セロフィート
「 彼等は自らの生き残りを懸けて、大道芸の技を鍛え、生活の為に仲間同士で切磋琢磨し己で磨き抜いた技を披露し、生活費を稼ぎます。
彼等の生き様は尊敬に値します。
何よりも、〈 エルゼシア教 〉の〈 信仰こう陸りく神しん神しんエルゼシア 〉に対たいする志こころざしが高たかく信しん仰こう心しんも強つよいです。
強つよい故ゆえに盲もう信しんし過すぎて誤あやまった信しん仰こうをしがちになりますけど… 」
マオ
「 信しん仰こうって何なにをするんだよ? 」
セロフィート
「 宗しゅう教きょうで學まなんだ事ことを実じっ行こうする事ことです。
宗しゅう教きょうの内ない容ようが誤あやまっていると、誤あやまった行こう為いを実じっ行こうする事ことになる為ため、正ただしい善ぜん行ぎょうになりません。
〈 信しん大たい仰こう陸りく神しん神しんエルゼシア 〉が定さだめた大だい自し然ぜんの法ほう則そくに正ただしく適かない、御ご意い趣しゅの的まとを正ただしく射いった善ぜん行ぎょうをなさなければ、功く徳どくは積つめません。
〈 エルゼシア教きょう 〉の “ 信しん仰こうの指し針しん ” を読よみましたけど、やはり所ところ々どころで誤あやまった解かい釈しゃくをされて説とかれてました。
残ざん念ねんでなりません… 」
マオ
「 ………………。
だったらセロが誤あやまって解かい釈しゃくされてる部ぶ分ぶんを正ただしく直なおしたらいいじゃないか 」
セロフィート
「 其それはワタシの役やく目めではないです。
真しんに正ただしい〈 エルゼシア教きょう 〉の経きょう原げん典てん本ぽんは存そん在ざいしてる筈はずです。
1冊さつしかない為ため、信しん者じゃが指し針しんを読よんで〈 エルゼシア神しん 〉の教おしえを身み近じかで学まなべる様ようにと、国こく王おうに依よって選えらばれた翻ほん訳やく家かが経きょう原げん典てん本ぽんの内ない容ようを翻ほん訳やくし、布ふ教きょう用ようの教きょう典てんを作つくります。
〈 久遠実エルゼシア成神しん 〉と意い意い志し思しの疎そ通つうが出で来きない翻ほん訳やく家かが翻ほん訳やくする訳わけですから、担たん当とうした翻ほん訳やく家かに依よって解かい釈しゃくやニュアンスが変かわるのは致いたし方かたのない事ことです 」
マオ
「 で…でもさ──、信しん仰こうには “ 命いのち,生せい活かつ,財ざい産さん ” が懸かかってるんだろ?
学まなぶ教おしえの内ない容ようが正ただしくなかったら、正ただしく救すくわれないんだろ?
駄だ目めじゃんか 」
セロフィート
「 知しった事ことですか。
ワタシに与あたえられた使し命めいは人にん間げんを救すくう事ことではないです。
其それに人にんワタシ形ぎょう達たちにとって人にん間げんとは退たい屈くつ凌しのぎの玩がん具ぐおもちゃに過すぎません。
救すくう手て助だすけをする必ひつ要よう等などないです 」
マオ
「 …………………………。
人にんセロ形ぎょうフィート……セロ達たちは非ひ情じょうだよな… 」
セロフィート
「 何ど処こがです?
マオは踏ふみ潰つぶしたダニに心こころを馳はせます?
踏ふみ潰つぶしたダニの数かずを一いち々いち数かぞえます?
死しんだダニを供く養ようします?
ダニの冥めい福ふくを〈 久遠実成宇宙を運営する主宰者 〉に祈いのります? 」
マオ
「 ………………しませんけど… 」
セロフィート
「 “ 非ひ情じょう ” のスケールが違ちがうだけで、非ひ情じょうなのは人にん間げんも同おなじです。
第だい一いち、受うけた恩おんを忘わすれるのも、忘わすれただけでは飽あき足たらず、恩おんを仇あだで返かえす生せい物ぶつは人にん間げんだけですし。
畜ちく生しょうですら、恩おんを感かんじ、受うけた恩おんを返かえす心こころを持もってます。
恩おんを忘わすれ、感かん謝しゃもしない人にん間げんは畜ちく生しょう以い下かです。
助たすける価か値ちも救すくう価か値ちもないです 」
マオ
「 …………其そ処こ迄まで言いわなくても…… 」
セロフィート
「 ワタシは非ひ情じょうな人にんセロ形ぎょうフィートですから、無む価か値ちな人にん間げんを “ 助たすけたい ” とも “ 手てを差さし伸のべたい ” とも思おもいません 」
マオ
「 …………セロ… 」
セロフィート
「 〈 久遠実成大いなる力の根原 〉は慈じ悲ひ深ぶかく、気きも永ながいですから、 “ 救すくう為ための手しゅ段だん ” として、人にん間げん1人り1人り、個こ人じん個こ人じん、各それ々ぞれに “ 苦く ” を使つかい “ 知しらせ ” を掛かけておられます。
〈 久遠実成宇宙を運営する主宰者 〉と意い意い志し思しの疎そ通つうが出で来きない≪ エルゼシア大たい陸りく ≫の陸りん民みんは、正ただしい教おしえを基もとにして、苦くの原げん因いんを正ただしく解かい明めいする事ことが出で来きず、正ただしく悟さとる事ことも出で来きません 」