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143話 積極的に……1

いつも拙作をご愛読いただき本当にありがとうございます。少しだけ宣伝をさせてください。

現在拙作二作品が、カクヨムの「カクヨムコン」に参戦中です。中間選考は読者選考となり、皆様からのブックマークやレビューなどの数が直接書籍化の道へと繋がります。

読者選考期間は2月7日まで。もう間も無く終了となりますので、もしよろしければお力を貸してくださると幸いです。おさでれは毎日2話投稿、おしかのは毎日投稿を最終日まで継続予定ですので、ぜひこの機会によろしくお願いします!!


「朗報:ツンデレ幼なじみ、しばらく会わない間にツンが消えて俺にデレデレになっていた」

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143話 積極的に……1




「このカードの本題ですが、表されるのは自分の気持ちに素直になれ。それこそが願いを叶える近道だ、という意味を持っています」


 頭の中に、先ほどの占いで言われた言葉がよぎる。


「彼氏さんは受け身になっているばかりではなく、もっと自分から愛を伝えてあげてください。今までも伝えていたかもしれませんが、もっとです。もっともっと、彼女さんに負けないくらいに。そうすれば……お二人の仲は、とても長く続いていくことでしょう」


 い、いや。いやいやいや……。


 あの人が言ってたのはまさかこういうことじゃ、ないよな?


 自分の気持ちに素直になれ。それこそが願いを叶えることへの近道である。確かにそう言われはしたが、いくらなんでもこれは展開が早すぎるのではないだろうか。


(触って欲しい……って!)


 いつかは。いつかは由那と″そういうこと″をしたいという欲望はある。というか、正直したいという気持ちだけで言えば常にある。


 が、俺達はまだ大人のキスすらできないような関係だ。幸せすぎて。受け取る愛が大きすぎて。現状今以上に濃密なことをしてしまえば、きっとお互いにおかしくなる。全てのリミッターが外れて、それ以外のことを何も考えられなくなってしまう。


 それほどに由那の身体は魅力的で、同時に中毒成分も孕んでいるのだ。きっと由那はそれ自体を嫌がることはしないだろう。でも……。


 また本能的に逃げようとしているのだろうか。こんなことばかりしているから、意気地なしと言われるのか。触って欲しいと言われたら、素直にそうするべきなのだろうか。


「触って欲しい……って」


「えへへ、だって好きな人の手だもん。こんなに優しくて、かっこいい手に触ってもらえたら。私の身体きっと今以上にゆーしのこと、しゅきしゅきってなるよ? 彼氏さんはそうなったら、嫌?」


「そ、そんなわけ……ないだろ。由那に貰う好きならいくらあっても足りないくらいだって。貰えれば貰えるほど、嬉しいよ」


「なら私のお願い、聞いて欲しいにゃぁ♡ もっと撫でて、よしよしして? ゆーしの思う通りに、言葉と一緒に手のひらから好き好きオーラ、注入してほしい……」


 ドクンッ、と脈打つ血管が、手のひらを熱くしていく。


 俺の思うように、好きを伝える。積極的に、欲情的に。由那の身体を触る。


 結局答えとしては、最初からこうしておくべきだった、ということか。俺はそうしたくて、由那もそうしてもらいたい。ならここで足を止めて尻込みする理由なんてどこにもない。


 触るんだ。由那の……


 ゆっくりと、手を伸ばす。由那はただじっとその手先に視線を向けて、無言で行く末を見守っていた。


 顔や頭じゃない。目指していく先はもっと、もっと下。柔らかくて可愛い、魅力的な果実。


「触る、からな。じっとしてろよ」


「……うんっ♡」


 俺だって男だ。思春期の高校生だ。そんな狼相手に無防備に身体を差し出して、無事でいられるはずがない。


 意気地なしだとか、ヘタレとか。今まで好き勝手言ってくれたが、俺はもう一歩先へ進む。由那相手なら、進むことができるはず。


 伸びた右手は、ゆっくり、ゆっくりと降下していく。




────そして、触れた。

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