Episode68「ローラの決意」
「外の空気でも吸いに行くか。」
ノアの提案で、4人は基地の周囲を軽く探索することに。訓練場では新
兵たちが剣の稽古をしており、ノアたちも見学することに。
基地裏手には、小さな湖が広がっている。
「…こんな場所があったのか。」
「水が綺麗…!」
「戦場付近とは思えないくらい、静かだな…。」
何気ない時間だったが、こうして普通の会話をすることすら久しぶりだった。
王国軍の基地、寮の一室。夜は更け、静寂が広がる中、
「すぅ……すぅ……」
ノアの穏やかな寝息が部屋に響く。彼はかなりのロングスリーパー。誰よりも早く寝て、誰よりも長く眠っていた。
そんな中、ローラはエリスとカイルを部屋の隅に呼び寄せ、小声で話し始めた。
「ねぇ、カイル、エリス……。あたし、決めたの。」
「ん? 何を?」
「戦争が終わったら……ノアに告白する。」
「きゃあああ!! ついに来たーーっ!!」
「いやいやいや、まじか!ついに…!?」
カイルとエリスは深夜テンションもあって、大はしゃぎだ。
「ねぇ、どんなシチュエーションで言うの??」
「そ、それは…」
「うわ…想像したら鳥肌立ってきた…」
「ねぇねぇ、どうする?ノアがめちゃくちゃ鈍感で気づかなかったら?」
「…覚悟してる。」
「いや、アイツマジで全てにおいて鈍いからな…むしろ、どうやって気づかせるかを考えた方がいいかもな?」
ノアはありえないぐらい鈍感だ。
「そうそう! 例えば、戦争が終わったらどこか綺麗な場所で「ずっと前から好きだったの!」って!!」
「うぅ…恥ずかしいけど……でも、それくらいしないとノアには伝わらないかもね。」
「まぁ、そもそも戦争を終わらせないといけないけどな。」
「それな!!」
3人は恋バナで異様に盛り上がった。まるで、戦時中であることを忘れるかのように。
To be continued…
ゴキブリ
4人が街道を歩いていると、突如として現れたのは、何とも不快な存在…ゴキブリ!その姿を見た瞬間、街道を歩いていたはずの4人の反応は予想以上にカオスだった。
ローラ「いやぁぁぁああああ!!!!」
カイル「うわ!!!びっくりした!!!」
エリス「誰か、誰かぁー!!!」
ノア「ゴキブリごときで騒ぎすぎなんだよ…」
ノアは、何とも無表情でそのゴキブリを見下ろし、冷静に一歩踏み出した。そして、そのまま
ぺしゃん
ゴキブリはあっけなく潰され、ノアはそのまま足元に残ったものを一瞥した。
ノア「ほら、これで解決だ。大したことないだろ。」
その場にいた全員が絶句。まるで何もなかったかのように、ノアは次の一歩を踏み出す。誰も何も言わず、まるで日常の一コマのように、旅は再開された。
ローラ「……はぁ、もう本当にノアは。」
カイル「うーわ、気持ち悪い奴だなお前はぁ!お前、普通なら絶対触らないだろ!」
エリス「どうして、こういうときは無駄に冷静なの…?」




