ミルクティー
「ほんまええお店やね!お洒落なアンティーク家具とか雑貨とか置いてあって……ほら!アレとかかわいいっ!」
次はあさ美のほうが目を輝かせる。
「せやろ?ここもアタシのお気に入りの場所。」
「あ!あの置物も!かわいい〜!」
「ええのんは店内だけちゃうよ。おじちゃんが入れてくれる紅茶はおいしいねん。」
「あ〜スタバもいいけど、こういう落ち着いた場所でデートしたいなぁ〜…」
ふむ、で、デート………
「えっ、あ、あさ美彼氏…おるん…?」
「ううん。」
なんや……ホッ
「受験前に別れてん。」
え???
「好きやってんけど、勉強が忙しくなって志望校も別々やったし…段々距離が出来て、結局別れてもうてん。」
「そ、そかぁ……」
え!デート?彼氏?なに?!!
めっちゃ大人やん!!!
ア、アタシなんか………
「で?あんずは?」
「へ……?」
「んも〜、とぼけんとー!おらんの?好きな人とか?」
ピタッ
ま、待てよ……
アタシ、今までこの16年間…
恋愛したことないかも……!!!
「……あー!わかった!一浦くんやろ?」
「はっ?!ちゃうちゃう!絶対ちゃう!ア、アレは幼なじみっていうかなんていうか、あ、あの…あの
「そーいえばタカシ、最近見かけへんなぁ。はいどうぞ、お待ちどうさん。」
白いティーカップから湯気を出して運ばれてきた香りの良いミルクティー。
「あ、おじちゃん、ありがとう。」
「わぁ!いただきます♪」
「熱いから気ぃつけて。」
ミルクティーをゆっくりと口に運んだ。
はぁ〜癒される…やっぱりおじちゃんが煎れてくれたお茶は美味しい……
「受験の前の日来て以来アイツ来てへんなぁ……ボソッ」
「一浦くんもここに来るんですか?ギラッ」
え。ちょっと。またタカシの話?
「昔はよう来てたで〜。ようあんずと二人で一緒にも来てた。懐かしいなぁ〜…」
「ちょ、おじちゃん!///」
「ふーん…アンタらやっぱり仲ええんやん。」
不敵な笑みを浮かべるあさ美。
「だ、だからただの幼なじみやって!」
「ええやん!一浦くん。なんか結構女子から人気みたいやし。」
「え?あのタカシが?」
「うん。確か私と同中やった子が好きとか言うてたし。ちらほら聞くで、そんな話。」
「え、そ、そうなん……」
あのタカシが…?
小4でお漏らしして、中2で女子更衣室覗いて怒られてたあのタカシが…?!
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