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第8話 休憩

 

 草原でウサギを狩っているときに気がついた。俺のMPゲージがHPゲージより少ないと。


「俺のMPゲージ少ないんだけど睡蓮は理由知ってる?」

「私を召喚してるからですね。召喚時は召喚者のMP2割減ですよ、知らなかったんですか?」


 情報が少なすぎるだろ……やっぱり、スキルの情報を寄こせ。下手すれば詰むぞまじで。


「知らなかったよ。ところでさ、睡蓮。こんなにウサギ狩ったけど火つけられる?」

「どうでしょうか。火魔法がすべてではないですからね。火ぐらい余裕ですよ……フー君なら」


 そこまで言って俺任せとはな。なかなか良い性格してるなぁ。最初のしおらしさは何処に消えたのか。


「つまり、つけられないということですか……召喚でもする? もしかしたら火魔法使える奴くるかもよ?」

「そんな博打に出るくらいならフー君が火魔法取得して下さい」

「いやでもさ、新しく召喚したら目的とは外れてるけど強いって奴がくるかもよ?」

「どうでしょうか。召喚者が強いと強いモノが興味を持ち易いですが、今のフー君だと運任せになりますね。あと、顔を見て喋って下さい」


 俺が弱いと遠回しに言われたな。後の言葉は聞こえない。


「そういえばさ、睡蓮って謎スキル持ってたよね。魔剣とか」

「魔剣は剣の上位スキルです。あとは、魔法の神髄は魔法攻撃力上昇と魔法効果上昇がまとまった上位スキルで、同じく魔の心臓は魔力増加と魔力回復がまとまった上位スキルです」

「普通にチートだな。やっぱり、目立たない為にも弱い奴が必要だよな」

「フー君。召喚より魔道書のページ増やした方がいいと思いますよ」


 魔道書か。魔道書自体は召喚MP2%減という効果しかなかった。紙は作り易いからな、当然とも言える。



 さて、どうしたもんか。まあ、火を通さなくても食うことができないわけでもない。ただ、毒状態になる、食中毒ということらしい。無駄にリアルなゲームだ。

 ちなみに今まで狩ったウサギのアイテムはすべて睡蓮の影に入っている。


「とりあえず、街に戻ろう。火をつけられるアイテム売ってるかもしれないし」

「わかりました」


 何のために草原に来たのかわからないなこれ。




 街に戻ると人の数が増えていた。さっさと「おーい」ん? ノアさんか。


「こんにちはノアさん、どうやらウサギを確保できたみたいですね」

「アイテムをかなり消費したけどね。あとノアでいいよ」

「わかりました。にしてもこのウサギ、見事に客寄せパンダになってますね」

「可愛いからね〜。結構癒されるよっていうか敬語もいらないかな〜」


 これは命令だな。敬語をやめろというオーラがでている。


「わかった。もう露店開いてるってことはノアは生産系のトッププレイヤー?」

「 βテストの時に稼げただけ。トッププレイヤーじゃないよ」


 ノアはそんなこと言っているが、露店開くにはお金が必要だったはず。いくらか知らないが結構な額だろう。それを稼いだなら有名な人だと思うよ。


「そうだ。ウサギの素材買い取りとかしてる?あと火をつけられるアイテムを知ってれば教えて欲しいんだけど」

「買い取りしてるよ。ウサギの毛皮100枚⁉︎よくこんなに狩ったね。ウサギの毛皮は1枚50Gだよ、ウサギの素材はスキル上げに使う人が多いからね。でも火をつけられるアイテムは知らないかな」

「そうですか。ノアは店とか持たないの?」

「資金はあるんだけど場所が決まらなくてね。そのうち、開店したら招待するよ」


 やっぱり凄い人だったか……


「楽しみに待っていますね」



 5000Gかいきなり大金だな。儲かりはしたが、火をつけられるアイテムがないとはな。料理はできないままならどっか食べに行くか!


「料理できそうにないからどっか食べに行こうと思うけど、睡蓮は食べたい物とかある?」

「肉とかですかね?」


 ならレストランに決定だな。


「ご注文をお伺い致します」

「ステーキ2つとこのサラダ下さい」


 睡蓮って人見知りなのか? ノアの時も喋ってないし、注文も俺に任せてきたし。


「睡蓮って人見知りなのか? 俺以外と喋ってないし」

「違いますよ。喋るほど親しくないだけです」

「いやいやその理論だと誰とも喋れないだろ。今までの召喚の時はどうしてたんだよ」

「私はスキルポイント貯めてたので召喚されても紙を破ってもらっていました」


 そこまでして喋りたく無かったのか。


「これは重症だな」

「いまだに私の顔を見て喋れないフー君には言われたくありません。それに人見知りでも困りませんフー君以外に喋る人は居ませんから」

「俺が新しく召喚したらどうするんだよ?」

「フー君が召喚しなければいいだけです。私一人で我慢して下さい」


 普通に可愛いな。告白なのか? 違うのはわかってるけど妄想は自由だ!


「でも戦力増やすのは大事のことだろ?」

「これ以上増やす必要ないと思いますが。今だって特に困っていないですし」

「…………」

「フー君が私の顔を見て喋ってくれるなら召喚してもいいですよ」


 難易度高いな。睡蓮はやたらと顔を見て喋らせようとしてくるがなにかあるのか? 

 それにしてもステーキ美味かったな。また、来たいと思えるレベルだった。

 午後からは別のフィールドに行ってみるか。


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