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Chronosphere 〜貴方を殺めた世界に、花束を〜  作者: サム
第一章「旅立ち、そして仲間」
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Episode6「追われる剣士」

ノアとローラは遂に王国の旅を始める。

たが、賞金首でハンターたちから追われる剣士「カイル」が現れ…

「た、頼むから俺には近づかないで…!早く逃げろ!」

その少年は必死にここから立ち去るように呼びかけていた。

「ボロボロじゃないか、誰にやられたんだ?!」

「いいから逃げろと言っているんだ!」

少年は聞く耳を持たなかった。

「きっと恐怖で気が動転してるのよ。大丈夫よ、今助けるわ!」

そうローラが優しく語りかけて腕を伸ばしたとき、矢が少年の足元に落ち、怒号が響いた。

「いたぞ、あいつだ!!」

「よし、今すぐ殺すんだ!」


屋根の上には巨大な弓を持った男たちが立っていた。ハンターだろうか。それにしても、なぜ賞金首にされているんだろうか。

「さあ。早く逃げるぞ!」

ノアは少年を担ぎ、ローラとその場から逃げ出した。

「あ、あの男女はなんだ?仲間か?もういい、ついでに仕留めてやる!」

ハンターたちが一斉に弓を構えて矢を発射した。矢は全て足元に刺さり、なんとか走りながら避けた。三人は路地の裏に隠れた。


ノアは少年をおろし、尋ねた。

「な、なんだあのハンターたちは。なぜ追われているんだ?」

「俺はカイル・セレーノ。王国の脱走兵だから賞金首にかけられている。さっきは助けてくれてありがとう。」

ノアとローラは驚嘆した。脱走兵だって。一体なにがあったというのだろうか。だが、今はそれどころではない。ハンターたちが血眼になって探している。

「どこにいった。出てこい!」

このままでは見つかって殺されてしまう。そこで、ノアはある作戦を考えた。

「俺が囮になる!それでお前たちは…」

そう語っていた途中、ノアは上から目線を感じた。見上げると、ハンターたちに囲まれていた。


「カイル・セレーノ。貴様は脱走兵として、捕縛もしくは殺害の対象になっているぞ。」

そう言うや否や、彼らは一斉に剣を抜いた。周りには剣と鞘がこすれ合う金属音が鳴り響いた。

「くっ、ここまでか…もう終わりだ…」

カイルはそう嘆いた。

「ノア、ど、どうしよう…」

ローラも既に体力・精神共に限界の状況だ。ノアも必死に頭を回転させた。すると、ノアは一瞬、自分自身と同じものを見た。何かを抱え、逃げ続ける姿は自分とそっくりだったのだ。


「ローラ、カイルを守っていてくれ。俺がやる。」

そう言い放ち、ノアは二人の前に立ち剣を抜いた。

「なんだ貴様は!!」

ハンターの一人が声を荒げた。

「戦いたくないのに戦わされるのはごめんだよ。」

ノアは凛々しく返事し、構えた。

「よし、こいつら諸共殺せ!」

ハンターたちは一斉にノアに飛びかかった。ノアはなんの動揺もせずに呪文を唱えた。

「ウェントゥス・テンペスタス!!」

ノアの前には旋風が発生し、ハンターたちを吹き飛ばした。

「うわあああああ!」

だが、ハンターたちはすぐに立ち上がり剣を持って突進してきた。その場には剣同士が擦れ合う甲高い音が鳴り響いた。


「ローラ、早く行け!!」

ローラはカイルと一緒に全力で走り出した。それにはハンターたちも気付いていた。

「カイルが逃げ出したぞ!追え!」

ハンターたちはノアとの戦闘をやめ、ローラとカイルに向かって走り始めた。

「ま、まずい!イグニス・チェンノイド!!!」

ノアの手からは緑の炎でできたチェーンが放たれ、ハンターたちを縛り付けた。

「ぐぬぅ、もう少しだったのに… 覚えてろよ!!!!」

ノアはローラとカイルを連れ、その場から一目散に立ち去った。


To be continued...

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