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Chronosphere 〜貴方を殺めた世界に、花束を〜  作者: サム
第六章「王都編」
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Episode55「父」

「ノア、そしてみんな。クラウディオだ。カルロスから緊急でノアに伝えたいことがあるらしい。俺が仲介役となってこの手紙を出している。心して読んでくれ。そして、みんなの無事を切に願う。」

「……!」


ノアは驚き、手紙をしっかりと握りしめる。カルロスが重要な情報を持っているということは分かった。だが、次の一行が彼の心をさらに重くする。


「カルロスだ。お前が今感じている絶望を少しでも和らげたいが、伝えなければならないことがある。ついさっき判明したんだが、お前が幼少期に巻き込まれた列車爆破事件、あれはただのテロではない。」


「っ!!!!」

ノアの顔色が変わり、手が震えた。まさか、あの事件の裏に隠された真実があったなんて思ってもいなかった。


「あれは帝国が仕掛けた確信的な暗殺計画だったのさ。お前の父親は、帝国のヤツらにとってとても重大な存在だった。列車の爆破は、彼を殺すために仕掛けられたものだ。」


4人は手紙の内容に衝撃を受けた。

「要人暗殺のついでに一般人まで巻き込むとはな…。」

「そんなの、ひどいわ!!!」


ノアの胸はますます苦しくなり、思わず息を呑む。父が無実の人々と共に命を落とさせられたことが分かった瞬間、彼の心はズタズタに引き裂かれた…


To be continued…

豆知識:魔鳥



王国郵便局のエース配達員、それが魔鳥まちょう

鮮やかな羽を広げて空を駆け、驚異的な飛行能力・視力・記憶力を誇る賢い鳥。

しかも届け先の顔もきちんと覚えるという、まさに生きた高性能配達機。


…ただし。

道中で気になる木の実を見つけては寄り道することも多く、

配達が遅れた際は、怒った魔導局職員により「転移陣装置」で強制送還されるのがお約束。


カイル「ったく、うちの荷物まだ届かねーのかよ。魔鳥、サボってんじゃねーの?」

ローラ「昨日、局の人が言ってたよ。“あの子、道草食って送還3回目なんです…”って」

カイル「常習犯かよ!!」

ローラ「でも可愛いからって許しちゃうらしいよ」

カイル「許すな!!」

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