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第21話 料理

 昨日は家に帰ったらそのまま寝てしまった。まあ、偶にはログインしない日があってもいいと思う。



 ログインしてリビングに行く、いつも通りグリーモルさんはいなかった。代わりに火焔がいたが。


「おはよー」

「おはよう。寝癖あるぞ直してこい」


 当然な顔で「フーアが直して」と言ってきた。それでいいのかよ……


「自分で直してこい。女子力低いぞ」

「女子力? 僕にそんな力ないよ?」


 そんな不思議そうな顔で聞かれても困る。

 女子力ってなんだ? 周りの人が使ってるから使っただけで意味知らないんだけど。


「ほら、あれだよあれ。女子力低いってのは彼氏できない人のことだ」

「じゃあ、女子力高い人は彼氏たくさんいるの?」


 そうなのか?


「そういうことだ」

「睡蓮は女子力高いの?」

「高いと……思う」


 火焔は「そうなんだ」って言いながらどこかに言ってしまった。結局、寝癖なおしてないな。


 さて、空腹度が導入されたんだ。自分で料理作れるようにするか。これで、俺に料理の才能が無かったら毎日露店で過ごすことになるな。

 最初はウサギステーキ塩味から作るか。簡単だが焼き加減が重要となる料理だ。

 グリーモルさんの家だから料理に必要な物は揃っている。ガスコンロみたいな感じだが大丈夫か?焦げないよな。


【ホワイトラビットの生焼け肉】

 25%の確率で食中毒になる。空腹度は20%回復するがオススメはしない。


 最悪だな。ビビりすぎて生焼けになった。


 ちなみにだが、毒耐性系のスキルは一度その状態異常にならないと取得できない。何故最初から取得できないかはわからない。運営は、プレイヤーに一度は状態異常を体験してもらいたいのだろう。


 俺は草原で食中毒になったから毒耐性取得できるがスキルポイントを使いたくない。

 毒にならないことを祈って食べるか。




 クソ不味かった! 食中毒にはならなかったが生の部分がゴムみたいで食えたもんじゃない。

 食べた後に気がついたがもう一度焼けばすんだことだった。

 次は気をつけよう。


【ホワイトラビットのステーキ】

 空腹度25%回復


 普通だが成功した! これは嬉しい。


「ここに居ましたか」

「ちょうどいい所にきたな睡蓮。ステーキできたんだ。味見してきてくれ…よ」


 後ろを向くと笑顔の睡蓮がいた。いや、笑顔なんだけどオーラっていうか雰囲気が怒ってますって言っている。だが、俺は今日睡蓮に会っていない。怒らせる理由がない。火焔がなにかしたのか?


「な、何かあったのか?」

「ええ。ありましたよ。火焔が「睡蓮は彼氏がたくさんいるの?」って聞いてきたんですよ」


 ………火焔。何て事を聞くんだ。


「へ、へぇ〜。何でまた」

「何でもフー君が言っていたらしいですよ。それで、ホントのことですか?」


 笑顔で聞いてきてる時点でもう答えはでてるのでは?


「………弁解の余地は?」

「ないですよ」

「グフっ!」


 マジで痛い。本気で腹パンされた。

 普段は召喚者どうのこうの言ってるのに……

 でも、ステーキ食べて「美味しいですよ」って笑顔で言い去って行った。

 アメとムチというやつか。一瞬、腹パンされたの忘れて、また作ろうとか思ってしまった。騙される俺マジでチョロいな。



 《フレンド登録者からメールが届いています》


 誰だ?って思う必要はない、こういう時はソラだ。

 違った。ノアから? 珍しいな。

『用事があるのでこの場所に来て。忙しいなら断ってくれていいよ』

 うーむ。料理飽きたからな、今から向かうと返信しておこう。


 いつもの露店じゃないんだな。

 書かれた場所に来たがお店だよな? 入るのって勇気いるな、間違ってたら恥ずかしい。


「店の前で何やってるの? 入りなよ」


 ノア本人が出てきた。間違って無かったのか。


「オープンしたの?」

「そうだよ。ノアズ・アークって名前にした。ノアの方舟ってやつだよ」


 なるほど、名前からつけたのか。


「ごめん。俺、オープン祝いしてない」

「気にしなくていいよ。昨日はフーアログインしてなかったから。それに急に決まったことで連絡できなかった私が悪いし」


 なんだと!? やっぱりログインしない日は必要ないな。昨日もログインすべきだった。


「今度、祝いの品持ってくるよ。それで用事って?」

「もう終わっちゃたんだけど、オープンのお知らせ。と北のボスの討伐依頼。嫌なら断っていいよ」

「軽いな……まあ、受けますけど。でもなんで北のボス?」

「フーアって攻略記事見ない人だったね」


 北の森しか行ってないから攻略見る必要ないんですよね。


「実はって言うほどのことじゃないんだけどね。このゲームってステータスあるんだよ」


 まあ、ステータスは確かにあるが、それがどうかしたのか?


「不思議そうな顔してるね〜。私が言ってるステータスは前に魔剣を鑑定した時に攻+ってあったよね? それのことだよ」

「確かにステータスって言えばステータスですね」

「それでね。蜘蛛の糸で作った服は魔法関係が上がるんだよ。今は次の街で採れる鉱石で防具作ってるんだけどさ。こっちは物理関係が上がる。だから蜘蛛の需要がね〜」


 例えば


 浴衣蜘蛛の法衣

 体力+5 魔力+5 魔防+10

 耐久値100


 鉄の鎧

 体力+10 物防+10 魔防+5 敏捷ー5

 耐久値100


 気づいた人はいるだろうか? 速度が敏捷になっていると。

 これは、謎だ。ソラによると敏捷上昇より速度上昇の方が語呂が良いからでは? とのことだ。

 そんなくだらない話はやめて、これをよくあるゲームのステータス的に言うと


 フーア 

 蜘蛛ver   鉄の鎧ver


 体力:20   体力:25

 魔力:20   魔力:15

 物攻:15   物攻:15

 物防:15   物防:25

 魔攻:15   魔攻:15

 魔防:25   魔防:20

 筋力:15   筋力:15

 敏捷:15   敏捷:10


 みたいな感じらしい。器用と幸運が無くなったな。このままステータス制にすれば? と言いたいがいちいちステータスを上げるの面倒だからこのままでいい。

 でも、こう考えると、魔剣の攻撃力凄いな。物攻が95まで上がる。


「防具は+が多いな。武器は二つしかないのに」

「しょうがないよ。防具で体力上がるって変な感じだけど、剣で体力上がったらもっとおかしいから。それに防具で体力上げないとHP少なすぎるよ」

「それもそうだな。それで話を戻すがボス討伐って言っても倒したあと数日間は遭遇できないぞ」

「一体で十分だよ」


 なんでもノアはソラ達にも依頼して倒してもらったんだが、あと少し足りないらしい。


「明日には持ってくる」


 そう言ってノアの店をあとにした。

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