表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

149/464

141話 野外イチャイチャお昼ご飯4

こちらのなろう版に加え、現在カクヨムでも連載をしております!そっちの方が60話ほど先に進んでるので、よろしければフォローお願い致します!!


現在カクヨムコン参加中です!!!


URL→https://kakuyomu.jp/my/works/16817139557495479399

141話 野外イチャイチャお昼ご飯4



 ランチボックスに詰められたサンドイッチは、全部で五個。


 その中から左端にある一つ目を摘んで取り出した由那は、左手を添えながらゆっくりとそれをこちらに近づけて。あーんの体勢と共に俺に口を開けさせる。


 されるがままサンドイッチを三分の一ほど齧ると、シャキッ、と乾いた音が響く。加えてすぐに口の中に広がったのは、甘めの優しい味。


 このサンドイッチはツナマヨ。シャキシャキしているのはパンとツナマヨの間にレタスを挟んでいるからか。あと、ツナマヨの中にきゅうりがあるからそれも後の原因の一つな気がする。


「……美味っ。ツナマヨなんて久しぶりに食べた」


「あれ、そんなに久しぶりなの?」


「あ〜……おにぎりだとツナマヨを手に取るくらいには好きなんだけどな。ただ、ほら。最近は由那がお弁当作ってくれてるから。シンプルに機会が減ってるだけだよ」


「ふふっ、なんか嬉しい理由だぁ。ツナマヨそんなに好きならたまにお弁当のおかずに入れるね? 作ってみたらめちゃくちゃ簡単だったし!」


「ん、頼む。きゅうりも好きだから嬉しい」


「任せてっ! ツナとマヨときゅうり混ぜるだけだからにゃ〜」


 咀嚼を終えた俺に続いて、由那も俺の歯形が場所からサンドイッチを一口。美味しそうに頬張るその頭を撫でてやると、甘えるようにすりすりが返ってくる。


 こうしていると、やっぱり二人きりでほっこりする時間は大切だと思う。色んな所に行ってデートをするのも勿論好きだ。今日みたいに文化祭のような騒がしい場所に行くのも、モールのような様々なお店を歩き回る場所へ行くのも。


 けど、やっぱり一番好きなのはこの時間で。誰にも見られず、邪魔されない。二人きりになれる場所での触れ合いには、他では摂取できない特別なものがある。


 何も考えずに肩を並べてぼーっと過ごす。たまにイチャイチャも挟みながら、中身のない話をして。それだけで笑い合っていられる関係が、ただひたすらに愛おしい。


「風気持ちいいね〜。最近どんどん暑くなってきてるからぼちぼち衣替えかなぁ」


「そういえば来週だか再来週だかから、夏服着てきてもいいようになるらしいぞ。言ってももう六月後半だもんな」


「ほんと!? えっへへ、高校生活初めての夏服だぁ。ここの夏服、とっても可愛いんだよ? 普段のブレザーと違って白の半袖ワイシャツだけになるから、イメージもガラッと変わると思う!!」


「へぇ、ワイシャツか。由那の、ワイシャツ姿……」


「ふふっ、勿論彼氏さんには一番最初に見せに行くね。なんなら登校前夜に写真で送っちゃう!!」


「彼氏特権、最高だなオイ。なんてサービスの効く彼女さんなんだ……」


「でしょお! ゆーしの彼女さんは世界一彼氏さんのことを愛してますからね〜っ。はい、あ〜んっ♡」


「あ〜〜っ」


 ツナマヨサンドの残りを口に入れられて、完食する。


 予め俺達が露店の食事でそれなりに満腹になってしまうことを予期していたのか。一つ一つのサンドイッチはあまり大きくないサイズなうえにそもそも二人で半分ずつだから、かなりお腹に優しい。これなら順調に食べきれそうだ。


 そういうところも含めて、全て計算通りということか。相変わらずこういうところに関してだけは、頭がよく回る奴だ。


「えへへっ、しばらくここでイチャイチャしてよっか。しばらく休憩してからお店まわりに戻ろ?」


「そうだな。結構なペースで歩き回ってたし、休憩は大事だ。後でクラスのシフトもあることだし」


「げげっ、忘れてたよぉ。まだ混んでるのかな……」


「流石に時間経ったしお客さんも引いてきたんじゃないか? ま、行ってみるまでは分からんけど」


「ぐにゅにゅにゅ……」


 ごろにゃぁ、と喉を鳴らしながら、由那は俺にもたれ掛かりつつ思いっきりのびをする。




 もう、完全にくつろぎモードだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ