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第12話 会話

 

 《フレンド登録者からメールが届いています》


 ログインするとメールが届いていた。

 ノアから? 俺が泊まっている宿屋の食堂にプレイヤーが待ち伏せしている!? なんでバレたんだよ……俺が宿屋に入って行くのを見た奴がいると。しかも、ノアの店にいるのも見られていたか。

 マジで面倒だな。運営は放置かよ、明らかにマナー悪いだろ。現実世界で一般人を家の外で待ち伏せしてたら捕まるからな。

 とりあえず、ノアに感謝のメールを送っておくか。待ち伏せされてることを知らなきゃ捕まっていたからな。ホントに助かる。

 まあ、待ち伏せされてるってわかれば大丈夫だ。


「睡蓮。宿屋で待ち伏せされてるから一旦魔道書に戻ってくれる?」

「わかりました」


 えっ、こういう時は素直に従うのか。また、拒否されると思ってた。

 さて、一人になったわけだが髪は白のままだからな


「悪魔化」


 で髪の色が黒にする。これで、バレることはない。

 しかし……今日は宿屋で紙作ろうと思っていたんだがな、宿屋に居られなくなっちまったよ。

 グリーモルさんの家にお邪魔するか。紙についても聞けるし。



 一階に降りるとノアの情報通り、食堂がプレイヤーだらけだった。人混みとか苦手なんだけどな。でも、通路が塞がれてないのは助かるわ。俺、横に並んで歩いてる集団がいて道通れなくても何も言えないタイプだし。そのせいで学校遅刻したんだよな。


「そこのお前」


 うん? 俺のことか?


「なんですか?」

「聞きたいことがある。ここに白髪の男と黒髪の女がいないか?」

「知らないですね。それより、こんなに大勢のプレイヤーは人探しのためですか?」

「お前には関係ないことだ」

「迷惑だからやめたほうがいいと思いますよ」

「うるさい! お前には関係ないと言っているだろ!」

「そうですか。それでは」


 なんだアイツ、酷い態度だな。

 まあ、きにしてもしょうがない。グリーモルさんの家に行こう。流石に手ぶらだと悪いから露店で料理でも買ってから行くか。



「グリーモルさん、居ますかー」

『おお! 丁度いいときにきてくれたの。実は主に頼みがあるんじゃよ』

「頼みですか?出来る範囲なら協力しますよ」

『うむ。儂は用事で数日出掛けるでの、その間この家に泊まっていてほしいんじゃよ』

「わかりました。そのくらいなら大丈夫です」

『迷惑をかけるの。急で悪いが儂はもう行かねばならん。家にあるものは自由に使って構わんからの』


 宿屋を探す必要がなくなってしまったな。助かるからいいんだけどね。

 とりあえずグリーモルさんが帰ってくるまでこの家にひきこもるか。



 今日の予定は脱毛のスキルあげに紙の完成だ。

 昨日、漂白した繊維を洗っている間に脱毛を使う……あ! 睡蓮召喚するの忘れてた。まあ、睡蓮は何時到着したか知らないし適当に誤魔化せば大丈夫だろ。


「代償とするは我が魔力、来い、睡蓮」


 やっぱり詠唱って恥ずかしいな。しかも、部屋の中で一人本を開きながら叫ぶっていうね……なんかの罰ゲームなのか? 録画されてたら人生終わるぞ。


「や、焼き鳥買ってきたけど食べる?」

「食べますが、その前に言うことは?」

「申し訳ございません!」

「食べ物で誤魔化そうなんて、フー君の教育を間違えたようですね」


 何故バレる。何時着いたか知らないはずなんだが……まさか、魔道書の中にいてもこっちの声はきこえるのか? もしそうだとしたら厄介だぞ。何処に行っても睡蓮が同じ情報を持つことになる。つまり、ただのストーカーじゃないか!? いや睡蓮は知りたくも無い男の情報を強制的に知らされているだけか。


「これからさ、出掛ける時は魔道書置いて行くよ」

「そんなことは許しません。肌身離さず持っていて下さい。もし、忘れたりしたらフー君の秘密をノアさんとかにバラしますよ」

「秘密? 俺に秘密なんか無いぞ。たった三日の間に秘密なんてできるわけないだろ」

「じゃあ言いますけど、フー君実はホモですよね。この前中性的な男性をみて凄いニヤけてましたし」

「は? いやいや、あの人女だから。男なわけないじゃん」


 多分、睡蓮が言っているのは北の森にいた人のことだろう。

 召喚獣だろう獣を撫でている姿が可愛かったんだよな。俺も、もふもふがほしい。ベッドのかわりにして眠りたい。


「顔がどうみても女性だった。それにニヤけてなかったから」

「はぁ。顔だけで判断するのはよくないですよ。その人は、また女に間違われたと呟いてましたから男です」

「え、まじで、そんなこと言ってた?」

「フー君が見惚れてる間にかなり愚痴を言っていましたよ」

「…………」

「やっぱり、フー君の教育を間違えたようですね。女性と男性の区別もつかないとは」


 そんな馬鹿な……俺は愚痴を言っている姿をみてないぞ!? クソ! 俺は何をしていたんだ!……見惚れてたのか。何故このゲームには録画機能がないんだ、録画していれば一番みなければならない場面を逃すことなどなかったのに。

 しかし、睡蓮は何もわかってないな。


「なあ睡蓮。この世界で性別なんて関係ないんだよ。まず、性別が関係してくるのは仲の良い奴らだ。でも、俺はみてるだけで、関わりを持つことなんて無い。だから、可愛いければそれで良いんだよ」

「……そうですか。どうやらフー君は可哀想な人のようですね」



 睡蓮はわかってくれなかったが結局、これってホモになるのか?


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