ちょっとした変化
ガールズトークは尽きず、すっかり夜になってしまった。
「んじゃあまた明日!」
あさ美と別れて、悶々としながら家に帰る。
あのタカシが…?
も、モテてる…??
アタシの知ってるタカシはいっつも声がでかくてうるさくて、デリカシーがないってゆーか……
まー、明るくてよく笑ってるよな。
パッと空を見上げると、視界が急に暗くなった。
「だーれだ?」
「おい。貴様、殴るぞ。」
……タカシだ。
「はよ離せ、おら。」
「きゃー!あんずちゃんこわ〜い!」
「全然かわいくない!」
はぁ、なんで会うんやまったく…
「今帰り?あ、あの、あさ美ちゃんって子とか!」
「だ、誰と一緒やってもええやん!大体隣のクラスのくせにアタシのクラスの情報知りすぎ!」
「ほえ〜〜〜。んじゃあ、デート?」
ピタッ
「せ、せやで?え、ええやろぉ〜?お茶奢ってもらったしぃ〜♡(ほんまはあさ美に奢ってる)あ〜楽しかった〜!あ、アンタこそ!こんな時間になにやってんの!」
「あー、オレはバイト帰り。ガソリンスタンドやねんけど、働くのも結構楽しいな!」
「あっ。そ、そうなんや……」
そっか…もうバイト始めてるんや……
タカシん家兄弟多いし、大家族やもんな…
大変なんやな……
「あ!はよ帰らなチビ達が待ってるわ!あんず!んじゃあまた明日な!気ぃつけて帰れよ!」
そう言って、チャリ全速力で帰って行った。
「お、おう。またあした……」
タカシ…偉いやん。ええお兄ちゃんやん……
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