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プロローグ ファウスト魔術学園の日常。

新作です(*'▽')

応援よろしくお願いいたします!









真田凱人さなだときと、お前は本当にダメな生徒だな」

「…………はい、すみません」



 一人の男子生徒が、担任の男性教師から詰問を受けていた。

 気弱そうな彼の縮こまった姿を見た他の者は、みな陰口を言っている。しかし担任教師はそれを咎めることなく、むしろ煽るように大きな声でこう口にするのだ。



「本当にどうしてお前のような無能な雑魚が、名門魔術師の登竜門であるファウストに入学できたのやら。家柄が秀でているわけでもなく、特別な技能があるわけでもない。さらに言ってしまえば、魔術の成績は最下級の落第レベルだ」



 あまりにも行き過ぎた罵倒が飛んでいた。

 だが、それを止める者は誰一人として存在しない。何故ならこれは、このクラスにおける日常的な光景に過ぎなかったからだ。事実として真田凱人という男子生徒は、魔術の才能が欠片ほどもない。性格も内向的で、口数も少ないため何を考えているか分からない。

 黒縁の分厚い眼鏡をかけて、常に下を向いているため表情も判別できなかった。

 そのため一部の生徒からは気味悪がられ、さらに担任のレイエスからは、執拗なまでのイジリを受けているのである。



「おや、真田で遊んでいるうちに時間になったようだな。今日の講義はここまでにしよう」



 そして、凱人にとって地獄のような時間が永遠に続くかと思われた時。

 講義終了を告げるチャイムが鳴り響いた。それを確認したレイエスは小さく鼻を鳴らしてから、最後に少年に向かってこう宣告する。



「何かの間違いで入学できたかもしれないが、ここはそんなに甘くないぞ。早々に自主退学の準備でも進めておくんだな」――と。







 ――ファウスト魔術師学園は、日本の都市部に位置する名門校だ。

 世界各地で『魔力』という存在が確認されて以降、日本でも他国の例に漏れず研究機関及び、それを行使する魔術師の育成が開始された。それが現在から、三百年以上前のこと。

 いまではもう、魔術というものは日常の中に溶け込んでいた。



「いやはや、馬鹿な学生を相手にするのも疲れますよ。日本の名門だと聞いてはるばる英国から赴任したというのに、才能の欠片もない生徒ばかりだ!」

「レイエス先生、本当に申し訳ございません」

「いえ、学長を責めているわけではないのですよ。極東という辺鄙な場所に位置する日本、という最悪な環境がすべて悪いのですから」



 時刻は昼になり、教員室。

 そこではイギリスから赴任してきたレイエスが、学園そのものすらを馬鹿にしたように騒ぎ立てていた。だが、そんな彼に対して異を唱えられる者はいない。学長でさえ腰を低く、媚び諂ってしまっていた。

 レイエスは英国の名門魔術師の家系出身で、自身も有名校を優秀な成績で卒業したエリート。容姿も端麗で女子生徒の人気も高く、弁も立つために様々なことが黙認されていた。



「私もね、相応の金銭を受け取っているわけですから。その金額分の働きはさせていただきますよ、ご安心ください」

「は、ははは……恐縮です、レイエス先生」





 レイエスの言葉に、学長は禿げ上がった頭にかいた汗を拭う。

 他の教師たちは何も言わず、ただその光景を渋い表情で見つめていた。



 


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