Episode49「男の談義と女子会」
王都への道のりはもう半分もない。一行はとある森の中で野営することになった。ローラとエリスは早めにテントへ入り、ノアとカイルは見張り役として焚き火を囲んでいた。
「……いやーぁ、静かだな。」
「確かに、昼間の雰囲気が嘘みたいだ。」
2人はしばらく無言のまま火の揺らめきを見つめた。カイルが薪をくべながら話し
始める。
「これからどう動くつもりなんだ?」
「王都に戻ったら、まずは戦争を止めるため情報を整理することからかな。」
「戦争か…クソったれが。庶民も巻き込まれて、結局一番苦しむのは弱いヤツらなんだ。」
「カイル、そういうこと、結構考えるんだな。」
ノアはカイルの意外な一面に驚く。
「は? 俺が何も考えてないと思ってたのか?」
「いや、まぁ…。笑」
「今 ちょっとは考えてたんだな って思っただろ!」
「悪い悪い。いや、結構冷静に考えてるんだなって。」
「俺はこう見えても、生きるための計算は得意なんだよ!」
ノアは、足元にあった小石を指で弾いた。小石は焚き火の真ん中へ飛んでいき、正確に火の中へ落ちた。
「……お前、それ、今の狙ってやったのか?」
「細かい技術にはちょっと自信あるんだ。」
「ほぉ、じゃあ、次の町に行ったらコイントスでもやるか?」
「俺をギャンブラーにする気か?笑笑」
ノアたちが焚き火の前で雑談している頃、テントの中では女子だけの時間が始まっていた。
「ねぇねぇ、ローラってノアのこと大好きなんでしょ?」
「な、なななななな、何を突然!?」
エリスはクスクス笑いながら、ローラの顔を覗き込んだ。
「だってさぁ、いつもノアを気にしてるし、目で追ってるし、すぐ世話焼くし!」
「それは…その…。」
「告白しちゃえば?」
「む、無理無理無理無理!!! ノアはそういうの全然分かってないんだから!」
一段落し、エリスが真剣な顔をした。
「ん? どうしたの?」
「私、ちゃんとした ‘夢’ ってないなって思って。」
エリスは、これまで盗賊団で生きてきたため「未来への夢」 について考えたことがなかった。
「カイルみたいに ‘生きるため’ じゃなくて、ちゃんと ‘何かのため’ に生きるって、どんな感じなんだろうって……。」
ローラは少し考え、微笑んで言った。
「だったら、今から見つければいいんじゃない?」
「え?」
「私も最初は ‘何がしたいか’ 分からなかった。でも、ノアたちと旅してるうちに自分にできることを見つけたいって思うようになったの。」
エリスは目を丸くして、やがて少し笑う。彼女の目には涙が浮かんでいた。
「そっか。うん、私も何か見つけてみようかな。」
To be continued…
野営
主な利用者:旅人、冒険家、兵士など。移動や探索の途中で宿泊施設を使わず、屋外で夜を明かすために行う。
野営場所:森林、草原、山間部、廃墟跡地など、場所は多岐にわたる。周囲の安全性や水源の有無を確認してから設営するのが基本。
設営内容:
・簡易テントや寝袋を使って寝床を確保。
・旅人や冒険家は火を起こして、調理や暖を取ることが多い。
・食事は保存食や採取した食材を簡易に調理。
兵士の場合:
・原則、敵に居場所がばれるのを避けるため焚き火は使用しない(寒冷地や特殊任務時を除く)。
・隊列を組んでの交代見張り、物音への警戒、周囲への結界魔法の設置など、警備体制が厳重。
注意点:
・天候の急変や魔獣の襲撃など、自然の脅威に対する備えが必要。
・村や町に近い場所では、勝手な野営が禁止されていることもある。




