Episode21「ヴェルサンド」
「貴族の街か…」
「貴族同士での権力争いが激化してるって…」
ヴェルサンドには一般人は立ち入ることができないが、何か重要情報を手に入れることができるのは確かだった。
「村の人たちによると、そこでは重要な取引が行われているらしいわね…」
四人は、通りかかった行商人にも詳しく話を聞いてみた。
「ヴェルサンドはなあ、美しい貴族が住む華やかな街だと思うだろ?裏では貴族同士での権力争いや紛争が耐えないんだ。前のマルカスみたいに、変な取引もしているらしいしなあ。」
「け、権力争い、変な取引…?」
「ああ、なんでも王国派と反王国派に別れているらしいな。」
どうやら、そこでは政治的な対立が行われているそうだ。
「せ、政治的なことまで絡んでいるなんて…」
「あんたたち、もしかしてヴェルサンドへ行こうってのか?」
「ああ、そうだ。」
「一般人は立ち入ることはできないぞ。だが、貴族に誠を証明すれば中心部まで入れるらしいな。」
「誠を証明…」
「そうだ。推薦状をもらったりしたら素人でも入ることができるぞ。」
そしてその夜、ローラは毎晩服用する必要のある解呪薬を服用していた。まだ事情を知らないエリスが問いかけた。
「ねえローラ、なにそれ…?」
「この傷を見て。随分前だけど、私は前に心臓に呪いをかけられたの。その呪いを解くためにこの薬を飲んでる。」
「そうなんだ… 大変だね…」
「でも、いつかきっと解けると思ってるわ。私の行く先もない心のように…」
To be continued…




