Episode67「束の間」
周りの兵士たちは移動準備に取り掛かる中、ガーランドが話しかけてきた。
「君たちはまだ完全に動けないだろう。万事において無理は禁物だ。だから、あと数日は基地でゆっくり休んでいてくれ。」
王国軍の上官であるガーランド大尉は、そう告げると4人をじっと見つめた。
「だが、忘れるな。戦争は待ってくれない。君たちは、戦う覚悟があるのだろう?」
ノアたちは、その言葉の重みを噛み締めながらも頷く。
戦時中に「休暇」がもらえるという状況が、逆に彼らの胸をざわつかせた。
しかし、それでも与えられた3日間をどう過ごすかは自由だった。
基地の寮の一角、窓から差し込む光が柔らかい。
これまでの旅と戦闘の疲れを癒すように、4人は思い思いの時間を過ごした。
「今日は何も考えたくない…」
とノアは言い、ひたすら寝ていた。
ローラは兵士たちと交流し、戦時中の話を聞きながら「普通の生活」の温もりを感じていた。
カイル は訓練場の隅で軽いリハビリ。
「…動かないと落ち着かないぜ」
とぼやきながらも、無理はしない。
エリスは基地の食堂で料理を手伝っていた。戦場の飯に興味を持ち、兵士たちと楽しく談笑。
「このスープ、美味しい! どうやって作るの?」
「はは、秘密だ。戦場でも食えるように工夫してるんだよ。」
「なるほどねぇ…! 戦場メシの奥深さを知ったわ!」
To be continued…
《王城の門番》
・王都の正門は、24時間体制で門番が警備している。
・武器は短剣と魔導杖の二刀流。魔力感知もできる精鋭たち。
・毎朝「朝の詩」と呼ばれる詠唱で一日を始めるのが伝統。
カイル「おいローラ、門番が歌い出したぞ?朝から元気だな!」
ローラ「“朝の詩”よ。王都では立派な伝統なの。……って、聞きながら口ずさんでない?」
カイル「お、バレた?」
ローラ「音程がズレてるわよ。」




