第16話 お詫び2
北の森でゴブリンと戦い始めて一週間が経った。
この一週間、火焔は犬になってくれなかった……
《運営からメールが届いています》
《運営からのお詫び》
ワンダー・オンラインをお楽しみいただき、誠にありがとうございます。
PvP大会の出場禁止につきましてのお詫びとして『上位スキル交換チケット』を配布させていただきます。
ご迷惑お掛けいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
今後とも、ワンダー・オンラインをよろしくお願い致します。
お詫びとしてはすごすぎないか? とも思ったが、PvP大会の参加賞はスキル交換チケットらしい。
発売記念って運営も太っ腹になるよな……
上位スキル交換チケットは取得しているスキルを上位スキルに交換してくれるもののようだ。 闇魔法に使用した場合、闇魔法で覚えるアーツは全て取得し影魔法を取得できる。
やっぱり、お詫びがすごすぎるだろ…… まあ、貰えるなら貰っておこう。
どのスキルに使おうかな〜
名前:フーア Lv.16
称号:絶滅危惧種
スキルpt:10
スキル
【魔道書Lv.17】【魔眼Lv.4】【邪眼Lv.1】【闇魔法Lv.12】【魔法攻撃力上昇Lv.6】【魔法操作Lv.6】【魔力増加Lv.8】【皮紙作成Lv.5】【脱毛Lv.4】【浄化Lv.4】
控えスキル
【調教Lv.1】【鑑定Lv.1】【料理Lv.1】【紙作成Lv.7】【合成Lv.3】
魔道書のスキルレベルは上がると召喚に必要な魔力が少なくなることが判明した。一上がるごとに0.2%ずつ少なくなっている。
そしていまだに攻撃スキルは闇魔法のみだ。ここまできたら闇魔法のみでいこうと思う。
睡蓮と火焔には反対されたが……
魔眼にしよう。魔眼はMPニ割もってくから中々使えないんだよな。
アイテムから上位スキル交換チケットを選び、魔眼に使用した。
《魔眼のスキルレベルが上限に達しました。魔王の眼が取得可能になりました》
《上位スキル交換チケットにより、魔王の眼を取得しました》
【魔王の眼】
『ヘルゲート』地獄の門を召喚する。
悪魔化のようなスキルは無いようだな。残念だなー、魔王化とかほしかったなー
ヘルゲートは悪魔化しないと使えないし、MPを二割もっていくようだ。
MPつかいすぎだろ!!
悪魔化だがMP一割で使用でき時間も30分に延びていた。これは嬉しいな。
「睡蓮。空飛ぼうぜ!」
一番嬉しいのは俺が飛行可能になったことだ!!
風魔法でも空を飛べるが、こっちは翼が生える。
「フー君って人間だから空飛べませんよ?」
「ふっ。甘いな睡蓮。俺くらいになると空を飛べるのさ!」
睡蓮がドン引きした!?
そんなに気持ち悪かったのか………もう生きていけない。
「フーア空飛べるなら一緒に飛ぼうよ」
女神様だー!
「火焔……愛してる!」
火焔は良い子だなー。
抱きしめていたら睡蓮によって火焔から引き剥がされた。
火焔は怒っていなかったので良かったが、普通に犯罪行為だった。
独房に挨拶しなきゃいけなくなるところだったな……
「とりあえず、空飛びに行こうぜ」
すっかりお馴染みの北の森。
今日も人が少ないな〜。まあ、今はPvP大会の練習をしてるプレイヤーが多いから当然か。
「それでフー君はどうやって空を飛ぶんですか?」
「それはな……悪魔化!」
服突き破って翼がでてきた!
堕天使みたいな黒い翼だな。蝙蝠のような翼を想像してたんだが……まあいいか。
肩甲骨に力をいれると動くようだ。にしても、翼があるって変な感じだな。
「これで、飛べるだろ?」
「フー君って人間じゃないんですか?」
「種族は人間だよ。これは俺の眼の力だ」
「フーア大丈夫なの?」
「大丈夫だぞ。それより睡蓮と火焔はどうやって飛ぶの?」
睡蓮が背中から俺と同じ翼をだしたのはわかる。
だが、火焔も背中から同じ翼をだしたぞ⁉︎
「火焔はなんで翼あるの?」
「僕は決まった姿がない代わりに何にでもなれるんだよ」
いいなぁ。
俺もイケメンになりたい……
空は意外と簡単に飛べた。
風が気持ち良い〜と思っていた時期が俺にはありました。なんと空にはモンスターがいた!
あんまり高くは飛べないようだ。
下を見るとゴブリンが数体でまとまっていた。
「ちょっと魔法試していいか?あそこのゴブリンに」
「いいですけど、弓を持っていますので注意して下さい」
「フーアまた変な事しようとしてるね」
またってなんだよ! まあ、ここ一週間バカやってましたけどね。
「まあ観てろ。ヘルゲート!」
「いや〜凄かったな。一瞬で倒したぞ! 奥義だな奥義」
「フー君は人間やめてますよ……」
「あんなモノ召喚するなんて、フーア凄いんだね」
ヘルゲート
アニメとかで見る骸骨の門が出現し、中から黒い手がでてきた。
そして、ゴブリンは黒い手に捕まり門の中に消えた。ついでに門も消えた。
ゴブリンどうなったんだ? きになるがあの門を通りたいとは思えないな。
「後もう一つ試したい事があるからちょっと待って」
「まだ何かあるんですか?」
「魔剣創造というやつが残ってる。……魔剣創造!」
一本の黒い剣が出現した。
『魔剣創造』自身の闇の力で剣を作る。
魔剣創造は悪魔化状態で使用でき、闇属性の魔力で強化されているらしい。悪魔化が切れたら剣も消えるそうだ。
結局、魔眼で得られたのは『悪魔化』『飛行』『魔剣創造』の3つだけか。
まあ、俺得なスキルだったな。