表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/30

第20話 学校

 ログインしたかったが今日は登校日だ。

 半日だし、行きたくないがメンテナンスと重なったので行くしかない。



 教室に入ると冷たい空気が俺を通り過ぎていく。灯油がないとストーブ点けられないからな…………早く帰りたい。


「辻平ーもっと早く来いよ」

「無理だ。それより残念だったな大会」


 ソラのチームは準優勝だった。相手チームは六人で廃人らしく、あれは勝てないと近くにいた人達が喋っていた。


「まあ、しょうがないさ。それに次があるから問題ない」

「次は勝てると?」

「お前の大会出場禁止はもうないだろ。次はお前を入れて六人だ」

「……いや、無理だな。火焔は許可してくれると思うが睡蓮の許可がでないと思う。睡蓮は自分が戦うとか言うから」


 なんだその呆れた顔は。……殴ってやろうかな。


「お前さ、召喚者の方が命令されてどうすんだよ。まさかお前が美人に弱かったとはな」


 確かにって思ったが確かにじゃないわ! 美人に弱くねぇよ。最近なんて睡蓮の顔見て喋ってるからな!

 あれ?「顔見て喋って」って睡蓮に言われたな……


「俺もいま知ったわ」

「そんなことより、見たか公式サイト。凄い情報書かれてたぞ」

「いや、見てないが何かあったのか?」


 斎藤がスマホを見せてきたので有難くみさせてもらう。


「なになに……空腹度の追加、春休みに合わせVRの追加販売、春休みのイベント、期間限定でスキルの交換を行います」

「もう人増えるとかありえないと思わないか? 春休みイベントとかイベント続だし。まあ、空腹度は前から言われてたから納得できるがな。ちなみにスキルはスキルポイント、2ポイントと交換だそうだ」


 確かに追加販売は一ヶ月以上掛かると思っていた。でも、四月に発売というのもどうかと思うな。俺達みたいに学校が変わるとかいう人は買いたくても人付き合いなどがあるだろう。そう考えれば妥当か。まあ、俺に人付き合いがあるかはわからんが。


「春休みに合わせてきたんだろ。イベントは斎藤達みたいなトッププレイヤーに追いつきたい人がいるからじゃないか? まあ、差が縮まるかはわからんが」

「お前も十分トッププレイヤーだからな。問題はイベントの内容か。まず、防衛イベントは無いな。俺達が有利すぎる。考えられるのは経験値が多い敵の出るフィールドくらいなんだが……」


 斎藤が途中で言葉を止めて考え込んでしまった。

 経験値が多い敵の出るフィールドは無いだろう、あのゲームで敵を倒してもスキルレベルは上がらない。

 レベルだけが上がってスキルポイントが貯まるだけだ。


「やめやめ、考えるだけ無駄だ。イベントとか言って歓迎会みたいなので終わるかもしれないし。」

「いや、それは無いだろ。そういえば、魔眼の人気凄いぞ。新しくゲーム始める奴はみんな選ぶんじゃないか?」

「そうなのか? あれは正直オススメできないぞ」

「なんでだ? 十分強いだろ。はっきり言ってチートだぞ」


 はぁ、こいつ何もわかってないな。


「あのなぁ〜。知らないかもしれないが魔眼はバニシングスキルだ。それにスキルレベルも上がらない。はっきり言ってクソスキルだよ」

「バニシングスキルってなんだよ?」

「一度選ばれた能力は二度と選ばれないんだと。だから、悪魔化と天使化はもう無い。そもそも能力はランダムで決まるんだよ」


 ランダムかは怪しいがな。正直言って運営が作ったネタスキルだろ。


「まじかよ。スキルレベルが上がらないってのはなんでだ?」

「この後の暇な時間に紙に書いといてやるよ。それでわかるだろ。あ!そういえば知ってたか睡蓮の召喚時、最大MPの二割が無くなるってこと」

「はぁ!? じゃあお前のMP常に六割ってことか?」

「そういうことだな」

「お前ってドMだろ。いたっ!」


 ウザかったので殴っておいた。俺は悪くない。


「さっさと席戻れHR始まるぞ」

「覚えてろよ!」


 どこの悪党だ、あいつは……




 昼になりほとんどの人が帰ったが俺と斎藤は残っている。

 まだ、メンテナンスが終わる時間じゃないからな。

 斎藤の奴、俺が書いた紙を見てやっぱりMだろと呟いたので、また殴ってやるか。


「魔眼の情報は俺が書いといてやるよ。取得したい奴いなくなるだろうなこれ」


 書き込みするなら殴るのは勘弁してやろう。


「忘れてたがVRギアの発売はいつなんだ?」

「それなら一週間後だな。スキル交換も一週間後だ」

「ならそれまでに魔王城を作らないとな。斎藤も手伝え」

「魔王城ってなぁお前ホントに魔王目指すのかよ」

「不正解だよワトソン君。俺は魔王になったんだよ!」


 こいつ何言ってんだ? みたいな顔をするな。俺は正常だ。


「堕王って称号もらってな。能力が魔王化だったんだよ。つまり、俺は魔王になった。跪け人間!」


 イッタ! こいつガチで殴ってきたんだけど。


「お前も人間だろ。ていうか強くなりすぎだ! お前だけゲームバランス崩壊してるぞ」

「最初だけな。後半は使われなくなるキャラみたいに次第に消えるさ」

「いや、ないな。お前の場合、後半も強くなるパターンだ。そんだけ強いとゲームつまらなくないか?」

「そうでもないぞ。確かに狩りはつまらないが、火焔と楽しく遊んでる」

「キャバクラみたいなもんか。ん? 睡蓮さんは?」


 最低な例えだな。どちらかと言うと動物の触れ合いコーナーだろ。


「睡蓮は暇してるか、火焔と遊んでる」

「お前らゲームしろよ」


 しょうがないだろ。斎藤のいう通りでモンスターは弱くて面白くないし、グリーモルさん帰ってこないから次の街行けないし、生産とかやる必要がない。


「やることないんだよな。まあ、今回のイベントが面白いことを祈ってるよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ