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第7話 お詫び

 ログインすると隣で睡蓮が寝ているなんてことはなかった。もしかしてと期待したがラノベの読み過ぎだな。


 《運営からメールが2件届いています》


 《第一回イベント情報》

 ワンダー・オンライン発売を記念して第一回 PvPトーナメント大会を開催いたします。

 受け付け期間:2月19日(金曜)〜3月4日(金曜)

 受け付け場所:ギルド

 大会:3月6日(日曜)

 場所:ギルド裏の闘技場

 試合形式:チーム戦のみ


 大会ルール

 ⚪︎1〜6人までのパーティーを組んで行う

 ⚪︎アイテムの使用禁止

 ⚪︎制限時間15分

 ⚪︎ハラスメント行為等は失格となります

 ⚪︎試合前のスキル発動禁止

 ⚪︎召喚獣等は召喚状態から開始されます


 勝利条件

 ⚪︎相手チームの全滅

 ⚪︎制限時間後相手チームより生き残っている人数が多い

 ⚪︎試合開始までに相手登録メンバーが揃わなかった場合


 イベント期間中は売店などが多く出店します。大会も含めてお楽しみ下さい。



 イベントか〜、大概こういうイベントを経て仲間やライバルができるんだよな。是非とも参加したいが正直、睡蓮一人で優勝できると思う。仮に睡蓮隠して俺だけが出場するとしても、今からパーティー組めるとは思わない。何故かって? 俺には武器ないんだよ! 魔眼も使う訳にはいかない。今回は優勝賞品目当てになりそうだな。


 1通目はイベント告知だったが2通目はお詫びメールのようだ。


 《運営からのお詫び》

 ワンダー・オンラインをお楽しみいただき、誠にありがとうございます。


 先日にフーア様が行いました魔道書にて、本来なら第一回イベントが終了するまで召喚されない予定の強さのモノが召喚されてしまうという不具合が発生致しました。つきまして、フーア様は来月開催されるPvP大会の出場禁止とさせていただきます。


 この度の出場禁止に至った経緯につきましては、睡蓮様、一人だけで優勝できる存在であり、大会出場者様に「チートを使っているのではないか?」「優勝させる気が初めから無い」という疑惑を持たせてしまう心配がございました。仮にフーア様のみの参加を検討しましたが、フーア様のスキル構成が酷いものでしたので流石に勝ち目が無いという結論に至りました。


 現在はフーア様のみが魔道書を取得しておられるようでしたので、召喚の制限は無くなっております。

 この度の不具合のお侘びとしまして、使用したスキルポイントの返還をさせて頂きます。また、大会出場禁止につきましては、あらためて詫びさせていただきます。


 この度はフーア様にご迷惑お掛けいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。

 今後とも、ワンダー・オンラインをよろしくお願い致します。



 まさかの展開だろ大会出場禁止とか。しかも俺、ディスられてない? それが事実なのが悲しい。睡蓮いないと闇魔法しか攻撃スキルないし支援スキルも無い。だから、言っただろうパーティー組めるとは思わないと。

 そんなことより最初は弱いのが召喚されるように設定してあることに文句を言いたいが……まあ、ゲームバランスのためだろうと思う。最初からラスボスとかゲームになってないもんな。


「なんにせよ、大会出るより睡蓮が召喚された方が良かったからいいんだけどさ」


 こういう時は食うことでストレス解消だ。今日はモンスター狩ってその場で食う、そのために取った料理スキルだ。

 そろそろ出発したいので睡蓮起こしたいが俺には無理だ。そもそも、俺来たのに起きないってどうなってるの? このゲームのAI凄過ぎるだろ。

 今のうちにスキル入れ替えとくか。



 名前:フーア Lv.7

 称号:絶滅危惧種

 スキルpt:5


 スキル

 【魔道書Lv.2】【魔眼Lv.1】【邪眼Lv.1】【闇魔法Lv.6】【魔法攻撃力上昇Lv.3】【魔法操作Lv.4】【魔力増加Lv.3】【調教Lv.1】【鑑定Lv.1】【料理Lv.1】


 控えスキル

【皮紙作成Lv.1】【紙作成Lv.1】【合成Lv.1】


 攻撃スキル取ろうかな。でも俺、悪魔従えた人間だからな、できればそれっぽくいきたい。そうすると闇魔法以外思いつかないしな。


「おはようございます」

「うわっ!?……起きてたなら言ってくれ」

「起きるタイミングを逃したんですよ」

「……どういうこと? 起きるのにタイミングなんてあるのか?」

「わからないなら別にいいですよ。それより今日はどうするんです?」


 夢でも見ていたんだろうか? 夢って良いとこで終わるから2度寝してもう一回みれるかチャレンジするのが常識だからな。


「今日は食べ歩きをするぞ! モンスター狩って食うの繰り返しだ。世の中楽しんだ方が良い」


 大会なんて知ったことか! 俺の目標は闇系のキャラクターを作ることだ。

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