緊急で書いてます(笑)『提言』格闘技の水抜きをやめよう
間違ったダイエット法の流布にも繋がるので、本当に禁止をすべきだと思っておりますが、現行ルールの中で、ルールに抵触しないように努力されているアスリートの方を貶める気持ちはありません。
団体がしっかりと規定を整備することが一番だと考えています。
以前に、水抜きを格闘団体は全面的に禁止にすべきだと書いたことがあるんですよ。
https://ncode.syosetu.com/n2567hl/
上のリンクから、宜しかったら御覧ください。
で、この時は団体側のマッチメイクの不備もあるために、該当する選手にたいして、私は擁護する思いがあったんですが、該当選手こと、朝倉未来選手が9月に決まったメイウェザーとの試合についての発言をしており、そこには日本を代表する元ボクシング世界チャンピオン3名もいました。
ネット記事で発言を知った私はYouTubeの動画を確認しまして、確かに発言していたんですね。
それは70キロ契約の試合で、自分は当日は77キロまで戻す、という内容であり、元チャンピオンたちも、そんなに戻すんだ、と返す程度で問題視はしていませんでした。
ですが、これは大変なことなんです。
何が問題なのか、以前に書いたエッセイに書いた内容と被りますが、書いていきます。
まず、朝倉未来選手の発言は水抜きを前提としているというのを解説します。
70キロ契約というのは、前日の計量において70キロ以下に体重がなっていなければいけないというルールで契約したことを指します。
その上で当日に77キロまで戻すというのは、計量が終わったあと、翌日の試合までに7キロ増やすことを意味します。
格闘技に詳しくない方はそんなことが出来るのかと思うでしょうが、一部の団体や国を除けば、わりと常態的に行われていることではあります。
その方法が水抜きです。
朝倉未来選手は過去に水抜きによる減量を動画公開しています。サウナにサウナスーツを着てはいり、水分を取らずに有酸素運動をするを繰り返す。そうやって体から水分を抜いて軽くするんですが、ようは皮下組織や血液などに含まれる水分を減らしているだけで、脂肪組織そのものや筋肉を減らしているわけではないので、食事をとり水を飲むと「戻る」んです。
7キロも契約体重より重ければ、階級としては2つ以上は上になりますから、かなり優位にたてますし、相手も同じことをしている可能性がある。
ですが、当然ですが危険なんです。
ボクシングのIBFやアジア最大の総合団体 One Championshipなどは水抜きを禁止していますね。
当日計量を行い、前日との差で判定したり、尿検査をしたりしていますが、これは過去に水抜きで死者を出しているからです。
フィリピンの元世界チャンピオン、ボクサーのカシメロ選手はイギリスでのボクシングの試合を失格になり、試合を行えませんでしたが、それはイギリスボクシング協会が「サウナでの減量」を禁止していたからです。
カシメロ選手がYouTubeにあげた動画でサウナを利用していたことや、減量期間中にサウナ内でシャドーなどのトレーニングをしていたことが規定違反とされたためです。
そもそもとして、選手の安全や公平性の担保のために作られている階級を、団体側のルールの不備の裏をついて、ズルする者がいて、結果としてみんなやっているから、やらないと勝てないからと公然とドーピングしている状態なんです。
元チャンピオンたちも、当たり前に体重の戻しはしていたと思いますが、それでも、それは2キロ程度のものでしょうか、食べていない状態から一気に食事して体重を増やすことは出来ますから。ですが、7キロ戻すのは水抜き前提でなくては無理です。
それでも、元チャンピオンたちも、そんなに戻すんだ程度の認識でしかない。
卓球の水谷選手が不正ラバー問題で試合を1年ほどボイコットしたことがあります。
水谷選手いわく、今はラバーの技術が進化して不正が意味をなさなくなってきたそうですが、卓球ではラバー表面にグリップを高めるスプレーのようなものをすることが、昔は認められていたんですね。
ですが、ある時から、それが禁止になった。
なのに、多くの選手たちがそのまま使い続けた訳です。規定違反の用具を使う、用具ドーピングをしてた訳ですね。
水谷選手は卓球協会にこのことを確認すると、協会側も事実を認めた上で、特に対策しようとしなかったそうです。
ルールで決まったからと真面目に守ってる日本の選手が、みんなやってると、公然とルール違反する海外選手にたいして不利になっている。
その抗議のために水谷選手はボイコットしたんですね。
団体側は本気で水抜きの禁止と、その徹底のために対策を打つべきです。
万が一がおこり、日本有数の格闘チャンネルをもつ配信者がサウナ減量中に緊急搬送されてからでは遅いですし、そもそも、そうした脱水症状は体に蓄積していきます。今が大丈夫でも、ある日いきなり脳梗塞などになることもあり得るのです。
どうか、格闘家の水抜きを礼賛しないでください。
まともな対策をしない団体が悪いのですが、格闘家がその犠牲になってはいけません。
フィットネス、格闘技、など、水抜きによる減量を行う選手、その方法を公開する動画はたくさんありますが、短期間で痩せられると真似しないでください。
一瞬、体重が落ちるだけで、すぐに戻りますし、そのくせ、体への深刻なダメージだけは残るからです。
フィットネスのレジェンド、ビックヒデこと山岸 秀匡選手は減量がうまく行かずに水抜きすべきかという質問にたいして。
大会から逆算して、1週間くらい前までには減量を終わらせる、いつ大会があってもいいコンディションで維持することが大切で、しっかりと食事しながら、減量してコンテストコンディションに仕上げることを出来なければいけない。
そのようにおっしゃってましたね。
でなければ、ベストな体とは言えないと、水抜きをしたり、炭水化物を抜いて萎ませた体、飢餓状態を敢えてつくり、パンプさせることは本来のフィットネスからかけ離れていると。
こうした認識が広まって欲しいと思うのです。
格闘関係の方、格闘ファンの方など、ご意見いただけたらと思います。
その他、ご感想などお待ちしています。