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303話 ややこしいこじれ方

303話 ややこしいこじれ方



「ふんふふ〜んっ♪」


「ご機嫌だなぁ由那ちゃん。……っておい、なんか前より大きくなったか?」


「えへへ、そうなんだよぉ。前使ってた下着ちょっと窮屈になっちゃった」


 グサッ。何やら誰かが刺されたような音が聞こえた気がするけど。上機嫌な私は気に留めない。


 みんなで温泉。前にも一度日帰りで行っているけれど、今回は泊まりなうえにひなちゃんという新メンバーもいる。そのうえこの後にはごはんもゆーしとの二人きり温泉も待っているとなれば自然とテンションも上がってしまうというものだろう。


「はぁ……なんでこの格差問題って無くならないんだろ。神様は残酷だよ。こんなにも不平等におっぱいを割り振って……」


 ぶつぶつと後ろから何かを呟く声がする。


 そっと振り返ると有美ちゃんが泣きそうな顔をして自分の胸に手を当てていた。


 ぺたん……と脳内にとても失礼な効果音が響く。「大丈夫だよ! 有美ちゃんは成長期なんだからまだまだ大きくなるって!」と前に言ったことがあるけれど、その時に悲しい顔をされたので励ます言葉が見つからない。


 だけどそこで。有美ちゃんにとっての救世主が現れたのだった。


「……ひなちゃん、信じてたよ。大好き」


「ひぇっ!? ゆ、ゆゆ有美さん!? ひゃぁ!!」


 そう、ひなちゃんである。


 前回は私と薫ちゃんに挟まれ乱心するほどに追い詰められた有美ちゃんだけど、どうやら今回は心のオアシスを見つけたらしい。


 ひしっ、と純白の下着を纏うひなちゃんに後ろから抱きつくと、縋るようにしてすりすりを繰り返していた。ひなちゃんが来てくれてよかった……。


「わ、私には薫さんが……ああ、でもぉ……か、薫さんとはまた違ったいい匂いがしゅる……」


 ってあれ、ひなちゃん? 薫ちゃん相手にとろとろになっちゃうのはいいけど有美ちゃんはダメだからね? 有美ちゃんには渡辺くんっていう立派な彼氏さんがいるからね!?


「なんだよぉ有美。私からひなちゃん奪おうってか? 中々いい度胸してんじゃねえか」


「ふんっ。恵まれた人には私たちの気持ちは分かんないでしょうね。そんなご立派様ぶら下げて! 見せびらかすのも大概にしろぉ!!」


「ご立派様だぁ!? なんだよその言い方まるでち◯こみたいじゃねえか! たわわと言えたわわと! あとデカい側にはデカい側で色々と悩みもあってだな────」


「それは恵まれた者にしか言えない悩みなんですぅ! その悩みを抱えていられることそのものが幸せだってなんで分かんないかなこのバカは!!」


「だぁれがバカだってぇ!? てんめ、ひん剥くぞゴラァ!!」


「まあまあまあまあ! 落ち着いてよ二人とも! ヒートアップしちゃダメだよ、ね? せっかくの温泉だよ? 仲良く入ろうよ!」


「そ、そそそうですよ! わ、私を取り合ってくれるのはちょっと嬉しいですけど……決して嫌ではなかったですけども!」


「うん、ひなちゃんはちょっと黙ろっか!」


 ややこしい方向に話がこじれそうになったので、私は必死で二人の間に割って入り言い合いを止める。


 痴話喧嘩というやつかもしれないけれど、ここで変に気まずくなってしまえば旅行中ずっと長引いちゃうかもしれない。そうなる前に止めることができてよかった。


「むぅ……まあ由那ちゃんがそう言うなら。敵だけど」


「私敵じゃないよ!?」




 全く。いきなり一波乱だ。

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