨は次第に雷を伴い、しばらく止む気配がなかった。
「なあカイル、俺はある理由があってローラと王国中を旅しているんだ。お前もついてくるか?」
ノアはカイルを旅に誘った。
「ある理由…?」
「俺の両親の死の真相を解き明かしたいんだ。」
カイルは少し戸惑った。だが、旅について行ってあちこち移動すれば、ハンターたちの目から逃れるかもしれない。
「よし、俺もついていこう。」
こうして三人体制での旅が始まった。
雨は轟音を立て、道が川のようになっていた。
「なかなか止まないな…」
「気長に待ちましょう。」
雨宿りも少し退屈になってきたころだった。ノアが寝転ぼうと手を後ろにやると、箱のようなものが手に当たった。
「な、なにこれ。宝箱か?」
三人で一斉に箱を開けると、その中には魔導書と小型の斧のようなものが入っていた。
「こ、これは数百年前の魔導書と、聖なる斧じゃないか!」
カイルはその存在を知っていたようだった。
「強力な呪文が記されている魔導書と、貴重な斧だよ。」
「よし、これは持っておこう。」
その魔導書と小さな斧を鞄にしまった。
王家の紋章が刻まれていることも知らずに…
To be continued...




