深層水。
ほんの少し誰かと話したかった素直な気持ち
キャンドルに灯された小さなオレンジ色の炎
固まって知らなかった
想いが溶け出す
吸い込んだ空気に溶ける甘い甘い香り
鼻腔の奥の脳の隅々までくすぐるような
未来を夢みてる青い青い果実
すり下ろされては漂ういつもの一人だけ
真っ暗な水槽に投げ込まれた裸電球がポツリ
熱いレモンティーの匂いを嗅ぐように瞼に浮かぶ
透き通って見えたのは果てしないノートの白い1頁
何もないけれど貴方にあげたい
静かな雨降りの夜
ほんの少し傍に居たかった時間
手のひらに灯されて
照らされて見つめていた
屋根に当たる雨粒の音が聞こえる
時を超えて会えていたとして
未来を超えて話せていたとして
青く青く澄んだビロードの瓶に詰め込まれる
ただ今は真っ直ぐにどこまでも透き通って