Episode12「キャンプ」
だが、夕焼けの向こうには黒雲が見えた。
「少し雨が降りそうだな。」
「急いで野営の準備をしましょう!」
一行は小さな森の中にキャンプを設営した。そろそろ夕食の時間だ。
「カイル、今日の料理係はお前だぞ。」
「ったく…仕方ねえな。ほらよ、今夜は焼き鳥だ。」
焚き火で鶏肉を焼くと、ジューシーな匂いが周りに漂った。
「やべっ、焦げた!」
「あはは、私はいい感じに焼けたわ!!」
各々が肉をやき、焚き火を囲んで食べた。
「カイルって意外と料理できるんだな…」
「これぐらい誰だってできるよ!」
「アハハハ」
そこには今までにないほど平和な空気な広がっていた。
初夏の夜空には、満天の星空が広がっていた。森の中からも月の光が見えた。三人は寝転びながら会話していた。
「星空がきれいだな…」
「あの空の向こうには何があるんだろう…」
そして、明日の作戦についても話した。
「マルカスについたら、まずは情報収集からだな。」
「でもあまり目立ちすぎると、今までみたいに厄介なことになるぞ。」
「でも… 本当のことが知りたい。」
それぞれの思いが交差する、少し不思議な夜だった。
明くる日、赤く輝く朝日が森を照らした。
「おいローラ、いつまで寝てんだ!起きるぞ!」
「市場に間に合わないぞ〜!、もう20分ぐらい経ってる!」
そう、ローラは信じられないほど朝起きられないのだ。
「あー、もう少しムニャムニャ…」
「こいつ、まだ夢の中にいてやがるぜ。」
カイルが呆れた表情で話した。
「やれやれだな…」
To be continued…




