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Chronosphere 〜貴方を殺めた世界に、花束を〜  作者: サム
第一章「旅立ち、そして仲間」
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Episode2「魔道士」

村へ迷い込んだノアは、魔道士「クラウディオ」に保護される。ノアは彼の元で修行を積むことを決意する!

「ようやく目が覚めたか。道端にぶっ倒れていたから心配したよ。意識がもどってよかったぜ」

そこには、ヒゲを生やした中年の男が立っていた。

「だ、誰…?」

「ああ、自己紹介を忘れていたな。オレの名前はクラウディオ。クラウディオ・ラバルだ。この村の魔道士だ。」

「あぁ、俺はノア。よろしく」

とノアはすこし不安げに話した。

「ところで、なぜお前さんはそんなにボロボロなんだ?」

クラウディオがそう訪ねた。

「俺が乗っていた列車が急に爆発して両親を亡くしたんだ。とにかく人のいる場所を求めてここまで来たんだ」


クラウディオはきょとんとした目でノアを見た。

「ま、まさか!あの事件に巻き込まれたのか?!」

「あの事件って?」

「知らないのか?あの列車の爆発事件の容疑者はもう逮捕されてる。容疑者はザジャル人らしいな」

ノアに激震が走った。まさかザジャルの仕業なんて思ってもいなかった。

「くそっ、くそっ!!ザジャルめ!!」

ノアは頭をかきむしって涙した。クラウディオはノアを抱擁した。


「クラウディオ、お願いがあるんだ。俺をここに住まわせてほしい。俺にはもう帰る家がないんだ。頼むよ、お願いだ。」

ノアは懇願した。

「わかった、いいだろう。俺がお前を全力でサポートするよ」

これで、ノアとクラウディオの二人暮らしが始まった。ノアは家事やを手伝うという条件で住まわせてもらうことになった。

「さて今日は買い出しか」

ノアは買い物・風呂掃除・料理の手伝いなど、いろいろな家事をせっせとこなし、クラウディオとの信頼も徐々に深まっていった。


そして1ヶ月が経ったある日の朝。

「やぁノア。調子はどうだい?」

「おはようクラウディオ。調子はばっちりだよ。」

「あぁ、それはよかった。さあ早くこないとパンが冷めるぞ。」

いつもの会話の流れにのって、ノアは言った。

「クラウディオ、頼みがあるんだけど。」

「なんだノア、なんでも聞くぜ。」

「俺に…俺に魔法を教えてほしいんだ。」

突然の頼み事に、クラウディオは少し戸惑った。

「俺は魔法を使えるようになって、あの事件の真相を探りたいんだ」

その純粋な眼差しに、クラウディオは心を動かされた。

「いいだろう、俺の弟子として認めよう!」


まずクラウディオは、魔力を解放させるため、ノアに魔力解放の呪文をかけた。

「少し苦しいかもしれないが、すぐに終わるさ。行くぞ!ビータストゥア・エクシ!」

「ガガガガガガ」

ノアの体は光を発し、数秒ほど大きく震えた。

「これで終わりだ。君の魔力は解放された。よく頑張った!」


次は基本的な魔法の修行だ。

「プリフィカーレ、と唱えて指に魔力を集中させてみてくれ。指に光がまとって、ランタンのかわりになるぞ」

ノアは難なく成功。そしてある日は、

「今日は飛行魔法の修行だ。ほうきか絨毯に乗って、魔力を移すんだ。そしたら自然に浮く。」

ノアは、最初はかろうじて浮いたものの魔力が暴走してしまい、空中を猛スピードで舞い地面に激突してしまった。ノアは落ち込んだ。

「最初から飛行魔法をかんぺきに使える人はいない。まだまだこれからさ。」

とノアを慰めた。それからノアは根気よく修行を続けていった。


それから3年後。ノアは立派な青年へと成長し、火属性魔法の使い手になった。

「ノア、俺から教えることはもうない。立派になったなあ、おめでとう。」

クラウディオは目に涙を浮かべて祝福した。

「ここまで俺を一人前にしてくれてありがとう、クラウディオ。もう少し一緒にいたいが、俺はあの事件の真相を探らなければならない。」

「ああ、分かってる。ダメだったらいつでもここに戻ってこい。君は年こそ離れているが、最高の友だ。元気でな。」

「うん、クラウディオも元気で!」

そう抱きしめあい、ノアはクラウディオの家を後にした。


ノアは前から事件の真相を探るため、そして両親の敵を討つために王国軍に入ることを決めていた。王都への旅の始まりだった。

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