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313話 イチャイチャミッドナイト2

313話 イチャイチャミッドナイト2



「ふふっ、やっと二人きりになれたね。聞きそびれてたんだけど、この館内着どう? ちゃんと似合ってるかな……」


「あ、当たり前だろ。まあ俺としてはもう少し生地を厚くして欲しかったけど」


「生地? なんでぇ?」


「……当たった時の感触が凄いんだよ」


「ふぅ〜〜んっ?」


 俺も自分で着てみて思ったことだが、ここの館内着の生地は薄すぎる。多分今が夏場ということもありそういう仕様のものをわざわざ用意してくれているのだろうけど色々と刺激が強すぎるぞ。


 由那がいつもいつも腕に引っ付いてくるから押し当てられるのは慣れているとしても。明らかにいつもの衣服越しと今の服装での押し当ては感触が違う。むにゅむにゅとスクイーズのように変形するその柔らかさがダイレクトに伝わってしまう薄さだ。


「じゃあもっと押し当てちゃおっかな。ドギマギするゆーし可愛いもん♡」


「やめろバカ。……ってちょいちょいちょい! 見えてるから! 隠せ隠せ!!」


「え〜? この下着、ゆーしに見てほしくて可愛いの探したんだよ? ふふっ、最近サイズ一つ大きくなっちゃったからにゃあ。揉まれると大きくなるってほんとだったんだぁ?」


「揉んでないが!? いや、揉んだこと自体はあるけど……でもあの一回だけだろ! そういうのって日常的に揉まないと効果出ないんじゃ────」


「ゆーしに一回触られて、私の中の女の子がいっぱい増えちゃったのかもよ?」


「っつぅ……」


「あ〜、顔真っ赤になったにゃあ。えっへへ、やっぱりかっこいいゆーしも好きだけど可愛いゆーしも好きだなぁ。キュンッ、て! ときめいちゃった」


「あのなぁ……頼むからあまり揶揄わないでくれ」


「ダメで〜すっ。言ったでしょ? 今日はゆーしの中の狼さんを引っ張り出すんだもん」


 狼さん……ほんと、こいつは何を考えてるんだ。


 一体今晩、俺に何をさせる気なんだ? まさか寛司と中田さんと同じところまで行く気じゃないだろうな。何の準備もできてないぞ。


 そ、そういうのを由那とするのが嫌かと言われればもちろん……そんなことはないけども。ただ俺たちにはその前に乗り越えなければならない壁がある。


 それは″お互いを好き過ぎる″こと。そのせいで初めて大人のキスをした時は脳が焼き切れる程の電撃が走り惚けてしまったものだ。それに直感であの時点だと快感が強すぎて中毒になってしまうと悟り、今現在も封印を続けているのだから。それ以上のことなんてしたらもうどうなってしまうか分からない。


「ゆーしの頭の中をもっともっと私一色にしてトロトロにします。恋人としてレベルアップして、忘れられない夜にしてあげるから」


「れ、レベルアップ……?」


「そうだよぉ。今の彼氏さんに不満があるわけじゃないけど、私の好きへの探究心は止まらないのです。と、いうわけで! 早速お風呂行こ! お背中お流ししますよ────未来の旦那様っ♡」


「っ、ぐ! よろ、こんで……っ!」


「はぁ〜い。ゆーしさん、イチャイチャ甘々風呂にご案内〜!」


 何が何やら分からなくなっている間に脱衣所へ押し込まれると、俺の水着一枚をポイっ、と渡されて由那は出ていってしまう。


 準備があるんだとか。怖い。凄く怖い。俺一体どうなっちゃうんだ?


 今日の由那は明らかに積極的だ。いつももそうではあるのの、どこか今日だけは特別俺の欲情を煽ろうという、そんな意気込みを強く感じる。


 必ず何か仕掛けてくるはずだ。このお風呂できっと、俺は誘惑に当てられ続けることとなるだろう。


「落ち着け……大丈夫。由那のペースに飲まれるな!」


 パンッ! と自分の両頬を叩き気合を入れる。


 絶対に一線だけは超えない。一度でも超えてしまったら多分もう、戻れないから。学校生活どころか日常生活までも全て支配されて何もできなくなってしまわないように。


 大丈夫。これでも毎日ずっと一緒にいるんだ。ちょっとやそっとのことじゃもう驚かないはず。何を用意しているのか知らないが俺は絶対に屈しな────


「ゆーしー? 入って大丈夫ー?」


「おーう。大丈夫だ……ぞ?」


「えへへ、どう……かな?」


「……」


 数秒前にした決意を一瞬で崩すかのように。




 そこに立っている由那は、バスタオル一枚に身を包んでいた。

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