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第18話 仲間

 ログインするともうすっかり見慣れた部屋で起きるが、この家にいつまでいればいいのか。

 グリーモルさんが一週間も帰ってこないとは、予想外だよホント。


 昨日はあの後、練習相手を拒否されたのでログアウトした。

 呼ばれたから行ったのに拒否するなんて酷いと思うが自業自得なのでなにも言えなかった。

 そして、別れ際にフレンド登録をしている時に気がついた。

 俺って人との交流が皆無だったと……ゲームが開始して一週間以上経つのにフレンドが五人しかいない。

 みんな苦笑いしてたのが心に残ってる。


「火焔と睡蓮は留守番してて。ちょっと出掛けてくるから」

「拒否します。私か火焔のどちらかは連れていって下さい。一人だと心配です」

「僕もそうしたほうが良いと思う」


 そんなに心配する必要無いと思うよ。


「いや、そこら辺散歩してくるだけだから」

「そうですか……丁度良いですね。朝食買ってきてもらえますか?」


 何だと!? 睡蓮め、嘘だと気づいてやがるな……

 お腹空かないって言ってたのに朝食買ってきてはおかしいだろ。


「どうか今日だけは一人で行かせて下さい!」

「最初からそう言って下さい。お気を付けて。あと、朝食はいりません。」

「いってらっしゃい」


 やっぱり、俺の嘘はばれてたな……とりあえず街を歩くか。



 あてもないので適当に歩いていたが、懐かしいなこの広場。一週間前はパーティ勧誘してるプレイヤーとか大勢いたんだけどな。今は一人しかいない。

 一人だけ? 丁度いいじゃん、ここでパーティ組んで人との交流を増やせばフレンドも増える。

 でも、女性プレイヤーか、話し掛けるの勇気いるな。いや待てよ男かもしれない。二度間違えてるからな今回も……豊かなお胸で何よりですね。……間違えようがないんですけど!

 しかも、髪の毛が鎖骨くらいまであるし。


「あの……パーティ組んでくれませんか!」


 話かけられた!? ん? 前にもこんなことあったよな……なんかデジャブ。


「えっと、いいですけど、なんで自分?」

「ぼ〜っとしてたので暇なんじゃないかと思いまして」


 確かにぼ〜っとしてたな。でも何で一人? 正直、待ち合わせしてると思ってたんだけど。


「なるほど。でも何で一人? 女性プレイヤーってパーティとか組みやすいのに」


 このゲームで性別は変えられない。でも、顔は変えられる。可愛い顔や綺麗な顔に変えればパーティ勧誘は多いだろう。

 この女性は可愛いし問題ないと思うんだがな。


「それには事情がありまして……」

「とりあえず何処かはいる? 立ち話は疲れるでしょ」




 カフェに入ったが普段こないところは落ち着かないな。

 でも普通に会話できてる! 毎日、睡蓮や火焔といれば慣れてくるかと思っていたけど、正解だったようだ。


「まず自己紹介しましょう。俺の名前はフーアです」

「私の名前はロゼです」

「それで、どうしてパーティを組もうとしてたんです?」

「妹に誘われてゲームをやることになったんですけど最近忙しくてログインできなかったんです。それで、昨日からゲームを始めたんですけど妹は用事があるとかで会えなくて」

「え〜っと、パーティ勧誘とかは?」

「勧誘されたんですけど、男の人ばかりだったので断わりました」


 そりゃそうか。女の人ばかりなら俺も断る。美人に囲まれるとか論外で喋れなくなって空気になると思うよ。それが現実。

 にしても昨日から始めたとは……


「スキルって教えてもらってもいい? 嫌なら別にいいんだけど」

「えっとですね、剣、鎧、魔眼、光魔法、物理攻撃力上昇、魔法攻撃力上昇、筋力上昇、速度上昇、魔力増加、魔力回復、です」


 魔眼もってるの!? 何で選んだんだ? そういうキャラじゃないと思うんだけど。


「なるほど。ロゼさんは攻略が主体なんだね」

「違いますよ?」

「えっ! なら何でこんなスキル構成にしたの?」

「妹に聞いたらこうしろって言われて……何かまずいことでもあるんですか?」


 何かっていうか全てまずいと思うよ。妹さんに騙されてるし。


「一から説明するよ。

 まず、剣は武器スキルの一つ。まあ、剣で戦うなら剣だし、弓なら弓を選ぶのが基本。

 鎧だけどこれは鎧の重量による速度低下を抑えたりするもの。

 光魔法は、光属性の魔法を使えるようにする。

 物理攻撃力上昇は、そのままで剣とかの物理攻撃の威力が上がる。

 魔法攻撃力上昇も同じで魔法の威力が上がる。

 筋力上昇は、剣の上位スキルの大剣なんかを持つのに必要。

 速度上昇は、移動時の速度が上がる。

 魔力増加は、魔力ようはMPが増える。

 魔力回復は、MPの回復がはやくなる。

 といった感じだったはずです」


 俺自身、うろ覚えなんだよね。間違ってたらごめんなさい。


「つまり私は攻撃面に特化してるということですね……そういえば、魔眼の説明がなかったのですが」

「魔眼なんだけどさ、魔眼の能力みてくれるかな。それでわかるよ」


 ステータスみてるけど、そういう基礎知識はあるのか。


「天使化ってなってます。光属性の能力上昇ってかいてありますね」


 嘘だろ!? 敵じゃないか。いや、敵とかないんだけどさ。

 にしても、運営は属性で分けてるのか? 火属性なら精霊化とかありそうだな。もう、種族変更させてくれればいいのに。


「ロゼさんは俺の敵のようですね。ブッラクコヒー飲んでますし」

「えっ、敵ってなんですか? それに、ブラックコヒーは眠け覚ましで飲むだけで好きなわけじゃないです」


 ブラックコヒー飲めないとバカにしてくる奴とかいるからな。飲んでる人みると警戒してしまう。


「なら良かったです。敵っていうのは俺も魔眼選んでて、能力が悪魔化なんですよ」

「凄い偶然ですね! こういうの運命って言うんですかね?」


 凄い偶然何だが、妹さんが何で魔眼選んだかがわからない。


「でも、何で妹さんは魔眼を選んだんですかね。魔眼は俺しか取得してないスキルで情報がないと思うんですけど」

「それは、昨日妹の友人が魔眼凄いって言ってたのと、魔眼はキャラ作成時しか出現しないレアスキルだとか何とかで情報が欲しいからだそうです」


 いいように使われてるなぁ。

 妹さんの友人ってカグラか千草のどっちかだな。昨日、魔眼の能力見せたし。


「だいたいはわかった。それで今日はどうします?」

「草原に行ってみようかと思ってますが一緒に来てもらえますか?」

「いいですよ」


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