Episode59「全線」
4人は、傷ついた兵士たちからある情報を得る。
「もう、国境付近で戦いは始まってる。国境の帝国の前線基地には、既に高官たちが集結してるらしい。」
帝国軍の前線基地が、王国との国境付近に設置されているという。そこには戦争を指揮する帝国の高官がいるらしい。
「もしそこに父さんの情報があるなら…!」
ノアたちは、帝国の前線基地への潜入を試みる決意を固める。
だが、そこへ向かう道中には戦場が広がり、すでに王国軍と帝国軍の激突が始まっていた…
4人は帝国の高官がいると言われている基地への移動を始めた。だが、その道中では激しい戦闘がおこなわれていた。
王国軍と帝国軍が激突する戦場の中心。
「やむを得ないが、一時的に王国軍に加勢するぞ…!」
4人はとっさの判断で王国軍側に加勢し、応戦することを決める。
「戦わないと、ここで死ぬ!」
帝国軍の猛攻を受けながらも、必死に立ち回るノアたち。
戦闘のさなか、一人の若い兵士がカイルの顔を認めた。
「お、お前…まさか……」
「……!!」
To be continued…
ローラの苦手なもの
実は――ローラは“猫”がちょっぴり苦手である。
理由はというと、幼いころのある事件にまでさかのぼる。
その日、幼きローラはお気に入りの焼き菓子を手に、嬉しそうに庭へ出ていた。
「ふふっ、今日のおやつはこれ~♪」
だが次の瞬間。
草むらから、ぴょこんと一匹の猫が飛び出した。
「にゃっ!」
そしてお菓子を見事に強奪。
「ああああああー!!!」
その日、ローラの心に深い傷が刻まれたという。
「……あの鋭い目とか、手際の良さとか……なんか、ダメなのよ」
と、やや気まずそうに打ち明けるローラ。
その足元に、どこからともなくぴょこんと野良猫が現れる。
「にゃあ?」
「ひゃっ!? い、今の聞いてた!?」
ノアは苦笑し、
カイルは「猫、強ぇ……」と小声でつぶやき、
エリスは遠くへ走っていく猫の背を見つめながら、ぼそりと。
「……逃げたの、ローラのほうだけどね」
──猫との和解の日は、果たして来るのだろうか。




