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Chronosphere 〜貴方を殺めた世界に、花束を〜  作者: サム
第一章「旅立ち、そして仲間」
3/74

Episode3「王都へ」

ノアは恩師クラウディオの元を去り、王都への旅を始める。だが途中で盗賊団と謎の少女に遭遇し…

ノアはクラウディオの家を後にし、王都「ミャレーゼ」へ向かう旅を始めた。村から王都へは、街道でつながっている。ノアは街道をつたって王都への移動を開始した。

道中、すれ違った旅人から話しかけられた。

「お前さん、あっちのほうへ行くのか?」

「はい、そうです。どうかしたんですか?」

「いや、この先で盗賊たちが暴れまわっているらしいんだ。気をつけてくれ。」

「なんだって?」

ノアは声を荒げた。

「とにかくあまり行かないほうがいい。」

「俺はどうしても行かなければならないんだ。」

「わかった。十分に気をつけるんだぞ。」


しばらくすると、黒装束の集団と鉢合わせになった。

「誰だ、お前は。ここから先は通さないぞ。」

集団は誰かを取り囲むように立っていた。その中を覗くと、謎の少女が倒れ込んでいた。少女は自分と同じぐらいの年齢に見えた。

「何してるんだ!」

ノアは再び声を荒げた。そこでリーダー格の人物が口を開いた。

「何してるかだって?この小娘をよく見てみろ。左肩から左胸にかけて謎の傷があるだろ?この傷が入っている人間はかなりの希少価値があって、高額で売れるんだよ。」


確かに、その少女には紋様のような傷が広がっていた。

「人身売買は絶対にあってはならないことだ!お前たちは今に天罰が下るだろう!」

ノアはそう叫んだ。

「ぐぬぅ…何を言う!野郎共、かかれぇ!!」

リーダー格の人物がそう叫び、いっせいにノアに飛びかかった。ノアは怯まず、

「インフェルノ・テンペスタス!!」

と呪文を唱えた。

「な、なんだ?!」

ノアの手から強力なビームが発射され、盗賊たちを焼き尽くした。この炎のエネルギーを凝縮させたビームは、クラウディオから教わった魔法で一番得意とするものだった。

「ぎゃああああああ!!」

盗賊たちが倒れ込んでいる間に、ノアは少女の手を握って逃げ出した。


全速力で走り、雑木林の中に隠れこんだ。

「助けてくれてありがとう…」

少女が口を開いた。

「あぁ、無事でよかった… 言うのを忘れていたが、俺の名前はノア。よろしく。」

「私の名前はローラ。なんで私を助けてくれたの?」

「だって、あんな状況でローラをほっとくわけにもいかないだろう。ところで君、なぜそんな傷があるんだい?」

ローラは少し表情を暗くして言った。

「私は、幼い頃に、闇の商人に心臓に呪いをかけられたの。これはそのときにできた傷よ。解呪薬を飲んでいるけど、魔法医者によるといつ心臓が止まってもおかしくないって…」


ローラの目に涙が浮かんだ。

「そうか、それは辛いな… 聞いてごめんな」

「うん…」

「俺は、帝国の連中に殺された両親の敵を討つために、王都に行かなければならない。ローラもついてくるか?」

ノアはそう語りかけた。

「私も、この傷の真相を知りたい…!」

二人の利害が一致し、ともに旅を始めることになった。


草原や険しい山などを超え、ついに王都の城壁が見えてきた。

「ああ、王都だ。やっとたどり着いたぞ!!」

二人は喜び合い、王都の大正門をくぐった。

「こ、これが王都か…大都会じゃないか!」

ノアは、はずれの山間部の村出身で、王都に来たのは初めてだという。

「ノア、王都に来たことないの?私が案内してあげるわ」

ノアは、ローラに案内を任せることにした。


「ここがキングスミャレーゼ駅よ。クロノスフィア鉄道本線の終着駅で、1日で8万人ぐらいが利用してるって言うわ」

「ほへー…、こんなにでかい駅はじめてみた…」

「あはは、こんなの序の口よ」

ノアとローラは王都を楽しく観光していた。後ろから迫る影に気づかずに…

to be continued

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