Episode4「王都での騒動」
ノアとローラは、ついに王都に辿り着き、少し観光を楽しんでいた。背後から迫りくる影に気づかずに…
ノアとローラは王都で楽しく観光をしていた。背後から迫りくる影に気づかずに…
「こんなにでかい駅初めてみたなぁ、すごすぎる。」
田舎者のノアは腰を抜かした。
「こんなのまだまだ序の口よ。」
そんな会話をしているときだった。
「あ、危ない!伏せろ!」
ノアが何かを感知したように、ローラをかばって伏せた。その直後、頭上に巨大な矢が通過していった。
「ちっ、もう少しタイミングが遅ければ当たったのに、あぁ…」
その人物は黒装束で、道中遭遇した盗賊団と全く同じ服装をしていた。
「お前らかぁ、私の手下をコテンパンにしたのは…」
どうやら彼は、盗賊団のボスのようだった。
「急になんだ!!」
ノアは威勢よく答えた。
「なんだとはなんだ!私はデモス。今からお前たちを殺す!サモン!!」
彼はそう叫び、背中にドラゴンのような翼を生やしてこちらに突進してきた。
「あれは変身魔法よ!よけて!」
ノアとローラはすれすれで回避した。
「ローラ、ここから早く逃げよう!」
ノアとローラはほうきに乗り、王都を舞台にした逃走劇が始まった。
「かなりスピードを出すぞ、しっかり捕まってろ!!」
ノアは今までに出したことのないスピードを出して王都の上空を飛行した。しかも、不慣れなほうきの飛行魔法で。
「な、なんだあれ?魔法使い同士が追いかけっこしてるぞ」
市民たちは上を見上げ、ノアたちの逃走劇を不思議そうに見守っていた。
「ガハハハ、私から逃げられると思うなよ!!どこまで逃げられるかな?」
デモスはすぐそこまで迫ってきていた。
「こうなったらこうだ!」
ノアは速度を保ったまま急上昇し、大聖堂の屋根をかすめた。そして今度は急降下し、王都の城壁に沿って高速飛行を続けた。デモスは口を開いた。
「お前、かなりしぶといなぁ。こうなったらこれを使うしかないようだな。トニトゥルア・カテナ!!!」
彼の手からは光線が発射され、二人に直撃した。
「うわあああああああ!!」
二人は木の葉のように宙を舞い、建国記念公園に墜落した。
「見ろよあの子たちを。あんなに高いところから落ちてきたぞ。」
「それにしても、この子らを追っているあいつは誰なんだ?」
公園にいた市民たちは、突然の出来事にざわつき始めた。
そして、すぐにデモスが降下してきた。
「ここで追いかけっこは終わりだ!!」
デモスは腕を二人の方向に向けた。
「ま、まずい…もう終わりだ…」
ノアが諦めかけたときだった。
「テラ・スピクルム!!」
ローラが呪文を唱えた。その直後、地面から無数の岩槍が発生した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ?!」
岩槍はデモスに直撃し、彼は吹き飛ばされた。
「ろ、ローラ!魔法が使えたのか?!」
「基本的な攻撃魔法なら使えるわ。」
この事実にノアはすこし驚いた。だが、デモスをまだた。彼は額から出た血を拭い、
「ぐぬぅ、このクソガキめ!今度こそぶっ殺してやる!!テネブラエ・ウンブラ!!」
彼の手のひらから闇の刃が出現し、ノアの左腕に突き刺さった。
「ぐああああ…」
「ノア、大丈夫なの?しっかり!!」
傷口からはかなり血が出ている。
「あれ大丈夫なのか?」
「なぁ、あの黒装束のヤツって、もしかして…」
市民も不安になり始め、パニックになる者もいた。市民たちはデモスのことを知っているような素振りをみせた。
「ローラ、俺は大丈夫だ… 二人で一斉に魔法攻撃を繰り出してデモスを倒そう…」
ローラはこくりと頷いた。
「んっ?」
デモスが二人の異変に気づきはじめた。
「ポトスターズ・デュオナス!!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
二人が同時に繰り出した魔法は、デモスを焼き尽くした。そう、この魔法は二人の魔力を混ぜ合わせて繰り出す「共同魔法攻撃」というものなのだ。魔力こそ消費するものの、とても強力なのである。
すると、市民からは歓声が上がった。
「うわぁ、すげぇ!ついに少年少女が極悪人を倒したぞ!」
「これは将来大物になるぞ!!」
「極悪人…?」
二人は疑問を抱きながら、ノアはローラから回復魔法で治療を受けた。すると、背後から一人の男が拍手をしながら寄ってきた。
「ははは。君たち、なかなか大したもんじゃないか。戦士としての素質があるようだな!!」
to be continued…




