セロフィート
「 正しい心掛けで、正しい善行を行えなず、功徳を積む事が出来ず、背負っている悪因縁を止める事も減らす事も出来ません…。
マオ、君は彼等ら間げんをどう思おもいます?
【 彼かれ人にん等ら間げんが救すくわれる為ための手て助だすけをさせて戴いただきたい 】と思おもいます?
【 彼かれ人にん等ら間げんが救すくわれる為ための手て助だすけをする 】と言いう事ことは、【 マオ・ユーグナルとしての人じん生せいを捨すてる 】と言いう事ことです。
【 マオチェリンド・シェルダーシカとしての人じん生せいを捨すてる 】と言いう事ことです。
≪ エルゼシア大たい陸りく ≫に生せい息そくする生いきとし生いける全すべての命いのちの為ために、【 犠ぎ牲せいとなり、人ひと身み御ご供くうとして、自じ身しんを捧ささげる 】と言いう事ことです。
≪ エルゼシア大たい陸りく ≫が存そん在ざいし続つづける限かぎり、≪ エルゼシア大たい陸りく ≫の中なかに囚とらわれ続つづけ、未み来らい永えい劫ごう永ながきに渡わたり、〈 久遠実成宇宙を運営する主宰者 〉へ感かん謝しゃの祈いのりを捧ささげ続つづける──。
最もっとも崇すう高こうで尊とうとい人じん生せいを送おくる事ことになります。
ワタシとの旅たびを諦あきらめなければなりません。
“ 〈 皇コウ 〉になる ” とは、そう言いう事ことです。
覚かく悟ごが出で来きないなら、彼かれ人にん等ら間げんへの同どう情じょうは捨すてなさい 」
マオ
「 …………同どう情じょうなんて……して…ない……。
………………だって…『 同どう情じょう 』ってのは……相あい手てを憐あわれんだり…見み下くだす行こう為いなんだろ?
…………オレに人ひとを憐あわれんだり、見み下くだす資し格かくなんてないよ…。
責せめられるなら兎とも角かく………… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 ………………オレはセロが好すきだし、離はなれたくないよ…。
セロと一いっ緒しょに居いられる時じ間かんは決きまってるんだし、期き限げん迄まではセロと過すごしたい…。
セロの隣となりで…オレは色いろんな世せ界かいを見みて巡めぐりたい。
だから……オレは…〈 皇コウ 〉にはならない…。
人にん間げんには悪わるいとは思おもうけど……。
オレは未まだだ、自じ分ぶんを犠ぎ牲せいにしたくないよ… 」
セロフィート
「 マオ…。
( …………ワタシは〈 久遠実成宇宙を運営する主宰者 〉から与あたえられた使し命めいに逆さからっている……。
マオを≪ エルゼシア大たい陸りく ≫の〈 皇コウ 〉にしなければならないのに……。
ワタシからマオは手て離ばなせない…。
マオを〈 皇コウ 〉にする為ために、セロフィートはワタシと入いれ替かわったのに……。
マオが〈 皇コウ 〉になる事ことを選えらんだなら、ワタシは迷まよわずマオを〈 皇コウ 〉にするのだろう……。
マオが〈 皇コウ 〉になる事ことを拒こばんでくれる事ことに、ワタシは嬉うれしく思おもっている…… )」
マオ
「 …………セロ??
どうした?? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
どうしたと思おもいます? 」
マオ
「 オレが聞きいてるんですけど! 」
セロフィート
「 マオの気き持もちは分わかりました。
今いまは唯ただ…純じゅん粋すいにサーカスを楽たのしみましょう 」
マオ
「 う、うん…?
オレもサーカスは楽たのしみたいよ 」
セロフィート
「 先まずは《 宿やど屋や街がい 》で宿しゅく泊はくする宿やど屋やを決きめましょう 」
マオ
「 そうだな!
宿やど屋やでチェックインしたらさ、直すぐに≪ サーカス村むら ≫に行いこうな! 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロフィートとマオは《 宿やど屋や街がい 》を目め指ざして歩あるくのだった。