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3 暗殺?

脱衣所に立った俺の手の中には小さな小瓶。

中身はついさっき無くなった。

笑いそうになるのを必死な隠しながら、小瓶をポケットに突っ込み、脱衣所を出る。

生活一日目にして、勝利を飾るかもしれない喜びと興奮にそわそわしながらロクシーのまつ談話室に向かった。



妙だ。

と言うより、外からの気配を感じる。

どうせあの男が無防備なところを襲おうと企んでいるのだ。

しかし、服を着ていないだけで、人間に負けるほど柔じゃ無い。

暫くほっておくことにした。


………妙だ。

なかなか入ってこない。

今すぐにでも、銀のナイフをかざして突撃してきてもいい頃なのに。

しかし、彼は扉の前で座り込んだままのようだ。

仕方がなく、私は湯船からあがった。

そのまま扉に向かって進む。

そこで違和感に気付いた。

足下が変。

いつもと違う。

よく見てみると、液体に足が取られている。

銀色の液体に。

「これは……水銀?」

しゃがんで指に付けてみる。

銀色の液体。

銀は銀でも水銀のようだ。

いくら吸血鬼が銀が嫌いだからと水銀をまかれても困る。

水銀は銀と似て非なるもの。

飲んだら体調悪くなるかもしれないけどその程度だ。

たしかに銀は嫌いだ、キラキラ光ると眩しいし、刺されたら痛い。

しかし、何度も言うように、水銀と銀は違う。

原子番号とか、なんとか、とにかく色々違う。

周期表って知ってる?と言いたくなった。

というか、水銀も一様毒なので、こんなところにばらまかないで欲しい。

カーペットに垂らされるよりましだが、流石にワガヤノ居候が水銀垂らしたら怒るだろう。

わりと高確率で。

皆怒るだろう。

というわけで怒った。

「…………ちっ、」

まだ入浴途中ですが、仕方なく体を拭くと、脱衣所に出た。

扉を開けた途端、驚いたあいつと目が合った。

「なっ………お前、死んだんじゃ……」

「あんなもので死ねますか、このお馬鹿さん!!」

「うえ、怒るな!って言うか、隠せよ!」

「隠す!?あなたが入ってきたのでしょう、あなたが目線を逸らしなさい!」

「それは………そうだが、もっとこう、恥じらいとか乙女的に…」

「恥じらい~?そんなもの百年も前に捨てました!」

「そうだったこいつ乙女じゃ無かった。失礼した!」

焦ったように耳まで赤くなったフィロックは急いで脱衣所からの脱出を図る。

途中落ちていたタオルに足を取られ、尻餅をついた。

どっしーん!と音が鳴る。

「いっ!!」

「ああ、ああ、危なっかしい。すぐに死ぬ人間なのですから、お足元にはお気を付けなさい。こ」

「う、煩い!!」

声だけは威勢良く、顔を背けたままで勢いよく廊下に駆け抜けていった。

「……………ふっ、ふふ、フィロック……。やはり招いて正解でしたわ。面白くてたまりませんもの。」

近くのタオルに手を伸ばすと、ロクシーは静かに体を拭き始めた。

シューと小さい音と共に湯気がたっていた。

彼女から立つ温かいお風呂の湯気と、彼女自身が溶けていく音と湯気である。

「私を殺したいのならば水をかければよいのに。さて、いつになったら気付くのかしら。」



廊下の角、赤い壁により掛かりながらフィロックは深く息をしていた。

先ほど見た彼女の肌が忘れられない。

白くきめ細かな肌。

流れる糸のような髪、凛々しく美しい顔つき。

言動とは裏腹に女性の魅力をしっかりと主張した胸元、そして……

「なに考えてるんだよ、あいつ。」

火を噴き出しそうなほど熱くなった顔を俺はそっと隠した。

夏なのに涼しい舘の空気が、ほてった頬を擦っていく。




***

………。

うん。謝ります。

すみません。

ただの欲望です。ただ、ただ私は……あ、



はい。まりりあです。

こんにちは~。こんばんわ~。おはようございます。

あなたは、吸血鬼好きですか?

私はね、好きですよ。

はい。では、誤字脱字等ありましたら、お知らせください。

まだの機会に!!

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